既に欧米ではリリースされているRaspberry Pi 400は世界で受け入れられているように感じます。日本では主に技適の関係で来年の春とアナウンスされています。(どのくらいかかるのか分かりませんが)
昨年2019年に書いた「ラズパイ4はPCライクな性能になったけどPCではないよという話」が再び読まれているので、Raspberry Pi 400のリリースに合わせてラズパイに興味が沸いた人向けに改めて考えてみました。
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望まれているのはデスクトップ環境
今回リリースされた「Raspberry Pi 400」は見た目からも、そしてコンセプトからも安価なデスクトップコンピューターとして期待されていると思います。
ケーブル繋いで電源入れて(キットのOS入りmicroSDカードなら)直ぐに始められるのは従来のコンピューターとほぼ同じように簡便です。
では、Raspberry PiはデスクトップPCか?と問われたら…、
安価なLinux OSのデスクトップコンピューターと言うならばそれに見合うでしょう。
特に教育用途には最適だと思います。
Windows10の代替としては足りません。あくまでも一部を切り出せば代替になると言えそうです。
インターネットの利用やプログラミング、文書や表計算、音楽再生やYoutubeビデオを楽しむ、シンプルな使い方ならばスペックは及第点です。
だからといってWindows10と同じに捉えるとガッカリするでしょう。使い勝手が異なるからです。
特に初めてLinuxOSに触れる人にとっては、スマホがAndroidからiPhoneに変わるようなもので、できることはほぼ同じですけど、アプリも違ったり、操作も異なります。全体的なシステム概念も異なったりすれば慣れないうちは戸惑うのは当然です。
…私もAndroidは慣れない。
スマホがiPhoneかAndroidなのかと同じ感覚に思えるので、Raspberry Pi 400がデスクトップ環境には使えないとはならないと考えています。AndroidとiPhoneの優劣を比べても仕方ありませんからね。
これまでより初心者向けになった
これまでのRaspberry Pi は、基板という形で必要なパーツを組み上げる必要がありました。もちろん、かなり簡単なことでして、繋げるだけのシンプルさが魅力です。
そうは言っても全くの初心者、特にPC基板を触ったことない人にはハードルが高かったかも知れません。
そこへ今回リリースされたRaspberry Pi 400は、キーボード一体型なため基板を見ないで触らずに始められます。この部分は一般的なパソコンに近くなったのではないでしょうか。初心者に最適な機種が加わったと言えます。
ハードという面では、Windows10と同じにはできないことが多々ありますから、そもそも比べる以前に価格を考慮して欲しいところです。
約1万円のRaspberry Pi 400 VS 3万円〜10万以上の一般的なPC
仮に一般的なPCが10万円であれば、10分の1の性能でも仕方ない面もあるでしょう。しかし、10分の1とは言えないくらいかなりできる子なんです。
OSとしての概念や操作感、ソフトウェアも異なる点を念頭に置けば、デスクトップコンピューターとして使うことは無理はありません。用途を絞れば十分に使えます。
しばらく使っていると、PCより遅い、挙動が異なることは慣れてくると思います。あくまでも低スペックながらと考えてください。
Raspberry Pi 400のスペックでも、できることを考えれば、安かろう悪かろうではないと言えませんか?
ソフトウェアによってはお得も
なかなか分かりにくいことに、オープンソースという言葉があります。
オープンソースのソフトウェアは、正確に言えば無料ではなく無償です。日本語は難しいですから私もこだわってはいません。見返りが無くても使えるのがオープンソースです。
そのオープンソースのソフトウェアの中には、Windows10の高価な製品ソフトウェアに劣らない機能をもつソフトウェアも少なくありません。
Windowsでも利用できる画像レタッチソフトのGimpも問題なく動作します。
オフィスソフトは有名なLibreOfficeが入っています。
DTMもラズパイ4でできる「Waveform11free」でご紹介したようにDTMも高機能ソフトウェアが使えます。
この辺は実際に色々とインストールして体験してみてください。なにせ、無償ですからね。
当然ながらLinuxの世界にも有料のソフトウェアもあります。それも他OS環境よりも安価な場合が多いと思います。
一番のネックは英語?
私も英語は思うように操れない日本で教育を受けた日本人です。外資系に勤めたことも無いですし、外語大の出身でもない。民間の英会話スクールも行っていません。唯一、小学生の頃に塾で英語を習った程度です。
それでも英語は嫌いでは無かったので、好きな映画を繰り返し観たり、洋楽を聴くことで勝手に単語を覚えたりしました。その中学英語くらいでも、Raspberry Pi 関係だと比較的に苦になりません。
半分はコンピューター用語な点も助かっています。
そもそもコンピューターの用語は英語からカタカナにしている場合が多く、正確な意味は分からなくてもなんとなく何を指しているかは理解しているでしょう。
コマンドを入力するにしても英語が元になっているため、どうしても拒否反応がありますよね。でも、想像してみてください。コマンドが日本語だったら、結構な面倒になると思いますよ!
これも習うより慣れろの精神で、子供は使っているうちに覚えてしまうものです。大人も同じです。車の運転にしても、車の構造や理論など分からなくても運転できてしまいますからね。
拒絶しなければ、Raspberry Pi 400で楽しく学べると思います。
耐久性は期待できない
Raspberry Piは一般的なPCとは異なる点に、microSDカードが記録媒体として標準のため、そもそも長期間の使用の設計になっていません。これはSSDやHDDと比較すると、どうしてもmicroSDカードの方が破損しやすいからです。
長期間は難しいとはいえ、現在私が運用しているRaspberry Piで長いものは既に2年、3年と経過しています。使う用途にもよりますけど、1年間は問題ないでしょう。
これはmicroSDカードの問題であり、現在はSSDなどから起動できるような仕組みも公式から導入されています。Raspberry Piに慣れてきたらSSD起動に変更してみてください。
SSD起動も苦手な人からしたら難しいと思えるかも知れません。真似てみれば意外と簡単ですよ。
「ラズパイ4をUSB接続のSSDから起動する方法(USBブート)」が参考になれば嬉しいです。
試すのにちょうど良いSSD
Raspberry Pi 400について
Raspberry Pi 400はキーボード一体型で本体だけの単体販売と、マウスやUSB電源、HDMIケーブル、ガイドブックなどが付いたキット販売があります。
キットに付属するビギナーズガイドブックが英語であること、公式USB電源が日本ではまだ対応していない点を考えると、そのままのキット販売に対応するには時間がかかりそうです。
どちらかといえば、単体を購入してUSB電源を買い足すか、各種販売店から日本人向けのセット商品を購入することになるでしょう。

(いや、ビギナーズガイドブックも日本語対応にしてくれたら、それの方が嬉しい!)
Raspberry Pi 400の紹介動画
どんな感じなのか動画の方が分かりやすいので、リンクを貼っておきます。
Raspberry Pi 公式が制作した動画はこちら。イメージ動画です。
実際の中身についてはこの動画(7分46秒から再生にしています)が分かりやすかったです。
分解して説明されています。
日本での発売は暖かくなった季節になります。待ち遠しいですね。
ラズパイってLinuxだけどデスクトップPCとしてもそれなりなんですよって話でした。
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