海外のサイトでベンチマークテストが盛んに行われています。そんな中、発熱に関するベンチマークテストを載せたメディアのJean-Luc Aufranc氏の元に、発売から数日後、ラズベリーパイ財団からRaspberry Pi 4 にファームウェアの欠陥があったと知らせるメールがあったそうです。
Raspberry Pi 4 VLI firmware some thermal optimizations that are not installed by default on early production units.
Raspberry Pi 4 VLIファームウェアには「初期の製造単位で一部の温度最適化がデフォルトではインストールされていなかった」
https://www.cnx-software.com/2019/06/29/new-raspberry-pi-4-vli-firmware-lowers-temperature/
どうやらVIA VL805 PCIe USB 3.0コントローラのファームウェアに問題があったらしいです。
温度が異常に上がる
どういうことか調べてみると、USB3.0コントローラにActive State Power Management(ASPM)を実装していないようです。
ASPMは、接続するデバイスが使用中でない時に電力状態を低く設定する機能のことです。結果的に電力量が多く発熱が増すということらしい。
冒頭の海外のサイトでは、80度を超える瞬間もあると報告されています。
テストの中で、面白いことに、ファームウェアがあたっていない基板にヒートシンクを付けた基板より、ファームウェアが更新されたボードにヒートシンクを付けていない基板の方が圧倒的にスコアが良いことです。
つまり、ヒートシンクは冷却に有効だけど、そもそもASPMが改善されれば、根本的に温度があまり上がらない結果で心配する必要がないとも言えます。
これは初期ロットで該当する基板は海外で手に入れた顧客です。恐らく日本で発売される基板には既に対応済みになりますから安心してください。
アップデートで対応?
海外のサイトでも触れていましたが、この不具合の修正はラズパイの通常のアップデートとして対応できるのか、別途ダウンロードしたものをmicroSDカードに書き込んでアップデートさせるのか、よく分かりませんでした。
オッサン的には、ROMをフラッシュさせて書き込み直すのならば、OSもない状態で書き換えするのかな?と考えてしまいます。(昔はフロッピーディスクから起動だったけど・・・)
ハードとして交換するわけではないので、恐らくいつものアップデートで対応するということでしょう。
これはもうしばらく様子を見たいと思います。
冷却装置は必要かも?!
大袈裟には考えなくても、異常な温度上昇を防ぐために、これまでより冷却には気を遣った方が良いでしょう。
ヒートシンクだけでもだいぶ変わります。これはRaspberry Pi 3B+でも同様でした。
今回の4Bに合わせて後付けのファンがアクセサリで登場しています。

こういう姿はまるでパソコンですね!
あとはケースです。通気性が良いか、アルミのように放熱性が良いか、それとも冷却ファンを取り付けるだけで済むか?
いずれにしても素のままで長期運用は夏場や設置場所によってはトラブルになりそうな予感がします。
最後に
このベンチマークテストにしても、マルチスレッドの処理の負荷をかけて計測しています。
そのため常に最大の負荷をかける作業ばかりではありません。しかし、80度を超えると子供に触らせるのは少し怖いですね。せめてこれまで通りの60度で安定動作させたいです。
そうなると、ファンの増設までしなくても、ヒートシンクは必須かもしれません。
ファームウェアには対応するとのことなので、正式にリリースがそろそろありそうです。
今回のラズパイ4Bでは大幅に性能や機能がアップしているため、いくつかの問題は残ると思っています。それでも一気に進化したRaspberry Pi はやはり目が離せませんね。
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