動画・写真・音楽などをリビングのテレビで楽しむにはメディアセンター系OS(LibreELEC・OSMC・XBian)を使うと簡単に構築できます。直近約10年以内に製造されたテレビならば、テレビのリモコンで操作も可能です。(CEC規格)
これらメディアセンター系OSは、Kodi(旧XBMC)をベースにしOSとして動作します。Kodi(旧XBMC)自体は単独のソフトウェアで、Raspbian OSにkodiだけ導入することも可能です。
ここでは、OSイメージから構築できてラズパイ(Raspberry Pi)で動作する3つをご紹介します。
LibreELEC
LibreELECはOpenELECから派生しました。対応のプラットフォームは他と同じようにWindows、Mac、Linux、そしてラズパイ(Raspberry Pi )です。

Raspberry Pi の他のSBC(シングルボードコンピューター)も一部サポートしています。
BBSなどコミュニティが盛んな印象で、インストールは元より、各種の情報が最も多いと思います。XBMC→OpenELEC→LibreELECと派生してきた中で、メインの開発者が派生させてきたことが大きい理由でしょう。
なんとなく主流派と考えられますね。
ただ、SSHで接続して経験したことがある人も居ると思いますけど、apt-getなどはかなり制限されていて、公式からしかソフトウェアやドライバがインストールできません。その分だけ安定しているとは言えますけど少々使い勝手は悪いです。
特にラズパイのようにあれこれと他の機能を実装させようとしても、なかなか自由にはいきません。
ラズパイは色んなことが出来るのに勿体ないですが、メディアセンターとしてだけ運用するには最適のOSです。
LibreELECだけではなくOSMCでも可能ではあるものの、Amazonプライム・ビデオがプラグインの導入で視聴出来るのは助かっています。(これまではFireTV StickとHDMI出力を切り替える必要があった)
今年2019年にはゲームエミュレーターも搭載してきました。こちらはまだまだインターフェイスも熟れていないので今後に期待です。
これまで紹介したように、LibreELECはSDカードやUSBメモリへ書き込むためのソフトウェアも提供していたり、プラットフォームとして完成されてきています。その点も初心者にオススメな点です。
当サイトではLibreELECとAmazonプライム・ビデオの連携について発信しています。Amazonプライム会員ならばオススメです。
こちらも!
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OSMC
OSMCは名前がまさにそのままOpen Source Media Centerの頭文字から付けられています。これは旧Raspbmcです。
OSMCの最初の印象は比較的に動作が軽いということでした。それにapt-getがほとんど通るので、勝手に色んなソフトウェアを追加して構築するのに便利です。(その分安定性の担保はありません)
だからモニターやその他のセンサー系と一緒に構築するならOSMCになりますね。
あと本体のファイルサイズがとても小さいのが特徴かも知れません。そのためNOOBSにも当然含まれています。(まぁ、LibreELECも入ってるけどね)
NOOBSでインストールできるソフト一覧
- Raspbian
- LibreELEC
- OSMC
- Recalbox
- Lakka
- RISC OS
- Screenly OSE
- Windows 10 IoT Core
- TLXOS
こちらもどうぞ→Raspberry PiにNOOBSでOSをインストールする方法
NOOBSの一覧でも分かるように、ラズパイではLibreELECと双璧を成すメディアセンター系OSです。こちらも試してみると良いでしょう。
どのメディアセンター系OSは独自のメニューを持っています。OSMCではこれが使いにくい・・・。また、バグも比較的に多いと思います。それは覚悟しておいてください。
こちらもどうぞ→OSMCでAmazonプライム・ビデオを観る!方法
XBian
XBianは最小限のDebianを基にしています。こちらもOSMC同様にapt-getが通ります。しかもDebianも最小構成なので、実は一番の自由度があります。
ただ、長らくイメージファイルはRaspbianはjessieなんです。そのため安定しているとも言えるものの、そろそろStretchで構築してもらいたいですね。
しかし、これが特徴の1つになっています。他のディストリビューションとは違い、XBianはそれほど頻繁には固定イメージをリリースせず、毎週のようにアップデートを提供しています。
だからOSMCやLibreELECとは全く別のアプローチとなり、ある意味ではこの方法が一番安定させる手立てかも知れません。まぁ、Microsoft的な考えという印象です。
注意点があります。そのアップデートにまつわる話です。
APTのリポジトリ(repository)を手動で設定する必要があります。
SSHで接続します。(デフォルトのIDは「xbian」パスワードは「raspberry」)
次のコマンドを実行します。listにミラーサイトを追加し再インストール。
sudo -s echo "deb mirror://apt.xbian.org/mirror.txt stable main" > /etc/apt/sources.list.d/xbian.list
apt-get update; apt-get install --reinstall lsb-release xbian-package-repo; apt-get update
その後2箇所のsources.listに追記します。
sudo nano /etc/apt/sources.list
以下を追記して保存
deb http://http.debian.net/debian jessie main non-free
こちらにも追記し2つはコメントアウトます。
sudo nano /etc/apt/sources.list.d/xbian.list
deb mirror://apt.xbian.org/mirror.txt stable main rpi2-jessie ### deb mirror://apt.xbian.org/mirror.txt staging main rpi2-jessie ### deb mirror://apt.xbian.org/mirror.txt devel main rpi2-jessie
これ、事前に用意してくれないのですね・・・??
イメージをほとんど変更しないため、こういう手立てが必要ということでしょう。
そしてOS独自のメニューは断然、XBianの方が使いやすいです!
さらにファイルサイズも小さいですし、一応はラズパイに特化している前提で出来上がっています。だから、更新の仕方が違うOSMCと考えても良いかも知れません。
個人的には好きです。
こちらもどうぞ→メディアセンター系OS「XBian」を試してみる
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最後に
実際にどれも元はKodiです。ですから、大きな違いはありません。それぞれの特徴はあります。更新頻度、コミュニティの参加、ユーザーインターフェイスの使い勝手で選んで良いでしょう。
簡潔にまとめると
- 保守的で安定しているLibreELEC
- ちょうど真ん中を行くOSMC
- ラズパイに特化していて自由度は一番のXbian
このように感じていますね。
他にもラズパイで動く物にRasPlex等があります。しかし、あまり上手く動作しないようです。
List of software based on Kodi and XBMC-Wikipediaにあるように、沢山の派生ソフトウェアが開発されています。
中にはOpenELECのように開発が実質的に停止しているものも含まれており、ラズパイ(Raspberry Pi )で現在快適に利用できるには、ここに挙げた3つが主になります。
商用、オープンソース含め、他の派生ソフトウェアはAndroidやWindows上で動作するOSが多くなりました。(特にAndroid)
元であるkodi以外にLibreELECはコミュニティが盛んのように感じます。
情報量が多い方がバグにも対応できるという意味でも初めてのメディアセンター系OSはLibreELECをオススメします。
microSDカードを交換するだけですから、全てのOSを一度試してみることも可能なのがラズパイの良いところでもありますね。
以上、メディアセンター系OSの紹介でした。
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