Raspberry Pi Zero 2 Wのファーストインプレッション

まだRaspberry Pi は人気がある証拠なのか、日本でも販売が開始された6/21、ラズパイダの観測では、30分足らずで売り切れになっていました。

日本国内のリセラーは、モデルにも依りますが、概ねスイッチサイエンスとKSYの2社になります。先に販売されたのがスイッチサイエンスで、今後近いうちにKSYからも一般販売の見込みです。(※販売されました)

Raspberry Pi Zero2 Wが手に入ったので、ファーストインプレッションとしてご紹介します。

やはりZero系ですから、CPUが速くなったとはいえ、GUI環境での利用が厳しいのは変わりませんでした。仕組みによっては処理に少し余裕が生まれるので、これまでできなかった処理を追加することはできると思われます。

結果として、性能が上がったZero 2 Wの使い勝手は、これまでのZero系と変わらない印象でした。

2022.8.18 比較表を追加しました。

この記事の主な流れ

人気がまだある?

国内販売が開始され、私が知ったのは販売通知メールでした。いつ登録したのか覚えていないくらい前にスイッチサイエンスで登録していたのです。忘れていましたが便利ですね。

その時、11:14です。直ぐにRaspberry Pi Zero2 Wだけ購入の手続きを取り、ニュースレター用に情報をまとめ配信し終えた頃、Twitterのツイートから売り切れたことを知りました。このとき時計を見ると11:45でした。

思ったよりも早く完売したことに驚きましたね。

記事を書いている本日、購入から2日目に商品は届きました。メール便でしたから通常通りのスピードです。

2年くらい前ならば、日本でも即完売を想像するのは容易かったのですが、Raspberry Pi関係のニュースも少なく、ここのところラズパイダへのアクセス数も激減していることから、あまり注目されないのかな?と考えていいました。それに元々、Zero系は非常にマニアックであまり万人向けでもない印象だったからです。

予定数は分かりませんが、あっという間の出来事でしたね。昨年のRaspberry Pi 400が取り扱い開始の頃を思い出しました。

Raspberry Pi は、まだまだ人気があるようで少し嬉しいですね。

Raspberry Pi Zero 2 W
メリット
  • 従来のZero系とサイズがほぼ同じ
  • CPUはシングルコアからマルチコアへ速度アップ
  • 販売価格は通常モデルよりはるかに低価格
  • 低消費電力
デメリット
  • Wi-Fiは2.4GHz帯のみ対応
  • GPIOピンヘッダーははんだ付けが必要
  • 接続コネクタが特殊(miniHDMI、microUSB)

性能を確かめる

既に海外では販売されていることもあり、これまでの1Wより性能が上がったことは数値で知っています。およそ3A+に近い性能だといううこと、有線LANポートがない点も3A+と同等です。

主な比較表

細かい点は載せていません。Raspberry Pi Zero2 Wと3A+、そしてRaspberry Pi 4の主な違いを確認してください。

スクロールできます

Raspberry Pi Zero2 W

Raspberry Pi 3A+

Raspberry Pi 4
技適取得日(日本)2022年3月23日2019年9月19日2019年9月4日
チップ
SoC
RP3A0
(Broadcom
BCM2710A1)
Broadcom
BCM2837B0
Broadcom
BCM2711
CPUARM v8 Cortex-A53
クアッドコア1GHz
ARM v8 Cortex-A53
クアッドコア1.4GHz
ARM v8 Cortex-A72
クアッドコア1.5GHz
(新ロット1.8GHz)
メモリー512MB1GB2GB・4GB・8GB
GPU
ビデオ
Broadcom
VideoCore IV
250MHz
Broadcom
VideoCore IV
400MHz
Broadcom
VideoCore VI
500MHz
ネットワークWi-Fiのみ
IEEE 802.11 b/g/n
2.4 GHz
Wi-Fiのみ
IEEE 802.11 b/g/n/ac
2.4GHz、5GHz]
IEEE 802.11 b/g/n/ac
2.4GHz、5GHz
有線ギガビットイーサネット
接続I/FmicroUSB × 2
miniHDMI
専用カメラインターフェース
USB
HDMI
3.5mm 4極ジャック
専用カメラインターフェース
USB2.0 × 2
USB3.0 × 2
microHDMI × 2
3.5mm 4極ジャック
_専用カメラインターフェース
推奨電源microUSB
5V2.5A
microUSB
5V2.5A
USB Type-C
5V3A
定価15ドル25ドル35ドル(1・2GB)
55ドル(4GB)
75ドル(8GB)
各製品の比較

今回のRaspberry Pi Zero2 Wのチップは、Raspberry Pi オリジナルです。Broadcomを元に独自に設計されたものです。そのため、基板上のCPUにRaspberry Pi のロゴマークが入っているのが分かります。

前Zero Wとの比較

1W/WHとの比較

今では手に入りにくくなった前モデルのRaspberry Pi Zero1 W/WHとの比較をみてみましょう。

スクロールできます

Raspberry Pi Zero2 W
Raspberry Pi Zero W
Raspberry Pi Zero1 W
技適取得日(日本)2022年3月23日2017年4月10日
チップ
SoC
RP3A0
(Broadcom
BCM2710A1)
Broadcom
BCM2835
CPUARM v8 Cortex-A53
クアッドコア1GHz
ARMv6 ARM1176JZF-S
シングルコア1.0GHz
メモリー512MB512MB
電源microUSB
5V2.5A
microUSB
5V1.2A
定価15ドルW:10ドル WH:14ドル
各製品の比較

表にない項目は、細かい点を除いて同じ性能です。

CPUだけ性能がアップしたと言ってもいいでしょう。電源がスマホの1Aでも問題無く動作したZero1系に比べて、CPUの性能が上がったので3A+と同じように2.5Aが推奨電源になっています。

Zero2 Wは、性能面で3A+とほとんど変わらない印象

Rレッド

Raspberry Pi Zero2 Wの実売価格は、約2,500円でした。
当時、3A+が3,000円くらいだったから価格も近いね。

Rグリーン

Raspberry Pi Zero1 Wは、当時約1,100円くらいだったっけ。1ドル110円だったかな。

Rブラック

初代のZero v1.3は、1ドル120円くらいだったけど、5ドルだったから600円だった!!

今後はどうなるのか分かりませんが、Raspberry Pi Zero2 Wは、まだ抽選販売かセット品のみ販売されている状態です。さらに、お一人一点限りです。(2022年8月時点)

OSの動作印象

先に試したOSは、デスクトップ環境があるRaspberry Pi OSの32bitと64bitです。少し無理なのは承知の上で、3A+並ならと思い、敢えてどうだろうかと試してみました。

一応、Zero 2 Wだけ64bitOSにも対応しています。

Zero 2 Wは64bit OSにも対応。
ただ、Raspberry Pi Imagerには3/4/400としか記載されていない。
逆にこれまでのZero系は32bit OSしか対応していなかったということです。

Zero系の用途としては、ほとんどLite版をインストールすることが多く、デスクトップPCライクに利用することは現実的ではありませんでした。さて、2はどうか。

その後、いつものようにLite版を試しています。

ファーストインプレッション32bitOS

chromiumブラウザの立ち上げに1分以上はかかるので、変わらず遅い印象です。

軽く触った印象では、やはり3A+の使用感に近く、反面、やっぱりZero系だよと言われればそんな印象を受ける速度です。

デスクトップ環境で使うには少し苦しく、Raspberry Pi OS Lite版で使うことが前提になるのはこれまでと変わりません。

色々と試してみないと分かりませんが、デスクトップ環境のような処理だと、これまでのZero系が厳しいという判断なら、使えるレベルにはなったと言えそうです。

ファーストインプレッション64bitOS

次は64bit版のRaspberry Pi OSです。

正直、32bitOSとの差は体感できません。ある一定の使い方なら感じることはできても、やはりZero系には違いありませんから、メモリーがどうしてもネックになります。

遅いという感覚が、速いにはなりません。初代のノーマルZeroに比べれば全てにおいて速いというのは実感できても、手に入らない現状では気にしないで良いでしょう。

これまでのZero系は一応GUI環境でも動くだったのが、使えるようになったと言っても、実用的かと問われれば、そうはいえません。

GUI環境でかろうじて動くZero Wから、一応はGUI環境でも動くZero 2Wになった程度です。

Lite版 OS

次に試したのはRaspberry Pi OS Lite版です。これまでのZero1Wと同じ使い方になります。

SSHで接続して使うため、正直な話、CPUの速度はプログラムをコンパイルするような処理や、動画のエンコーディングなどに使ってみないと、Lite版でも体感しづらいと思います。

始めにバージョンアップのfull-upgradeコマンドで、導入時あった111個のアップグレード処理をしました。数も多かったのでなかなか他のケースと比較はできないですが、やはり少し速い気がします。

起動時間も恐らく少しだけ速くなったといえそうですが、仮に計測してもあまり変わらない程度だと思います。体感的には高く評価はできませんでした。

CPUがマルチコアになったのが大きいので、GUI環境がないLite版であれば、ある意味で差を感じやすいかも知れません。インストールだけにしても、処理は速くなったと思います。処理量が多くなればなるほど実感するでしょう。

Raspberry Pi 4と比べてはいけないと思いつつも、少し期待してしまいましたね。あくまでもZero系ですからZero 2 Wは悪くありません。仕方がないことです。

スペックから何に使うか?

Zero系の歩み

スペックは公式から発表があった頃にまとめた記事の通りです。

3A+に次ぐ性能だとしても、メモリー容量がこれまでのZero同様に、512MBしかないのがボトルネックになっています。

CPUは前Zero 1Wより速くなっていても、Raspberry Pi 4に慣れている今、どうしても遅い印象の方が強くなってしまいます。(贅沢になりました!)

何が一番性能を感じて有効に使えるのか? 適当な仕組みはちょっとまだ見つかりません。

これまでZero系で動かしていたものをリプレイスしてみたいですね。もしくは、3Bで動いていたものを今度はZero 2 Wでイケるかも知れません。小さくて安価なモデルですから、そのメリットの方が大きいかな。

はてなと思うラズパイグリーン

Zero系のWi-Fiは2.4GHz帯のみ

私もうっかり忘れていたことがあります。このZero 2 WもこれまでのZero系同様に、Wi-Fiが5GHz帯に対応しておらず2.4GHz帯だけです。

いつも5GHz帯で接続していると、アップデートなどで行うファイルの送受信に遅さを感じてしまいます。それはZero 2 Wでも同じです。

Wi-Fiを接続するSSIDを、いつもの5GHz帯に設定していると繋がりませんから気をつけてください。

温度の測定

気になる温度も計測してみました。あくまでもアイドル状態の計測です。CPUに負荷をかければそれだけ温度は上がりますが、スタート時点でどの程度なのかを一定の目安にしてください。

一応、前評判が発熱が抑えられていると見聞きしていたので、これも期待したいところです。

実際はどうだったのでしょう。

真夏のクソ暑い日の計測です。外気温34℃、室温27℃

使用したコマンド

watch -n 1 vcgencmd measure_temp

終了するにはCtrl+C

先ずは基板をそのままの裸で計測すると、約49.5〜50.5℃でした。

Zero2Wの温度

次に、放熱性の高いお気に入りのケースに入れた計測だと、38.6〜39.2℃です。しばらく放置しても40℃くらいが平均でした。

Zero2Wの温度

比較対象のZero1Wとの差はほとんどありません。

Zero、Zero1 Wと比べて、Zero 2 WはCPUの性能が上がったことを考えると、熱は抑えられている方だと言えます。

前作のZero 1W

初代ノーマルZero 1.3も所持していますが、今は手に入らないので比較していません。

発熱については、前評判通りの結果でした。

CPU速度が初代Zero 1.3から5倍、前作からも測定内容によっては約2倍の数値を叩き出すのに、発熱は僅か3〜5℃程度のアップで抑えられているのは魅力的です。

当然ながら、Zero 2 Wを収納するケース素材によって温度は変わります。こちらもあくまで目安にしてください。

経験的に、樹脂ケースなどで60℃くらいまでならよく遭遇します。個人の経験では不具合はない温度です。気になるのでなるべく低く抑えないと思いますので、なるべく金属製のケースの方が無難でしょう。

Rグリーン

高くても58〜62℃くらいなら及第点です。

特にZero系で冷却ファンは搭載させないので、Zero 2 Wの熱には満足行く結果だと感じました。前胃評判通り!

CPUの使用率が100%になれば、必然的に温度もアップします。これはそういう物なので、アイドル時に40℃台なら全く問題ないと思います。

測定で使用ケースの詳細はこちら

意外と変わらない?麻痺してる感覚

フル装備で仰々しいZero 2 W

用途にも依りますし、今後使い続けてみないと結論はまだでません。また最初のノーマルZero 1.3より確実に速くなっているのは実感しても、前作のZero 1 W/WHとは大きく気が付かないかも知れません。

自分でも少し意外な感想でした。

順番的に、使い続けたRaspberry Pi 4に慣れすぎているのが原因です。事前に知っていた性能アップの数値を実感できなくなっていました。

速くはなっていると感じても、Raspberry Pi 4と比べている感覚がどうしても残ります。

少しガッカリする人もいらっしゃるかも知れませんが、Zero 2 Wは、最初のZero 1.3、Zero 1 W、GPIO端子が半田付けされているZero WHが手に入らない今、やっと手に入る貴重なZero系です。

ここで名前を出して比較している3A+すらもなかなか買えません。

その意味ではRaspberry Pi 4と今回のZero 2 Wのツートップが標準となっていくのが現状でしょう。

前作のWHのように、半田付けされたバージョンもリリースされれば、pHAT(拡張基板)が簡単に取り付けられるので財団には早くお願いしたいですね。

Rブラック

オッサンは半田付けが・・・見えなくてもうムリっす。

以上、やっと手に入ったRaspberry Pi Zero 2 Wのファーストインプレッションでした。


Zero2 Wはサイズが変わらないため、これまでのZero系ケースが(ほぼ)流用できます。

冷えてカッコイイ! Raspberry Piのケース

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