Raspberry Pi OSも呼称が旧Raspbianから変更になり、OSをmicroSDカードへ書き込むツールとして「Raspberry Pi Imager」も定着してきました。
数年前からすると、定番の操作も僅かに変更されています。そこで改めて、Raspberry Pi OSのアップデートとアップグレード手順を備忘録として残しておきます。
※OSのバージョンは当時の物です。
アップデートとアップグレード
記事公開時のRaspberry Pi OS (コードネームBuster以降)で推奨されている手順です。
パッケージリストの更新
aptコマンドを使います。最初にパッケージリストの更新です。
sudo apt update
パッケージリストは更新するソフトウェアのパッケージ元のアドレスです。これでどのパッケージが更新できるのか、対象先リストを更新して可能なパッケージをみつけます。
アップグレード
これまでのsudo apt upgrade
コマンドも使えます。現在では、依存関係の解消など従来のupgradeコマンドよりも優先して実行します。
sudo apt full-upgrade -y
また、これはBusterならBusterで最新になります。前バージョンのStretchはStretchの最新になり、決してStretchからBusterへはアップグレードはしません。
これまでのアップグレードコマンドよりも少し時間がかかります。
本体のファームウェア(とkernel)も一緒に更新されます。
要らないファイルの削除
このautoremove
はアップグレードコマンド実行後にターミナル画面にも表示されるので、その指示通りにおこなった方が良いでしょう。
sudo apt autoremove -y
自動的に依存関係を考慮して、使わなくなったパッケージを削除してくれます。使っていないのを手動で探すわけではないので、とても便利です。
合わせてcleanコマンド
cleanコマンドは一時的(キャッシュ)に溜め込んだファイルを削除してストレージのスペースを空けてくれます。
sudo apt clean
autoremoveとセットで実行した方が良いでしょう。
最後に再起動
アップグレードでkernelの更新もしたため再起動をしましょう。
sudo reboot
手順まとめ
まとめると5行です。
sudo apt update
sudo apt full-upgrade -y
sudo apt autoremove -y
sudo apt clean
sudo reboot
Raspberry Piの公式ページでも謳っているように、セキュリティの観点から最新状態にするのはオススメです。
バグの解消に繋がることもあります。
初期セットアップウィザードはGUI環境でこの5行と同じことをしています。

メジャーバージョンアップには非推奨
一方で仕方ないことではありますが、パッケージが新しくなったら動作しないパッケージも出てくる可能性もあります。この辺は個別の対応になってくるでしょう。
バージョンにはコードネームが付いています。2021年11月〜の現行は「bullseye」
busterからbullseyeへはメジャーバージョンアップになり、通常のアップグレードではバージョンは上がりません。
メジャーアップデートしたOSを使いたい場合、新しいmicroSDカードを用意して新規に書き込んで利用します。この辺も一般的なOSのように、対応されるよう今後に期待したいところです。
Raspberry Pi OSのアップデートとアップグレードでした。