ラズパイを使いたい人で実際に購入する人は、やはり何か目的ってありますよね? それは趣味の場合がほとんどでしょう。これからのために勉強の場合もあると思います。
実際に購入して何かを構築してみないと分からない事ってあると思います。
この記事では、面倒で解決したいことがラズパイで実現できないのか思っている人へ、何かのヒントになればと考えて、趣味と仕事の両面でご紹介したいと思います。
手に入れる前よりも実際のラズパイって色んなことが出来るツールだと思っています。
ラズパイとLibreELECで再生できますよ!
詳しくは「Raspberry Pi とLibreELEC9.0で作るAmazonプライム・ビデオプレイヤー」へ
趣味での活用方法
ぶっちゃけ趣味なら何にどう使おうとも、所詮は趣味なので自分が満足できればOKです。何も製品のように構築しなくても誰も困りません。そういう点からラズパイは趣味の端末に最適と言えます。趣味として認知されている面は世界中で見受けられますね。
1980年代、そもそもパソコンがマイコンと呼ばれていた時代、学生には趣味に違いはありませんでした。そもそも技術の専門職でなければ仕事として成り立っていませんでした。世はまだワープロ専用機の時代で、中小企業では経理に1台〜数台の会計用PCが転がっている程度でした。(それもOSはDOS)
学生がパソコンを授業で習うこともチラホラと出てきたのは1990年前後です。専攻が文系でもパソコン関係の単位を取れるようになりました。それでもまだ求められていたのは英会話・英検でした。パソコンが出来たところで業務で触ることはほぼ無かった時代です。
当時、趣味とはいえ、個人的に何かに役立てようと模索していましたね。
英単語を覚えるための電子単語帳のような物をプログラミングしたり、自分のテストの成績結果をグラフにしたり、解けなかった赤本の問題をフロッピーに落とし込んで復習用に活用したり・・・。今思うとN88BASICの環境でよくやっていたなーと思います。

https://ja.wikipedia.org/wiki/フロッピーディスク
現在、ラズパイにハマっていますけど、基本はそういった考えと変わっていません。
良くも悪くも低レベルな活用かも知れませんが、自分の希望の一部でも活用出来ていれば満足です。これからラズパイを始める人も年齢は関係なく、どんなことに利用したいかを簡単に考えて、1つプロジェクトを進めてみると思ったよりは難しくはありませんよ。
そこにはあまり完璧を求めないこと、そして失敗することも楽しむことが求められます。出来ない時は少しレベルを下げて、インストールだけ色んなOSを試してみたり、配線2本でLチカ(LEDを光らす)だけでも達成感は残ります。
できれば具体的なゴールは欲しいですね!
そのゴールは人により当然異なります。一番大事なことは、何が解決できたか? もしくは以前よりマシになったか?
基本、誰でも人は面倒くさがり屋です。だから技術も発展するのですけど、面倒なことはパソコンにやらせて楽するのが正解だと思っています。そのための機械です。便利になるということは楽しいことです。
具体的な活用方法
他の記事でも書いてきましたので、そちらも合わせてお読み頂くとして、具体的に何をさせるのかを挙げてみたます。構築の難易度や興味により異なりますから、1つでもやってみたいなと思えば約1万円以下で手に入るラズパイを使う意味もあるでしょう。
- 音楽鑑賞(mp3、WEBラジオ、ハレレゾ音源)する
- 家族のビデオを鑑賞する
- 家族・風景写真のデジタル写真立てとして利用
- 子供用の安価なPCとして利用
- クリスマスツリーなどのLED制御用
- 温度管理
- 小規模な家庭内サーバー機(文書・画像等)
- 簡易防犯カメラ
- 定点観察用(タイムラプス)
- ・・・
これ以外にもアイディアと既存の機器との組み合わせ、プログラミング技術、電子工作の知識、など、完成度こそ劣ったとしても既製品にないオリジナルの機能を構築できます。
ヒントとして、スマホのアプリを見てください。あのアプリ一つと大差ないことが実現できるでしょう。
実はスマホで事足りるプロジェクトも多いと思います。アラームや何かを計測したり、WEBとの連携など、スマホの方が優秀です。
ただ、スマホは自分の考えた機能があるとは限りません。それにプログラムで独自に動かすのは現実的ではありません。
スマホや余っているノートPCマシンとラズパイとの最大の違いは、安価であることです。更にスマホ並に小さいという点です。

- 安価
- 小さい
- GPIO端子で拡張ができる
- 自作のプログラミングコードが動く
そうなんです。スマホを単機能のために使うのは勿体ない! それにアレコレやらせてもバッテリーが保ちません。それよりも独占されても困ると思います。
ノートPCで代用してた約15年前がアホらしく思えてきます。
ラズパイは単機能こそやらせたい端末だと思っています。
そうは言ってもやり方次第でかなり高度なことも可能です。画像認識などのAIもできるし、ロボットやラジコンのコアとして制御することも、簡易デジタルサイネージとしても、様々なことが可能なのです。
要は知識と技術とやる気次第!
実際に便利に活用しているシステム
私が現在、実際に活用している例もご紹介します。先に言っておきますけど、大したことはありません。ただ、これまではデカいPCでないとムリだったことも安価で、同等かそれ以上に快適に利用しています。
ミュージックプレイヤー
現在、この記事も音楽を聴きながら書いています。これはRaspberry Pi Zero WとpHAT DACを組み合わせただけのストリーミング再生機で聴いています。(今日はHawaiian!)
基本、かけっぱなしです。何と言っても電気代がほとんどかからない。スピーカーの消費電力がメインです。WEBラジオが好きで、環境音楽を気分に合わせて流しています。雰囲気はカフェのような感じですね。
この音楽は手持ちのmp3やハイレゾのFLACなども流します。WEBインターフェイス、またはスマホのアプリから操作しています。また、Spotifyにも対応していて音楽は飽きること無く聴けます。快適です。
しかも音楽ファイルは別のラズパイで作った簡易サーバーに置いてあり、それを読み込んでいるので、microSDカードは8GBで済んでいます。Raspberry Pi Zero Wの設置場所もWi-Fiがあるので、電源アダプターだけですし、スピーカーもそれほど大きくないため狭い部屋でも気になりません。
音楽のような小さいデータはラズパイにオススメです。
家庭内簡易サーバー
外付けハードディスクを繋いで簡易的なサーバーとして利用しています。まぁ、データ置き場です。保存用ではなく、利用するためです。だから、取り込んだ文書(or テキストファイル)や家電の説明書のPDF、カメラで撮影したメモ、雑誌の切り抜き画像、など生活で使う物を中心に共有させています。
現在は外出先からは共有していません。あくまで家庭内だけです。
特にオススメなのは「家電などの取扱説明書」を共有することです。
スマホが登場してから(2010年〜)、家電など物を購入したら元箱などは捨てています。そうなると困るのが取扱説明書です。エラーや不具合が出ないと開きません。そんな時はネットで調べれば・・・と思っていましたけど、意外と探すのが面倒だったりします(生産終了品)
そこで購入時に公式サイトからPDFをダウンロードしてサーバーに放り込んで置きます。それだけでイザと言うときに活躍しています。先日も昔々に買った家庭電話の調子が悪く、説明書があって助かりました。まさに10年経過して初めて開いた状態です。
昔はPDFが用意されていなくて、取り込むのは至難の業でした。今はどこでもPDFは用意されています。
そんな感じで段ボール箱や書類が一気に減りました。あっ、料理のレシピなんかもWEBで探した物をやはりサーバーにテキストで保存しています。これも便利です。
過去のビデオテープや写真の上映
昔、テープ式のビデオカメラを持っていました。家族旅行など撮った物で、現在ではデッキも無く再生してみることは無いでしょう。
そこで5年くらい前に中古で2,000円のデッキを買い、これまでのビデオテープを全てデジタル化しました。これらを中心に印画紙に現像した写真も取り込んで、全て小さな段ボールに詰めてあります。
これをLibreELECで構築したメディアセンターでいつでも鑑賞できるようにしてあります。
別に観る頻度はこれまでと変わらないかほとんど観ません。誰か来客があったときに活躍しています。
古い友人、遠方の親戚、そういう人と想い出話をするのに、探さなくてもサッと共有できるのは便利です。
現在進行形の写真も同じように管理しています。しかし、まだ頻度が高くありません。もう10年も経てば同じようになるでしょう。
更に、ここには幼少期の制作物(絵や旅のしおり、図工作品)なども撮影して収めています。当然、それらは全部捨てました! もう過去の物の収納場所が・・・ない。
これらデジタル物を普段観ているテレビで共有できるのは快適でたまりませんね。一つ気をつけなければならないのは、ラズパイではちょっと耐久性も心配だし、よくアクセスするHDDなので壊れやすいです。別の何かにデータをバックアップすることは忘れないようにしましょう。
デジタル写真立て
このブログでもアクセスが多いデジタル写真立ても活躍中です。
これは3.5インチ液晶なので本当に場所を取りません。これもRaspberry Pi Zero Wで構築しています。
ただスライドショーのように表示しているだけで、何ら特別なことはしていません。3.5インチディスプレイを認識させることだけです。
唯一の難点が、画像のファイルサイズが小さくないと落ちるため、予め縮小しないとなりません。これが面倒なんです。
今後はスマホから写真をコピーしたらファイルサイズを適当にリサイズして表示できるように変更させていきたいと考えています。・・・想像するにフォルダ監視させて、転送されてきたファイルをリサイズさせ、指定フォルダへコピーさせればOKだと思うので、またトライした結果はサイトで公開したいと思います。
現在はこの4つが常時稼働しています。電気代は4つで年間千円くらいです。
仕事での活用
ラズパイを業務で活用したいと思う人も居るでしょう。それなりの裁量権がないと会社組織では難しいこともありますが、単機能で自分の仕事範囲だけなら問題無いのではないでしょうか。
趣味とは違い、見た目や操作インターフェイスに凝る必要もありません。大袈裟なものではなく単機能を担って、せめて自分の業務遂行に役立てる物が良いでしょう。
社内で使えるソフトウェアはMicrosoftOfficeくらいだと思うので、Excelなんかで対応することが多く、結果的にあまり制御できませんから面倒なことになりかねません。現在はセキュリティの問題からも何でも持ち込める職場ばかりでもありません。
その場で入力して作業させることができる方が良いでしょう。手持ちのデバイスを社内LANに接続できない場合もある時代なので、まさに単機能が望ましいと思っています。
具体的な活用方法
業態・職種によってもだいぶ異なるため、あくまでアイディアの部分もあります。ご了承ください。
- スタッフのシフト管理システム
- 棚卸しの補助端末
- 簡易デジタルサイネージ
- 社内お知らせ掲示板(or お知らせ共有機)
- タイムカード代わり(or 残業管理)
- 部署レベルの簡易サーバー(写真共有など)
- 簡易WEBカメラ(プライバシーが配慮された場所など)
- 温度などのセンサーで告知する
- ・・・
やろうと思えばプログラミングや拡張基盤などで様々なことは実現可能です。ただ、あまり大きな規模では難しいことと、ネットワークに繋げないとならない場合も多いので、職場によっては難しいかも知れません。
チーム内共有サーバー
個人的にはチーム内での共有サーバーは便利です。特に会社としても要らないし、他部署でも必要無いデータって部内でもチーム内でもあると思います。スマホってわけにも行かず、伝言板ではないですけど、写真や画像などの今しか使わないデータの共有なら、必要なくなれば削除して終わりです。まぁ、ネットワークには入れないとなりませんね。
遠隔地のモニタリングも有効です。温度センサーや人感センサー、これをブザーやチャイムではなく、リアルタイムにログが取れたら便利なシーンもあるでしょう。それにカメラモジュールを付ければリアルに閲覧も可能です。
セキュリティの問題もあるため、倉庫だったり保存庫などの監視なら無駄な時間を防げます。
棚卸しの補助
これはサービス業に多いのですけど、棚卸しというのは毎月末に嫌な仕事の一つです。実際に数を数えるために席を離れたり通常の業務が滞ることもあります。
棚卸しのシステムが入っている会社は問題ないのですけど、規模が小さくなればタグなども付けられない物も多いサービス業では人海戦術しかありません。
重量で在庫管理することも一般的になってきました。1つのアイテムが何グラムだから実際に数を数えなくてもOKです。その場合は感圧の重量センサーが必要で、設置場所が複雑な業態では費用も嵩みます。バーコードやQRコードで対応できるアイテムはまだマシです。
せめて数字を集約して集計することくらいは自動で行いたいと思いませんか?
凄く単純に考えれば、ラズパイを簡易サーバーにしておいて、アプリケーションなりプログラムなりを走らせ、スマホなどのモバイル端末から接続して数字を入力できれば、あっという間に集計が可能です。複数人で行う場所が離れた棚卸しに有効だと思います。
結構、紙ベースで殴り書き、そしてそれをExcelで打ち込んで・・・。そんな事業所はたくさんあると思います。
データベースを用意しないとなりませんから、それなりの知識と技術は必要です。LAMP環境はそれほど難しくはないので、問題は入力のインターフェースです。ブラウザで出来ますから、使用者側も難しくはないと思います。
実用的なデジタルサイネージ
過去の経験でデジタルサイネージを売り始めていた時代(2011年くらい?)は物によりますが1台200万で売れていました。具体的には忘れてしまいました。ポスターサイズくらいでシステム入れて最安値?でしたね。何しろ本体がハード本体が高い!
主なクライアントは大手の図書館や大学といった教育機関が積極的でした。結果的に複数台が希望となれば資本力がないとムリな時代だったのが、今ではどこでも見かけます。安くなりました。
ラズパイで簡易的なサイネージとしても、液晶ディスプレイが縦型で10万以下で購入できます。別に小規模なら古いHDMIディスプレイでも構わないでしょう。問題は何の情報を表示するかということです。
本格的ではなくても実用的な物はラズパイでも可能です。レストランのメニュー看板や、天気や渋滞の情報表示、館内のお知らせ版、経路の表示、研修・会議室の名称看板、OPEN/CLOSEの看板など、小さくてもOKな物や単純な表示機能でも手書きや印刷物の交換に比べれば、時間短縮や一斉制御が可能です。
ある交通会社では次発の案内など導入してメディアでニュースにもなりました。
単に商品紹介映像を流すだけでも利用されていますね。最近では商品棚に小さなモニターがあって流れています。イメージビデオでも良いと思います。ポスター1枚よりは訴求効果も望めるでしょう。これらも数年前から増えてきました。
小さい業態や店舗では会社がどうしてもお金を出したがりませんので、いっそのこと自前で作ってみたらいかがでしょう。完成度は低くても効果が分かれば本格的なシステムを導入できると思いますので、テストのような意味合いでラズパイは最適だと思います。
最後に
ラズパイを活用するにあたって、問題解決の全てを担わせるのは酷です。割り切った単機能でも勿体なく思えない低価格ということ、そして小さいから設置場所に悩むことがあまりありません。
知識は必要になるものの、自由に構築できるデバイスです。恐らく私生活や仕事でも便利になるシーンは多々あると思っています。
何をさせるかをシンプルにして、費用対効果が望めれば実際に使ってみることをオススメします。
それでも不満や完成度を求めるならお金を出してハードを買うか、業者に頼まないとなりません。毎日面倒だなと思っていることが解決出来ないか、ラズパイのサイト(ここも!)をみて想像してください。
面倒くさいのが大嫌いの人にはラズパイって最高のツールになると思います。
せめてラズパイを趣味に活かして楽しみたいですね!
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