Raspberry Piに入れた公式のOSRaspbianを遠隔操作(リモート)で操作するなら、SSHが定番です。MacOSならターミナルで接続できます。Windowsでも標準でSSHクライアントが使えるようですね。
しかし、これはコマンドでの操作で、初心者には敷居が高い。・・・と、よく言われます。
それならVNCを利用したらいかがでしょう。手元のマシン(WindowsやMac、タブレット端末)にRaspbianのデスクトップを表示して色々と試せます。
自宅内限定にはなりますけど、VNCで利用してモニターなど周辺機器レスでRaspberry Piを使ってみてください。
主な活用方法
自宅に電源だけ繋いだRaspberry Pi 3Bがありまして、最新のRaspbianが入っています。個人的によく利用しているのはアプリケーションを試用です。
これを常用することはないのですけど、使ったこと無いアプリケーションを起動したり、コマンドで試したり、テスト機として使っています。
あまり使わないこのラズパイのためにモニターやキーボード&マウスを用意するのもバカらしいです。(そもそも普段は棚に仕舞ってあります)
このブログに書くため、何かを作業してキャプチャ画像を撮ったりするのに重宝しています。
主にSSHで接続して完結することが多いのですけど、VNCも利用しています。とっても簡単なので、これこそ初心者の皆さんに使って貰いたいですね。
VNCビューワのダウンロード
遠隔操作をするマシンは何でも構いません。MacOSでもWindowsでも使えるマルチプラットフォームのアプリケーションなら、RealVNCはどうでしょう。
Raspberry Pi 3Bのセットアップは通常通りに行います。おさらいも含めて簡単に記述しておきます。細かくはこれまでの記事でも触れていますので確認してください。
VNCというのは決められた仕組みですから、どのビューワでもOKです。正確にはVNCクライアントソフトとなります。
Raspbianには最初からRealVNCサーバーが入っています。有効にするだけで動作します。先ずは操作する側のクライアントソフト(ビューワ)をインストールしておいてください。
microSDカードをフォーマット
フォーマットには定番のSD Card Fomatterです。これでフォーマットできるのはFAT32形式の場合は32GBまでです。
ちなみに用意したmicroSDカードはいつものようにコスパ最強になっているTeam製16GBです。
フォーマットとmicroSDカードについては以下もご参考にしてください。
https://raspida.com/verup-fomatter
相性とコスパについては台湾Team製microSDカードがRaspberry Pi には最適へ
balenaEtherでRaspbianの書込
2019年現在、balenaEtcherを使います。
書き込むのはRaspbianフルバージョンの「Raspbian Stretch with desktop and recommended software」にしました。(2019-04-08-raspbian-stretch-full.zip)もちろんお好みで。
事前にSSHファイルをコピーしておく
これもWi-Fiの設定と共にコピーしておくと便利です。
Raspberry Pi のWi-Fi設定を事前に用意しておこう!でご紹介しています。
SSHファイルとWi-Fiの設定がされているwpa_supplicant.confファイルです。
事前に解像度を上げておく(お好みで)
最初の解像度が相当に低いので、使い勝手が良くありません。後からでも設定は可能です。2回目からは事前に設定しても良いでしょう。
Raspbianを入れたmicroSDカード直下にconfig.txtがあります。それを開いて以下のように設定してください。
フレームバッファのコメントを外す
# uncomment to force a console size. By default it will be display's size minus # overscan. #framebuffer_width=1280 #framebuffer_height=720
↓
# uncomment to force a console size. By default it will be display's size minus # overscan. framebuffer_width=1280 framebuffer_height=720
1280×720ピクセルの設定にします。コメントを外すことで有効化します。
VNCの有効化
Raspberry Pi 3BにmicroSDカードを入れ、起動すればSSHで操作が可能です。デフォルトではホスト名はraspberrypi.localなので以下のように接続できます。
ssh pi@raspberrypi.local
仮にエラーとなった場合、既に同じIPアドレスでアクセスしたことがあるため消す作業が必要です。
ssh-keygen -R raspberrypi.local
そしてもう一度sshコマンドで接続してください。デフォルトのパスワードは以下です。
raspberry
sshでログインしたら、以下のコマンドで設定を開きます。
sudo raspi-config
ターミナル内でGUIが展開されます。
設定する箇所はインターフェイスオプションの中のVNCです。(5番目→3番目)
これで最低限OKです!
VNCビューワから接続する
今回はMacにインストールしたRealVNCビューワです。接続するIPアドレスかホスト名を入れます。
raspberrypi.local
注意事項が出ますね。これはコンティニューで構いません。
ユーザーネームとパスワードが聞かれます。
これはデフォルトのpiユーザーとパスワードraspberryで入ります。
すると接続できて画面が表示されると思います。簡単ですね。
最初にconfig.txtでフレームバッファをイジらない場合は、以下のようにとっても狭いため、ウインドウが入りきらず操作が困難です。1280ピクセルくらいが丁度良いでしょう。あまり高解像度だと転送速度が遅くなります。
これがデフォルトのサイズ↓
VNCを使って省スペース作業環境
この手順ですとVNCで繋いだ状態はまだセットアップが完了していません。指示に従って初期設定を済ませてください。なお、Wi-Fiは既に設定済みですから、スキップして構いません。
再起動後すれば完了です。お疲れ様です。
注意としてパスワードを入れ替えますから、当然ながら再起動後に繋ぐときはそのパスワードになります。だから最初の段階ではパスワードの保存はしない方が良いでしょう。自分で決めたパスワードに設定した後、今度は保存するにチェックして楽してください。
VNCの利点はモニターをもう1枚用意しなくて良い点です。当然ながらキーボード&マウスも要りません。普段使っているマシンから必要な時だけ遠隔操作すれば良いのです。Raspberry Pi 3Bであっても省電力ですから、電源がONのままでも大した電気代にはなりません。モニターが食うんですよね!
実際にはシャットダウンして仕舞っておいて、使うときだけというのも便利なんです。一度このようにセットアップしておけば、後は電源を入れるだけです。通常使うマシンにも保存されていますから、サクッとVNCで覗けるわけですね。
ただ、出来ないこともあります。
動画やゲームは転送が間に合いませんから無理です。アプリケーションによっては操作しずらいのもあるでしょう。
また、サーバー系ならばWebのインターフェイスがありますから、何もVNCではなくてOKです。あくまでも遠隔で実際にデスクトップ環境を操作する場合に有効です。
普段あまりRaspberry Piを使わない人は、家の中でも邪魔者扱いになりますから(?)使うときだけ電源1本でどこでも使えるのは便利だと思いますよ。お試しあれ。
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