前回、公式なOSを中心としてご紹介した「Raspberry Pi で動く様々なOS一覧まとめ13種類!」ここでは非公式ながらRaspberry Pi で動作するOSを中心にご紹介します。
\ OSについて、ここからが本番です! /
非公式のLinuxディストリビューション
非公式ながらRaspberry Pi で動作するOSを紹介します。
もちろん非公式ですから、これまでのRaspberry Pi 財団から正式にサポートされていませんので、上手く動かないことは当然としてあるでしょう。
しかし、各ディストリビューションは、これだけ有名になったRaspberry Pi というデバイスを意識して開発されていることもうかがえます。
Linuxのファンとして、好きなディストリビューションがあるものです。気に入ったディストリビューションが動いたら楽しいですし、それを他のマシンで使用しているなら慣れていることでしょう。
動作保証はありません。もしかしたら手に馴染むOSが見つかるかも知れません。時間があったら試してみてください。
非公式とはいえチューニング済み。まぁ、不具合があっても文句は言えない。
PiDora
Raspberry PiのためにカスタマイズされたFedoraリミックス。 Fedoraリポジトリからのダウンロードと互換性があります。
名前そのままでRaspberry Pi のFedoraです。

2014年が最終リリースのようです。※そして開発終了
公式:PiDora
Gentoo Linux

Gentoo LinuxはGoogle Chrome OSの基盤となるLinuxシステムのディストリビューションを使用しています。
Google Chrome OSの元祖と思ってください。
しかし、日本語環境も良くなく、低スペックマシンでは重いため、あまりRaspberry Pi には向かないかも知れません。

Raspberry Piはarm64のイメージです。Gentoo Linux wikiは参考になります。インストールは難しい方でしょう。
Chromium OS


Chrome OSと間違えないようにしてください。Chromium OSはLinuxカーネルに基づいたChrome OSのオープンソース版であり、Gentooの配布機能の一種です。

ChromeOSは、昔流行った「ネットブック」に搭載されていました。フルスクリーンだとOSなのかChromeブラウザなのか分かりませんね。
現在、世界的にChrome OSは人気です。搭載されたノートパソコンも多く発売され個人的にも欲しいです。Chromebookと言います。
Chrome OSのオープンソース版Chromium OSを体験してみてはいかがでしょうか。
buildイメージはgithubにあります。「FydeOS/chromium_os-raspberry_pi」とあり、ChromiumOSの元になっているのがFydeOSのためです。
「Chromium OS for Raspberry Pi 3B/3B+/4B & Pi400」と幅広くサポートしています。Raspberry Pi 4の4GBでテストを行っていると記載されていまして、一応最小ではメモリー2GB、16GBストレージが必要です。
3B/3B+ではまともには動かないかな。現バージョンだとRaspberry Pi 4のイメージしかありませんので、3B/3B+はそれ以前のイメージをダウンロードしましょう。
CentOS

最初はエンタープライズ向けのLinuxベースのオペレーティングシステムでした。Raspberry Piの特別なパッケージが用意されています。
Red Hat Linuxのソースコードを元にしており非常によく似ています。主にサーバー管理目的で使用されます。
他と比べてこのOSは実用的です。Raspberry Pi をローカルサーバーするならRaspbianより適任でしょう。ただ32bit版しかRaspberry Pi では使えませんからそこがネックかな。
※CnetOS終了——2021年12月31日でCentOS8のサポートが終了。CentOS9はリリースしない。
CentOSのインストールについては記事で少し触れています。

CentOS - DLページ
Red Hat Enterprise Linuxの無償版であったCentOSが終了し、その後継がRocky LinuxとAlmaLinuxです。
Rocky Linuxは、Raspberry Pi 4用にイメージがあります。(例:RockyRpi_8.5_20211116.img.xz)
AlmaLinuxは起動用のイメージ(microSDカードへ)をgithubからダウンロードして、iso形式のAlmaLinuxイメージを別途、USBメモリーにisoから書き込みます。(Etherなど)この2つを使ってインストールをするため、Raspberry Pi 4ではストレージ(インストール先)としてSSDドライブが別に必要になります。
DietPi

非常に軽量(そのため"ダイエット"と言う)でシンプルです。Debian Jessieが元です。 高性能でアプリケーションも初めから多く収録されています。用途によってはRaspbianの代わりになるかも? デスクトップ環境で是非使ってみたいOSです。


とにかく画面も何もかもシンプルなのに元がDebianなためRaspbianLiteよりも軽く、余計なソフトや設定を避けないならオススメです。
Raspberry Pi以外にも低スペックの中古マシンに最適です。
Raspberry Pi 4でもDietPiが動きました!「ラズパイ4で動いたOS一挙に10選とおすすめのデスクトップ代替OS」の中でご紹介しています。軽いですよ。
AROS Research Operating System

上がAROS Research Operating System、下が元のAmigaOSです。

AmigaOSに由来しています。ゲーム機のAmigaデバイス用に設計されています。これも興味が沸きました。Amigaといえば古くからあるゲームシステムです。
そういえば、Amigaのゲームと言えば、ブラウザで動作するAmigaゲームを大量に無料で公開していましたね!
実用度は・・・低いです。時代を感じます。
参考:Aros/Platforms/Arm Raspberry Pi support
Slackware ARM (SARPi)

これもLinuxの世界では有名です。ただ玄人用としてです。名前は知っていました。私は全く触ったこともありませんでした。きちんとRaspberry Pi デバイスに対応しています。但し、日本語環境は難しそうです。
「Slackware ARM current」がRaspberry Pi 1〜Raspberry Pi 4に対応しているのはスゴイ!
SARPi Project がAarch64を開発しています。
openmediavault

NASサーバーのOSです。FreeBSDというUnix系だったFreeNASから別れてDebianベースにしたプロジェクトです。Raspberry Pi もDebian派生ですから、親和性が高いのは頷けます。
openmediavaultは、Debian Linuxをベースとしたネットワーク接続ストレージ(NAS)ソリューションです。
SSH、(S)FTP、SMB / CIFS、DAAPメディアサーバー、RSync、BitTorrentクライアントなどのサービスが含まれています。 これらはプラグインを介して導入することができます。
主に小規模オフィスやホームオフィスで使用されるように設計されています。
すぐに使える簡単で使いやすいソリューションです。(公式サイトから一部抜粋)
引用:openmediavault
Raspberry Pi でNASサーバーは簡単に構築できますよ! 少し難しいですけど、同じように設定してみてください。知りたい方はこちらの記事「ラズパイ4とOpenMediaVault(OMV4)で少しまともなNAS構築」
でも難しい・・・という人は潔くRaspberry PiでNASサーバーを構築せず、専用機器を使った方が幸せになります。
既製品のNASは本体+内蔵HDDで合わせて4万円以上はします。
性能は劣りますがRaspberry Pi でも構築できます。私は外付けUSB3.0HDD3台をラズパイ4に繋げ、OMVでファイルサーバーとして運用しています。

openmediavaultは、Raspberry Piへのインストール方法が変更になっています。公式サイトからISOファイルではインストールできません。
ラズパイダでのインストール方法などは次の記事も参考にしてください。

OMV6も安定していました。
OMV5からはアップグレードできないので、新規に用意する必要があります。

Kali Linux

どうやらセキュリティーツールを使う環境に特化している(らしい)セキュリティ脆弱性の診断テストなどをさせることが多いOSです。
(クラッカーではなく)ハッカー気分を味わうには最適かも?!
悪い事するのがクラッカー、スゴイ技術と知識があるのがハッカー。
Raspberry Pi 用のイメージもありました。ただ、インストールはスンナリとはいかなそうです。Raspberry Pi Zero 系のイメージもありました。

ネットワークセキュリティのお仕事している人は使っているのかな?
他にも数え切れないくらいある
基本は、Raspberry Piが「ARMアーキテクチャ」なので、同じ「ARMアーキテクチャ」ならすべてではありませんが、比較的にラズパイで動作します。「アーキテクチャ」とはCPUの仕様のことです。
次は、純粋なOSではないけれど、見た目をカスタマイズされたOSなど、OSとして振る舞うソフトウェアをご紹介します。
そして、1ページでは基本のRaspberry Pi OSやUbuntu系、Arm版Windowsなどもご紹介しています。
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