ラズパイをmicroSDカードからではなく、SSDドライブからも起動させられます。
手順が複雑に感じる人もいらっしゃるようなので、ポイントとなる部分をまとめました。OSをSSDドライブ起動したレビューと共に試してみてください。
いくつかのOSは、公式ツールの「Raspberry Pi Imager」を使えば、microSDカードに書き込むと同じように、書き込み先をUSB接続のSSDドライブに指定してあげるだけで書き込むことが可能です。
ポイントとして、先にRaspberry Pi 4の本体基板に設定を施さないとなりません。一度は公式のRaspberry Pi OSで起動させて設定をしましょう。
一度だけ設定さえすれば、その基板に限りUSB接続のSSDドライブから起動したり、microSDカードから起動したりと、自動的に切り替えられます。(基板に載っているフラッシュROMに書き込むためです)
microSDカード起動と比べると、キビキビとしていてもう戻れそうにありませんよ。
基本の手順
記事内でご紹介しているリンクには詳しくご紹介しています。そちらもご覧ください。
簡潔にまとめると、以下の手順です。
bootloader(ブートローダー)のバージョンをチェック
vcgencmd bootloader_version
raspi-configでの設定
sudo raspi-config
A7 Boot ROM Versionを最新に更新します。
A6 Boot Orderで、デフォルトではmicroSDカード起動(boot)の設定を、USB起動(boot)に設定します。
SSDドライブにOSを書き込む
OSは新規にSSDドライブなどに書き込むか、既存のmicroSDカードから起動して丸ごとコピーするかで実現できます。
最初は設定方法がグラフィカルではないので戸惑うかも知れません。一度設定すれば良いので楽です。
詳しい手順は以下の記事を参考にしてください。
SSDドライブ起動は速度がキビキビ
デスクトップPCライクに使うため、試した実用的なOSは、UbuntuとArm版Windows10です。
Ubuntuは有名なオープンソースソフトウェアで、Raspberry Pi公式ツールのRaspberry Pi Imagerから簡単に誰でも試せます。
一方、Windows10やWindows11プレビュー版は、皆さんがお使いになっているWindowsとは少し違い、CPUのArmに対応したバージョンです。
但し、WindowsはRaspberry Piへ導入するのに、とても手間が掛かります。しかも正式には対応していません。
ライセンス認証もMicrosoftアカウントも通ります。適法です。とはいえ、有志による特殊な方法で導入するしかありません。準備が少し難しく感じるでしょう。万人向けではありません。
Ubuntuのように、Raspberry Pi Imagerから選んで書き込むという手軽さは皆無です。
Ubuntuも
先ずはUbuntuで試してみてください。メモリーが4GBか8GBモデルのRaspberry Pi 4であれば、かなり実用的です。UbuntuMATEの方が軽くイイ感じです。

Raspberry Piで起動させるOSを内蔵型SSDドライブで使う場合は、SATAからUSB3.0へ変換するケーブルが必要になります。
一部にはM.2 SSDという規格に対応したケースが存在ます。M.2 SSDはPCのメモリーみたいな長方形の基板です。
Windowsも動く?
Arm版Windows10や11プレビューは、あくまでもお試し感覚です。今のところRaspberry Piに対応の話は出てきていません。
試したところ、Raspberry Pi本体のWi-Fi接続はできません。デバイスドライバ類が無いからです。
今後は機能限定でもマイクロソフトが対応してくれたら面白い。無理でしょうけどね。
Ubuntuのように導入が簡単とは言えません。テキストやWeb閲覧、クラウド利用にもなっているOffice製品程度なら問題なく動作します。詳しくはリンク先をご覧ください。

高速に読み書きできるから軽い
USB接続とはいえ、microSDカードよりも高速なSSDドライブであれば、基本OSの処理が速くて快適です。
メモリー搭載量やCPUの速さよりも、このアクセススピードがキビキビとした軽い感覚になります。
アプリを使うことを考えれば、Raspberry Pi 4のメモリーが8GBであれば言うことはありません。でも、それはソフトウェアに依ります。
試したところ、Raspberry Pi 4GBでも大きく違わずに快適でした。
SSDドライブやUSBメモリーについては以下もご覧ください。

CPUはオーバークロックも
SSDドライブ起動に限らず、Raspberry PiのCPUはオーバークロック設定ができます。いつもより余計に速い、スピードアップできます。
CPUをオーバークロックするというのは、自作マニアみたいで難易度が高く思われがちです。しかし、極端なオーバークロックではなく、周波数1.5GHzのCPUを2.0GHzにするだけで、OSとして要求されていたスピードに近づくために快適になります。
オーバークロックはconfig.txtに記述する
一般的なPCのBIOS画面みたいなものです。config.txtは通常、root直下にあります。
最初は1800=1.8GHzから。冷却ファンは必須です。
arm_freq=1800
ラズパイは小さなシングルボードコンピューターですから、一般的な自作PCとは異なります。オーバークロックと言ってもほんの少しです。全てが解決するものでもありません。
少なくても、ラズパイ4で試したWindows11プレビュー版は、SSDドライブ起動とCPUをクロックアップさせたことでスムーズに感じました。
但し、オーバークロックはメーカーや販売店の保証外になります。多少のリスクがあることは予めご承知ください。最悪の場合は破損してオブジェになります。
CPUを冷やす冷却ファンは必要になります。無い場合はトライしないでくださいね。
USB接続のSSDドライブから起動させる方法をまとめてみました。