前回「Raspberry Pi 4にARM版Windows10は一応動作する程度」でRaspberry Pi 4にWindows10をインストールしてみました。年内にも発売が噂されている次期Windows11のプレビュー版が配布されていましたので、こちらも試してみます。(Windows11 Insider Preview版)
CPUアーキテクチャがArm版もありますから、Raspberry Pi でも動作する見込みです。Raspberry Pi用は発売する予定は今のところありません。
インストールを試した結果、やはり一部の機能の不具合と、スペック的に足りない制限が出てきます。それでも、Windows10を入れた時よりは快適です。
文書作成やネットの閲覧程度であれば、特に大きなエラーも無く動作しました。んー、実用的かも。

高速なUSBメモリーで試してみましたので、正式に発売される前のWindows11をRaspberry Pi 4でも試してみてはいかがでしょう。
ここでは、実際にトライして気が付いた点を記しておきます。
主な制限事項
現時点で、Raspberry Pi 4のデバイスドライバがない機能は動作しません。
- Wi-Fi接続
- HDMIオーディオ
また、スペック不足の制限があります。
- Raspberry Pi 4をオーバークロックさせる(1.7GHz → 2.0GHz)
- デスクトップの解像度はBIOSで720P(1,280×720)に固定
インストールにはMicrosoftアカウントが必要です。
対応
Wi-Fiがダメなので、有線LANポートで通信します。(Wi-Fi全盛で意外とポートが余っていない…)
また、HDMI接続は映像だけにして、3.5mmジャックのアナログスピーカーを使いました。300円均一スピーカーです。
オーバークロックさせるため、CPUファンを付けました。(いつものテスト機で試しました)

メモリー8GBモデルで試しましたが、4GBでも大丈夫です。
それよりも大事なことは、CPUを冷却することと、高速なUSBメモリーかSSDドライブが必要になる点です。
USBメモリーかSSDドライブは、読み込みスピードが400MB/s以上は必要になるでしょう。
- CPU用冷却ファンが必要
- 読み出し400MB/s以上のUSBメモリーかSSDドライブ
- ラズパイでは一部機能しない
導入方法
導入はとても難しい部類です。
それと、Windows11 Insider Preview版はMicrosoftのリリースですが、ISOイメージ化して書き込むのは、海外の有志が作成したプログラムを利用します。違法ではありませんが、正式な物ではないことを承知してください。
ザックリと言いますと、高速なUSBメモリー(またはSSDドライブ)から起動させるため、そこにWindows11を書き込まないとなりません。そのWindows11のイメージファイル(ISO)を作成するところが難しく感じると思います。
BIOSも3箇所の設定します。これまで自作していた人や、色々なOSを試したことがある人は、動画を観れば、手順通りでできると思いました。
私は以下の動画だけでトライしてみました。この動画内容で過不足はありませんでした。非常に分かりやすくて助かります。
英語で進行も速いので、一時停止しながら進めましょう。でも、とても的確な内容でした。英語も聞き取りやすい方でした。
一旦、最後まで流れを観て、あとは動画の順番通りに作業して一発でした!
動画内で紹介されているソフトウェアのバージョンが現在は少し上がっています。問題ありませんでした。
また、USBメモリー(またはSSDドライブ)から起動するため、先にRaspberry Pi 4のブートローダーは最新にしておいてください。一旦、別のmicroSDカードなどからRaspberry Pi OSで起動して設定する必要があります。
フラッシュROMなので、一度でも設定してあれば、USBメモリー側から起動することができます。購入したばかりの人や、バージョンが古い人は一度更新しておきましょう。

CPUファンは必須
オーバークロックさせるため、CPU用の大型のファンか小型2連ファンが必要になります。
試しに、ファンのないアーマーケースでも試しました。ファンが無いと、エアコンを付けていない室内では起動に失敗しました。
エアコンがそれなりに効いているなら、大丈夫かも知れません。できるだけファンが付いているモデルがオススメです。
私はICEタワーで試しました。
実際の動作画面
CPUの情報を見てください。BCM2711となっています。速度も2.00GHzです。


メモリーは8GBモデルを使用しました。3GB制限をオフにしているので、いっぱいまで使えます。
インストールしたのは高速なUSBメモリーで、容量は128GBです。100GB余っています。

高速なUSBメモリーは次の記事でレビューしています。

時間がかかる
Raspberry Pi用のWindows11を用意するには、手順が多い以上にISOイメージを作成する時間がかかります。1時間くらいはみてください。
私はParallels Desktopという仮想化のWindows10で作業したため、更に時間が掛かっていたと思います。気長にやってください。

初回起動も時間がかかりました。
幾度となく暗転しているので、少し不安になるくらいです。でも、放っておいてください。10分くらいかな? 間違いなくUSBメモリーに書き込めていれば、ちゃんと初回セットアップウィザード画面が現れます。
一度、セットアップウィザードが終われば、それほど速くはありませんが、初回みたいな時間はかかりません。電源入れてから30秒〜1分くらいです。
Windows11 プレビュー版をラズパイで使ってみて
Windowsのライセンスが余っていれば、正式に使ってみても良いかも知れません。ただ、スペック的にはバリバリ何かを熟すにはツライです。
ネット閲覧端末や、専用のアプリのためなど、単機能をWindowsで行いたいならアリです。Raspberry Pi 4ならWindows機ハードよりも安価に入手できますからね。
先日、「Office」がWindows 11でARM64をサポートすると発表されました。Raspberry Pi 4のスペックなら、事務仕事は十分だろうな、と改めて感じる速度でした。
インストールはできたので、時間があるときにトライしてみてください。無償で使えるプレビュー版の間にアレコレと触る楽しみがありますよ。
ツールソフトが上手く動けば、一発でした。
