Raspberry Pi公式ページにてRaspbianOSの新しい配布イメージがダウンロード可能になっています。2019-04-08付けとなり、バージョン名はStretchのまま、マイナーアップデートとなります。
前回2018年10月にOSのイメージは3種類に分けられました。今回も同様です。
- Raspbian Stretch with desktop and recommended software (全部入り)
- Raspbian Stretch with desktop (基本)
- Raspbian Stretch Lite (デスクトップ環境なし)

通称全部入りの2019-04-08-raspbian-stretch-full.zipのダウンロードファイルサイズは2.04GBです。解凍せずにこのままbalenaEtcherで書き込み可能です。
イメージの書き込みについては以下もどうぞ。
また、初期セットアップは2019年版を記事にしました! 合わせてどうぞ〜。
では、どこが変更になったのか見てみましょう。
リリースノート
いつものように意訳してみます。
2019-04-08:
- Chromiumブラウザがバージョン72へアップデート
- VLC メディアプレイヤーがバーキョン3.06へアップデート
- RealVNCサーバーはバージョン6.4.0にアップデート
- Flashプレイヤーがバージョン32.0.0.156にアップデート
- SDLライブラリ、Pixmanライブラリのパフォーマンスが向上
——SDLライブラリはマルチメディアを制御する物です。グラフィック、サウンドを筆頭に全般です。 - スタートアップウィザードにディスプレイアンダースキャンを設定するオプションが追加
——アンダースキャンの設定は、画面よりデスクトップを小さく表示することで、対語はアップスキャンです。まぁ、画面の表示領域の設定ですね。 - マウントされた外付けドライブがデフォルトでデスクトップに表示される
- wpa_passphraseとの互換性を改善するためにネットワークプラグインを修正
- コピーの失敗を減らすためにSDカードコピー機能の調整
- 様々なマイナーなバグ修正と外観の調整
- ethtool、rng-toolsの追加
- PINNの復元をサポート
——PINNはNOOBSの拡張でOSインストーラのバージョンです。 - Linux カーネル(kernel)は 4.14.98
- Raspberry Pi ファームウェアは f8939644f7bd3065068787f1f92b3f3c79cf3de9
原文は以下
* Chromium browser updated to version 72
* VLC media player updated to version 3.0.6
* RealVNC Server updated to version 6.4.0
* Flash player updated to version 32.0.0.156
* Performance improvements to SDL library
* Performance improvements to pixman library
* Option to set display underscan added to startup wizard
* Mounted external drives now displayed on desktop by default
* Network plugin modified for improved compatibility with wpa_passphrase
* SD Card Copier tweaks to reduce copy failures
* Various minor bug fixes and appearance tweaks
* Added ethtool
* Added rng-tools
* Add PINN restore support
* Linux kernel 4.14.98
* Raspberry Pi firmware f8939644f7bd3065068787f1f92b3f3c79cf3de9
リリースノート
特徴的な内容
今回はマイナーアップデートになります。従って大きなインパクトのあるアップデートはありません。どちらかというと修正がメインです。
その中でも嬉しい機能として2点:
- マウントされた外付けドライブがデフォルトでデスクトップに表示される
- ethtoolコマンドが搭載された
1はそのまま読む通りです。外付けハードディスクを使う機会も多く、初心者にはLinuxのマウントという概念が難しい中、繋いだらデスクトップからアクセスできるというのは便利です。WindowsやMacでは当たり前で、Linuxもディストリビューションによっては既に当然です。
実際にデスクトップ環境を利用しないなら困りません。教育や学習用としてデスクトップ環境を使う機会も多くなったRaspbianには必須の機能でしょう。
2のethtoolコマンドは、ネットワークの設定をアレコレとイジるのに最適です。これが追加インストールなしで利用できるようになりました。玄人向けとはいえ、ネットワークを利用するのは前提な時代なのでこれも必須でしょう。
まとめ
こういったバージョンアップで安定性が向上するのは有り難いです。Raspberry Pi という基板の特性では、あまりアレコレと何でもできるOSというのは個人的に興味がありません。そうならばWindowsもMacもありますし、そもそも他のLinuxディストリビューションで事足ります。
とにかくシンプルで、意識せず、素人でも使いこなせるようなOSが望ましいと思っています。それも少し勉強というか経験すれば他のプラットフォームでも活用できる知識と技術を得られるのが理想に思います。
他に気になったのは、PINN restore supportです。これは具体的に私もまだ分かりませんが、RaspbianOSのインストール時に復旧できる機能?の一部ではないでしょうか?? 裏で動くのでこれからだと思いますけどね。インストールで躓くと嫌気を差しますからね・・・。——まぁ、エラーで心に火が灯り興味が沸くのは一部の○○な人だけだけどw ほら、スンナリ行くと面白みがないというか?ヤバい!?
既にインストールして運用しているRaspbian Stretchはコマンドでアップグレード可能です。
sudo apt-get update && sudo apt-get dist-upgrade
通常は、update && upgradeですけど、全てのパッケージをアップするにはdist-upgradeになります。
ちなみに
sudo apt-get -y dist-upgrade
と-yオプションつければ、その後のY/N質問に全てYesで自動的に進みます。これは他のコマンドの場合も同じです。
もう一つ
sudo apt-get update
これはリポジトリといってパッケージのリストを更新するもので、アプリケーションのアップではありません。先ずはダウンロードする場所をアップデートしてから、最新のパッケージ(アプリケーション)をダウンロード&アップデートするからです。Linuxでは当たり前でも、私も最初は意味が分からなかった!
皆が言う、おまじないです。分からなくてもやっておけみたいな。
その辺は以下の公式ページにまとまっています。
実際に新規でインストールしたり、アップデートしたり試してから、この記事も修正しようと思っています。
では以上がアップデートニュースでした。
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