2018年11月にRaspberry Pi 3 Model A+が新たにリリースされました。2019年12月中旬に日本国内でも販売開始されました。 日本では2019年初めにも販売される見通です。(技適が通らないと販売されません)
同じ今年2018年3月にも3B+がリリースされ、その後日本でも発売となりました。やっと3B+が通常通りに手に入るようになって落ち着いた時に3A+のリリースでしたので驚きました。
Raspberry Pi 3A+は、これまでのラインナップの中で中間的な機種です。そこで、細かいスペックの数字は載せずに、かんたんに比較してみます。ご参考にしてください。
サイズ比較
全てをひとまとめでは読みづらいので、細かく分けてみます。
先ずは、本体サイズと価格です。
Raspberry Pi 3A+ | Raspberry Pi 3B+ | Raspberry Pi Zero WH | |
![]() | ![]() | ![]() | |
サイズ | 短辺は3B+と同じ5.6cmです。 (写真では縦幅が短辺) 横幅は3B+より2cm短い6.5cm。 横幅は3B+より2cm短い6.5cm。 | 短辺(縦幅)5.6cm 長辺(横幅)8.5cm | 短辺(縦幅)3cm 長辺(横幅)6.5cm |
価格 | £23.4(2,669円) | £28(3,832円) | £11(1,506円) |
※£はPimoroni価格でVAT(付加価値税20%内税を抜いています)
まさに中間
サイズも価格も3A+は中間の仕様になっています。
3B+よりも僅かに小さくほぼ正方形に近い形で、ZeroWHとは横幅こそ同じであるものZeroWHの倍のサイズです。
そして、価格もまた約4,000円の3B+、約3,000円以下の3A+、ZeroWHは約1,500円と3A+の約半額です。
性能は別にして、サイズだけ比べても使う用途によりあまり大きくなく、そしてあまり小さいプロジェクトでなければ3A+を選ぶのが標準となりそうです。
インターフェイス比較
基板に取り付けられているインターフェイス(機器の接続口)の数と仕様を比べてみます。
青文字が優れていて緑文字は同等、そして赤文字が欠点となります。
Raspberry Pi 3A+ | Raspberry Pi 3B+ | Raspberry Pi Zero W/WH | |
USB2.0 | 通常USB×2 | 通常×4 | micro-B USB×1 |
HDMI | 通常HDMI | 通常HDMI | mini-HDMI |
有線LAN | なし | あり(300Mbit/s) | なし |
無線Wi-Fi | 2.4GHz(802.11 b/g/n) | 2.4GHz(802.11 b/g/n) | 2.4GHz(802.11 b/g/n) |
GPIO | 40ピン | 40ピン | 40ピン |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 | Bluetooth 4.1 | Bluetooth 4.1 |
インターフェイスの充実度でいえば、3B+がフル装備に対して、3A+は有線LANのEthernetポートがZeroWHと同じで付いていない点が欠点となるものの、概ね必要充分です。
そもそもボードの大きさがありますから、3B+よりも少なくなるのは当然と言えます。
一方、ZeroWHは小さい基板の犠牲になっており、用途が変わってきますね。
3A+はインターフェイスでもやはり中間で困る事は無さそうです。唯一、ネットワークの安定速度はWi-Fiのみなので期待できません。どちらかと言われればWi-Fiを残すのは当たり前でしょうから、小さいデータを扱うことにして、据え置きは3B+の独壇場になります。
もう一点、良くも悪くもUSBポートが1つしかない点は初心者には困りものですね。
現在は無線でキーボードとマウスを繋げられますから本当に困る事はありません。しかし、セットアップする際にキーボードだけだと初心者は躊躇うでしょう。USBハブを用意する必要があります。
慣れてくればUSBではなくSSHで他のマシンから遠隔操作が便利です。唯一のUSBポートはデータ保存用に外付けのSSDやHDDを繋げると良いでしょう。
肝心の速度比較
Raspberry Pi 製品では、ミニマムな基板のため、僅かな性能差でできることが変わってきます。
かといって、Iotでは速度重視とかハイパフォーマンスは求めて居ません。サイズとの兼ね合いもあります。プロジェクトによっても必要な条件は異なります。どの程度が最低ラインかは知っておいて損はありません。
CPUとメモリ、GPU(ビデオ)を比べてみます。
Raspberry Pi 3A+ | Raspberry Pi 3B+ | Raspberry Pi Zero WH | |
CPU | 4コア1.4GHz 64ビット | 4コア1.4GHz 64ビット | シングルコア 1GHz |
メモリ | 512MB | 1GB | 512MB |
GPU | 400MHz | 400MHz | 250MHz |
このように3A+はメモリだけがZeroWHと同等の512MBというだけで、CPUとGPU(ビデオ)は3B+と同等なんです。
ビデオメモリがメインメモリと共有のため、3B+は仮にビデオメモリに384MBを充てても他と同様のメモリ領域が残りますので、やはり3B+はメディアプレイヤーとして最適ですね。
3A+はビデオメモリにあまり割り振れませんから、Raspbianのデスクトップを使うには軽い作業がメインになります。(と言っても192MBはいける)——プログラム開発とか、電子工作なら全く問題ありません。
逆にシングルコアとはいえ、基板サイズを考えるとZeroWHのバランスが良いのが目立ちます。・・・せめてZeroWHがデュアルコアだったら3A+も凌ぐことになったでしょう。
まとめ
細かいスペックは無視して、大まかな部分だけ比較してみました。今回の表に記載が無くても3B+と同機能の物が多いです。
一言で言えば、「3A+はメモリが半分の3B+」なので、ラズパイ(並盛)!
Raspberry Pi 3B系が特盛!
Raspberry Pi Zero系は小盛!
この適度なサイズが一番の魅力です。
いくらか3B+よりも小さいため、Zero系まで極端にスペックを落としたくない場合はおのずと3A+が選択肢になります。
Raspberry Pi 3A+ | Raspberry Pi 3B+ | Raspberry Pi Zero WH | |
サイズ感 | 並 | 特盛 | 小盛 |
![]() | ![]() | ![]() |
あとは価格です。
必要最低限のセットで約5,000円に抑えるなら3A+が最適です。
- 本体——約3,300円〜
- ケース——約1,000円〜
- microSDカード——約1,000円以下
対して3B+は本体基板で約5,000円です。ZeroWHは逆に必要最低限セットでも3A+の本体基板3,000円以下で抑えるのは難しいです。インターフェイスがmicroUSB-B一つしかありませんので、変換のコネクターも必要だからです。
本体サイズや機能が違えど、Raspberry Pi を始めるのにPythonプログラミングや電子工作ならば、どのRaspberry Pi でもOKです。
特殊では無いコネクタ類が揃っていて、価格も中間のRaspberry Pi 3A+は本命になることは間違いありませんね。

Raspberry Pi 3B+とRaspberry Pi Zero W/WH
市場は一時的に3B+やRaspberry Pi Zero Wの在庫がありません。また、意外と揃える物が多いRaspberry Pi Zero WHは、セット品がオススメです。
Raspberry Pi 3A+はRaspberry Pi 4Bまでスペックは必要無いなら選択肢の一つです。
どちらかというとRaspberry Pi Zero Wの代替品に近いかも知れません。皆さんはどのように使いますか?
コメント ご感想をお願いします。
お世話になります。
記事拝読して自分もZeroWとzmart マイクロUSBLANアダプタ 3ポートUSB 2.0ハブを購入してみたのですが
LANアダプタの速度が異様に遅くて困っています
何か対策されていますか?
pi@raspberrypi:~ $ ./speedtest-cli
Retrieving speedtest.net configuration…
Testing from Chubu Telecommunications Company (123.1.80.86)…
Retrieving speedtest.net server list…
Selecting best server based on ping…
Hosted by Allied Telesis Capital Corporation (Fussa-shi) [228.71 km]: 23.549 ms
Testing download speed……………………………………………………………………..
Download: 2.63 Mbit/s
Testing upload speed……………………………………………………………………………………
Upload: 2.82 Mbit/s
pi@raspberrypi:~ $ sudo ethtool eth0
Settings for eth0:
Supported ports: [ TP MII ]
Supported link modes: 10baseT/Half 10baseT/Full
100baseT/Half 100baseT/Full
Supported pause frame use: No
Supports auto-negotiation: Yes
Supported FEC modes: Not reported
Advertised link modes: 10baseT/Half 10baseT/Full
100baseT/Half 100baseT/Full
Advertised pause frame use: Symmetric Receive-only
Advertised auto-negotiation: Yes
Advertised FEC modes: Not reported
Link partner advertised link modes: 10baseT/Half 10baseT/Full
100baseT/Half 100baseT/Full
Link partner advertised pause frame use: Symmetric Receive-only
Link partner advertised auto-negotiation: Yes
Link partner advertised FEC modes: Not reported
Speed: 100Mb/s
Duplex: Full
Port: MII
PHYAD: 0
Transceiver: internal
Auto-negotiation: on
Current message level: 0x00000007 (7)
drv probe link
Link detected: yes
コメントありがとうございます。
確かに遅いですね。
LANアダプターは最初、Wi-FiのないZeroを手に入れた時に一緒に購入して、今は使っていません。
ZeroWは、USBの増設として使って、Wi-Fiで繋げていました。
ZeroWでspeedtestはしていませんから、何とも言えませんが、ネットワーク系は環境に左右されるので、答えがなかなか出ませんね。ルーターも関係するし、外は特に設定も関係するし・・・。
光接続だと思うので、数字だけみるとADSLみたいな感じですね。
利用していてローカル内のファイル転送なんかもかなり遅いのでしょうか?
LANのモジュールがおかしい場合は意味ないですけど、外向きか内向きかの速度でも原因が解る場合もあります。(ローカルは速いけどネットが遅いとか)
LANケーブルを新品に変えてもダメでしょうか?
これ、結構ありまして、LANケーブルも消耗品なので、試される時は新品が分かり易いです。
sudo ethtool eth0コマンド結果はLANケーブルを繋いでいますけど、LANケーブルを繋げないでも同じ結果でしょうか??
同じならLANケーブルは関係無いと思います。
確か、Zeroの時に通信が遅いとか公式フォーラムにあったような気がしますが覚えていません。
むかーしにサーバーの資格を取った際、ネットワークは勉強しましたけど、本当に色んな要素があって分かりづらいです。ルーターのファームをアップしたら直ったとか、別の個体では速いとか、様々でした。
経験上で一番多かったのは、LANケーブルの劣化でした。特に長いケーブルだと真っ先に疑ったり、床を這っているのは交換したりとか。
今は使っていないので覚えていませんけど、LANアダプターの品質かも知れません。私も他の個体と比べたことがないので分かりませんが、確か2種類持っていたので、時間があれば調べてみますね。
恐らく、LANアダプターが問題かと。情報をありがとうございます。
サクッと記事にしました。CUI環境のラズパイでもインターネットスピードテストをする
同じような人が海外にも居ますね。
https://raspberrypi.stackexchange.com/questions/87308/internet-speed-in-pi-zero-w
https://raspberrypi.stackexchange.com/questions/46449/pi-zero-with-lan-ethernet-network-adapter-dongle-with-slow-speeds
https://www.raspberrypi.org/forums/viewtopic.php?t=153059
私の環境
lsusb
Bus 001 Device 003: ID 0bda:8152 Realtek Semiconductor Corp. RTL8152 Fast Ethernet Adapter
Bus 001 Device 002: ID 1a40:0101 Terminus Technology Inc. Hub
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
eth0のログなどは記事をごらんください。
コマンド結果を見ると、100になってますから、恐らくLANアダプターのせいかと。
手元にはあのハブしか残っていなくて試せませんでした。
私の場合はフルスピードで出ていたので、なんとも言えないですね。
zero wではなくてzeroならば更に個体差があります。
安い分、LANコントローラーの品質が悪いとのことです。
zeroも手元にないので試せないですね。
LANアダプターを取り替えたらいかがですか??
お役に立てなくてすみません。
ご返答ありがとうございます。
PiZeroでSambaを建てて同一ネットワークの他PCとファイルやりとりしてみましたが
0.4m/secくらいの速度しか出ないです。
ケーブルはほかのPCで使っていて速度が出ているものを流用しているので大丈夫だと思います。
回線自体も光で1ギガで使えていて速度も出ています。
内蔵のWifiのほうが10倍程度早いです。
よかったらおすすめされているzmartのものも検証してみてください。
以上、よろしくおねがいいたします。
ご返答ありがとうございます。
pi zeroの内蔵Wifiのほうが速いような状態なので諦めることにしました。
海外の記事で「さっさと捨てて他のものを買ったほうがいい」と書いてあるものも見かけました。
これからも記事楽しみにしております。
ありがとうございました。
お役に立てずすみません。私も経験がありますが、どうしても破損やら低い性能だったり、個体差があるんですよね。
zeroが安いだけにあまり高い周辺機器は嫌ですしね。
MicroBのLANハブも少ないので困ったものです。
懲りずにまたフォーラムにお越し下さい。
色んな情報は楽しみです!