単純な意味でOSであっても何かに特化させたOSもあります。主にカスタマイズされた形が多く、元がどんなOSかということは考えず便利に使えるタイプが多いです。
一方で、見た目も用途も使い方も見たことが無いOSというのも存在します。公式のOSからやや外れて、一見してジョークのように思えるOSを含めご紹介します。
純粋なOSではないけれどOSとして振る舞うソフトウェア
個人的に紹介するメディアOSの3兄弟は、Raspberry Pi の普及に一役買っていると思います。実はこれらをインストールしたシステムが欲しくてRaspberry Pi を始めた理由の人も多いでしょう。私もです!
Retropie

特に説明は要りませんね。世界で人気のソフトウェアです。
著作権など各種法律の中では遊ぶためのゲームROMを準備することはかなり困難です。海外の事例は魅力的ではあるけれど、ゲームメーカー公式から販売されるクラシックミニシリーズの方が操作性も良くトラブルもありません。
日本はレトロゲームの本家で中古でもハードが手に入りやすい国です。敢えてRaspberry Pi で構築するより中古のカセットの方が安い場合もありますので、海外の人よりは流行っていません。
PDROMというパブリックドメインのROMもあります。ゲーム慣れしている人には物足りませんが、中には良く出来ている物もあるので、ライトユーザーにオススメです。

ブレイドバスターは製品版と思うくらいに良く出来ています!
あの夏のキャラバンを思い出す?!
著作権フリーの遊べるゲームROM「Blade Buster」
市販品と変わらない完成度です。ファミコン形式のROM(.nes)です。
ブレイドバスターはPD-ROM(パブリックドメイン)でほぼ合法的にダウンロードして遊べます。
日本人により開発されました。

ゲームコンソール系の同種ソフトウェア
- EmulationStation
- Lakka
- PiPlay
- Recallbox
- ExaGear Emulator
公式:Retropie
他にもRaspberry Piで動作するゲームコンソール系の記事はこちらです。


カセットソフトを持っているならレトロフリークか?
LibreELEC

こちらはここでは説明は要らないくらいにラズパイダで何度もご紹介しています。
Amazonプライム・ビデオが観られるのは本当にオススメです。
AmazonPrime会員の方は是非、Raspberry Pi でAmazonプライム・ビデオプレイヤーとして構築してみてください。便利ですよ。
ラズパイで動くメディアセンター系の同種ソフトウェア(一部)
OpenELECから派生したのがLibreELECです。それに中身はkodiなので、どちらも基本は同じです。そういう身ではOSMCも同じです。
そもそもKodiはXBMCが名称変更した名前です。
だから、全ての元はXBMCと言えますね。
XBMCはマイクロソフトの「Xbox Media Center」の略で、初代XBOXで利用されていた操作インターフェイスが発祥です。
好みはありますので、どれが1番とは言えません。露出的にはLibreELECでしょう。OSMCも同等で人気です。
操作するインターフェイスはスキンUIという形で変更できますので、機能の差で選んでください。LibreELECも着実にバージョンが上がり、機能が多く追加されましたので一歩リードという印象です。
有名な3種類に限って「ラズパイ(Raspberry Pi)を使ってできるメディアセンター3選」でまとめています。
公式:Libreelec
Volumio

音楽サーバーとして既にセットになっているOSですから、この中の設定項目をポチポチ設定すればOKという簡単さです。
MopidyやMPDのインストールを考えると何もしなくて良いのが楽です。
しかもこの見た目ですから、音楽を聴くだけでワクワクします。Wi-Fi経由でスマホから制御することもアプリが充実していて簡単です。
また、Raspberry Pi でSpotifyを導入するなら手っ取り早いでしょう。(プラグインを有効で可能)
Spotifyも同じく何度もご紹介しています。Raspberry Pi とSpotifyを連携するのは本当にオススメしています。
設定方法などは「Volumio2+Raspberry Pi+Spotifyの設定まとめ」で試してみてください。
RaspbianにMPDのアプリケーションやSambaをインストールすれば、Volumioよりも自由度は高いです。その代わりトラブルも自由?!
MPDにもそのままMPD、Mopidy、クライアントだけのCantata、など組み合わせも多数あります。
私のMPD環境はVolumio2からMopidyときて、現在はmoodeAudioで落ち着いて居ます。moodeAudioは軽くて音質が良いんですよ。(moOde audio playerとラズパイゼロWでSpotify Connectとローカルファイルを楽しむ)
しかも、Spotify Connect という機能で連携させれば、操作しているスマホやPCの電源を切ってもSpotifyとデバイスが動作し続けます。外部リモコンのように使える仕組みです。これは本当に便利!
macOSなどで外部からの操作するアプリケーションはCantataがいいかも。MPDにCantata (ローカルサーバー)でCantataを紹介しています。これなら自分の音楽ファイルも合わせて管理できます。
Raspberry Pi を音楽に特化させて使うのは、とてもお手軽で実用性が高いプロジェクトの1つだと思います。
公式:Volumio
対応していくOS
Raspberry Pi の人気が上がると共に、対応していくOSが増えてきました。嬉しいことです。
元々、Linuxはx86系やAMD系といったRaspberry Piとは別のCPUアーキテクチャで開発されている物が大半です。有名なUbuntuなども、Raspberry Pi用のARM版として、メインとは別に対応しています。
2021年〜2022年に試したOSをまとめてご紹介しています。
- OSMC
- Manjaro-arm
- Ubuntu Desktop
- Pop!_OS
- MX Linux
- OctoPi
- FullPageOS
- Recalbox
- Batocera
- Ubuntu budgie
- piCore
最近でもこんなに動きます! お気に入りはPop!_OSかな。

変わり種のOS
まだまだ変わったOSはあるものです。
Raspberry Pi では動作しませんが、興味深いのでご紹介しておきます。
素人にはもう、どうやって使用すれば良いのか検討も付かないOSもあります。3つご紹介します。
Plan 9

全く知りませんでした・・・。とても可愛らしい8bitの画面ですね。
どうやらあのベル研究所で開発されたOSです。1992年に立ち上がって以来、現在は開発が止まっているかと思ったら、別ページでしたが今年の日付けでニュースもあることからまだまだ続いている?!
“GHOST IN THE MINESWEEPER SHELL”がリリースとあります。これはゲームなのか?!

エグいです。
公式:Plan 9 / Nine Times
Haiku OS

やー!これは懐かしい! BeOSの派生OSです。
BeOSってアイコンがCOOLだったんですよね。昔、自作マシンに何度かインストールしてみた経験がありました。デスクトップはとても軽くて使いやすかったです。


問題は、2018年9月28日の公式リリースが「Haiku R1/Beta1」ということで未だにベータ版なんですね! 2001年からずっとベータ版って・・・。
完成していないのが難点ですね!!
しかし、スタバでこのOSを使っていたら、オシャンティーですなー。
これはインストールはかなり難しい・・・。
公式:HAIKU
HelenOS

64bitにも対応するBSD由来のOSだそうです。まだ開発されているとのこと。どう使うんだろうか。
調べたらヨーロッパのごく一部では教育用で使われていたみたい。
これはRaspberry Pi 1Bの頃に動作したOSです。bootにあるkernel.imgを変更したりとトリッキーでオススメしません。
公式:HelenOS
Endless OS

別の記事でもご紹介しています。一見してタブレットのようなメニューが特徴的なEndlessOSです。
CES2020で今後はRaspberry Pi 4B用のイメージをサポートしリリースしていくと公開されました。

With the Raspberry Pi 4 image you can:
引用元:https://endlessos.com/download/
Install Endless OS on a SD-Card and run it on your Raspberry Pi 4
初心者がデスクトップ環境で使用できることを主に作られており、Android端末のような印象でPCとの中間を想像できます。ChromeOSに近いものの、インターネット接続がない人に向けたOSとしてニュースになりました。ネット通信がなくても利用できる点はChromeOSとは真逆の発想です。
ラズパイ4で起動した時の画面はこんな感じ。(ベータ1版です)2020年2月22日現在v3.7.7

まだまだバグが多いです。(スリープ後に画面が復帰しないなど)
だいぶ安定してきました!(ver.3.8.3)

使い勝手はAndroidタブレットがデスクトップPCと合わさったように、直感的に使えます。
初心者さんには分かり易くて良いんじゃないでしょうかね。
毎月のようにバージョンアップしていくと思われますので、ラズパイダとしても今後に期待するフレーバーです。
インストールして操作感を確かめています。

Raspbian95?とRaspbianXP?

え? Raspberry Pi 4BでWindowsが動く?と一瞬錯覚するOSです。
実はエミュレートしているため、純粋にOSではありません。かといってジョークソフトとも異なります。
見た目や挙動をまるで懐かしのWindows95とXPで再現しているRaspbianです。
こちらの記事でご紹介しています。導入は・・・難しいかな。

このRaspbian95から出来上がったのが「TwisterOS」です。

やはり著作権絡みは色々とあったのでしょう。TwitterOSへ収束していっていますね。
こちらもWin10や95、ちょっと驚く軽さのFenixPi
TwisterOSでも驚きましたが、それよりも驚いたのは「FenixPi」です。こちらも、Windows10、7、XP、95、macOS、Ubuntu、などのテーマが再現されています。
更にCompizというOpenGLを利用した3Dデスクトップも快適に動く驚きのチューニングがされています。
しかも、SSDドライブ起動ではなくmicroSDカードの速度でも再現できていることが二重の驚き!2021年初頭時点で試して貰いたいOSです。

たくさんあるOS
色んなOSが世の中には存在しています。問題はそのOSで何をするか? ということですけど、ただ触っているだけでも楽しいのも事実です。
これまでのWindows独占時代と異なり、同じことをする必要も無くなりました。敢えて言えば、インターネットに繋がってWEBが読めれば、あとの操作やソフトウェアの違いはそんなに困らないでしょう。
ご紹介したいくつかのLinux系OSは、Raspberry Pi という小さなデバイスでもとても実用的に使用できます。
Raspberry Piは決して既存パソコンの代替品にはなり得ません。でも、一部は代替できます。それに大がかりなハードウェアが要らない作業は、Raspberry Pi でも十分過ぎる性能な場合もあります。
自分だけのお気に入りのOSを見つけてください。