「フォーマット」をカタカナ日本語英語で考えると、「書式」や「規則」を思い浮かべると思います。体裁を整えるようなイメージです。コンピューターで言えば「初期化」というのが一般的でしょう。
microSDカードは一般的に購入した時は既にフォーマットされています。フォーマット形式にはいくつも型があります。microSDカードの読み書き速度や容量の違いによって規格化されています。
規格上のルール
Raspberry Pi で使う場合、どのmicroSDカードを使用すればいいのかを少し言い切り型で書いた記事で触れました。
今後は変わるかも知れませんけど、Raspberry Pi OSはFAT32形式でフォーマットしたストレージからしかシステムを起動できません。
このあと紹介するルールソフトウェアでも、32GB以上の64GBや128GBのmicroSDカードは自動的にexFATでフォーマットされてしまいます。exFATは32GBより大きい容量の場合に適用されます。
すると、フォーマットしたのに書き込みエラーが出るという現象が起こります。FAT32ではないからRaspberry Pi OS Imagerで書き込みできないのです。
microSDカードが壊れている場合もありますが、FAT32形式かどうかを確認してください。
フォーマットするソフトウェア
microSDカードのフォーマットもOSの書き込みも色んな方法で可能です。フォーマットすることは別にRaspberry Piを利用する際に行う特別なことではないからです。
あまりデジタルに興味が無い人にとって、どれを使ったらいいのか分からないのは当然です。ある意味で自由だからです。
それでも定番ソフトというのはあります。
公式のツール
2020年以降はRaspberry Pi公式のツールソフトによって、フォーマットから書き込みまで1つで対応できる統合型のソフトウェアが配布されています。
逆にこのツールを使えばすべてOKということになったと言えます。
Raspberry Pi で使うmicroSDカードは、公式の「Raspberry Pi Imager」で充分です。
SDカードフォーマッター
「SDカードフォーマッター」はSDの規格を作ったSDアソシエーションから正式に出されているものです。パナソニック、サンディスク、東芝の3社で設立された業界団体です。

Raspberry Piに限らず、何かとmicroSDカードを使う場面の多いので、いつも使うPCにインストールしておくのはおすすめです。
Windows版とMac版があり、もちろんフリーソフトウェアです。
使い方も簡単です。
Windows10なら「I-O DATA ハードディスクフォーマッタ」
I-O DATA ハードディスクフォーマッタ」はHDDなども取り扱っているI-O DATAさんからリリースされている、インストールしないで使えるフリーソフトウェアです。
macOSでフォーマットする場合
macOS付属のディスクユーティリティソフトはFAT形式でフォーマットすると、FAT32形式でフォーマット可能です。32GBの領域をフォーマットできます。
現在のRaspberry Pi OSでは、容量をすべて使えない状態でもOSの起動時に空き容量を拡張してくれます。
microSDカードはA1 Class10規格
よくデスクトップPCのメモリーやHDDなど、相性保障という言葉を目にしたことがあるでしょう。相性というファジーな曖昧な表現をデジタル器機に使うのは不思議な感じがします。
初期不良とは別にどうしても器機との相性という問題は多少は残っているのが現状です。ある特定の器機では上手く動作しないといったものです。
厳密にはほとんど気にしなくて良いものです。しかし、ゼロではないのが悩ましいです。
読み書き速度の目安として、microSDカードの規格は「A1 Class10」という表記がされているカードを選びましょう。
Raspberry Pi OSの起動だけでいえば容量は32GBで充分です。大量のデータなどは別の大容量HDDを利用する方が無難です。
性能を調べてみよう!
相性では無く、単純にmicroSDカードの読み書き速度を調べてみるといいでしょう。
Raspberry Pi OS上で動く公式のツールに「Raspberry Pi Diagnostics」という名前でリリースされています。
興味ある人や手持ちのmicroSDカードを比較したい人は試してみてください。
外付けHDDの場合
最後に、Raspberry PiはLinuxのディストリビューション(種類)の1つです。従って、microSDカードやHDDといったストレージの基本フォーマット形式はext4です。
WindowsならNTFS、macOSならAPFS、といった具合に基本となるフォーマット形式があります。
外付けHDDを仮にFAT32形式でフォーマットした場合、WindowsとmacOSでも共通にアクセスできる反面、規格上の制限として1ファイルの最大サイズが約4GBとなります。更に1パーティション最大サイズは約2TBです。これは困る場合があるでしょう。
NTFS、exFATは最大ファイルサイズは16EB、1パーティションの最大サイズも16EB(エクサバイト)なので全く気にしなくて良いレベルです。
MB → GB → TB(テラ)→PB(ペタ)→ EB(エクサ)
Raspberry Pi の外付けHDDのフォーマットとして、exFATやNTFSを利用する場合、それぞれ読み書きできるように追加でインストールが必要です。
1つ難点があり、exFATは基本は暗号化ができません。またアクセス権限の管理もできません。
exFAT
sudo apt-get install exfat-fuse exfat-utils
NTFS
apt-get install ntfs-3g