Retropieは何度か取り上げました。Raspberry Pi Zero W/WHでも快適に動作します。改めてセットアップの手順をまとめてみたいと思います。ご参考にしてください。
Retropieのダウンロード
今回は2018年4月4日リリース版「retropie-4.4-rpi1_zero.img」を使用します。

公式サイト(https://retropie.org.uk/download/)のダウンロードページには、2種類のimgファイルがあります。今回はRaspberry Pi Zero WHなので左側のRaspberry Pi 0/1のボタンですね。
microSDカードへの書き込み
分からない方は過去記事を参考にして準備してください。今回は16GBのmicroSDカードです。容量としては8GBでも充分です。

OSの書き込みは過去記事をご覧ください。
シリコンパワー製はRaspberry Pi と相性が悪かったです。microSDカードなどのメディアはどうしても相性問題があります。
使用するRaspberry Pi Zero Wとケース
今回のRaspberry Pi Zero WのケースはAmazonで購入した物です。アクリルケースで最近お気に入りです。ヒートシンク付きでコスパは良かったです。
非常に簡素で、透明なので見た目も良いですし、埃以外はキチンとカバーしてくれています。GPIOも空いていますのでpHATを載せるにも問題ありません。アクリルの厚さも充分です。最近はもっぱらコレばかりですね。



このアクリルプロテクターケースも中華圏の製造販売で、AliExpressでは送料合わせて日本円で約400円弱なため気長に待てるならAliExpressでも良いでしょう。
SSHの有効化とWi-Fiへの接続準備
セットアップは主にSSH経由で行います。初めの頃はキーボードとモニターに繋いでいました。しかし、慣れるとSSH経由の方が簡単です。変換コネクタやら周辺機器も用意しなくて良いので、Raspberry Pi Zero Wは特に便利です。
SSHはRaspberry Pi のどのディストリビューションでも基本として無効になっています。セキュリティの関係ですね。microSDカードのルートである/bootに「ssh」という空のファイルを置くことで有効になります。
Macの場合ターミナルコマンドで実行します。(例:Macならばターミナルアプリ)
touch /Volumes/boot/ssh
Windowsの場合はコマンドプロンプトで実行します。
copy nul ssh
または
type nul > ssh
どちらも自分の居る場所のフォルダに作成されます。そのためフルパス名で記述すると良いでしょう。(ex: C:¥Users¥raspida¥Desktop¥ssh)
免責※Windowsは所持していませんので詳しく分かりません。間違っていたらごめんなさい。
Wi-Fiへの接続はヘッドレスインストール(ケーブルなしモニター無し)ではLANケーブルとは異なり”卵が先か鶏が先か”状態になってしまいます。
接続できないのにモニターがない中でWi-Fiの設定をしなくてはならないというジレンマ。
そのためこれまたルート領域の/bootに設定を記述した「wpa_supplicant.conf」を置いてあげることで自動的に繋がります。
wpa_supplicant.confの中身は以下のように準備してください。
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev update_config=1 country=JP network={ ssid="XXXXXXXXXX" psk="pasword" }
色々と試した結果、上記で問題なく繋がります。
ssid=とpsk=はそれぞれのWi-Fi環境に合わせてください。なお、パスワードは平文で構いません。(平文とはパスワードの文字列そのまま)
このwpa_supplicant.confファイルをSDカードの直下にコピーして準備完了です。
Retropieの起動とログイン
ACアダプターを繋いでから1分程度待つと起動しているハズです。(すぐには反映されませんからテキトーな時間置いて)
Macならターミナルアプリ、WindowsならPuttyなどのソフトから接続してみましょう。
Macからならarpコマンドで、grep検索でフィルタし、Raspberry Pi だけを抜き出します。
arp -a | grep b8:27:eb
b8:27:ebはRaspberry Pi のベンダー固有IDです。そのあとにシリアル番号が続く形になります。
? (192.168.0.3) at b8:27:eb:4c:41:2c on en0 ifscope [ethernet] ? (192.168.0.9) at b8:27:eb:7:c5:54 on en0 ifscope [ethernet] ? (192.168.0.12) at b8:27:eb:b1:14:27 on en0 ifscope [ethernet]
ご覧のように出力されます。ちなみに3台のRaspberry Pi が稼働していますから3つ出ています。
今回のRetropieは192.168.0.12だったので、sshで繋いでみます。
ssh pi@192.169.0.12
おっと・・・。
ssh pi@192.168.0.12 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ @ WARNING: REMOTE HOST IDENTIFICATION HAS CHANGED! @ @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ IT IS POSSIBLE THAT SOMEONE IS DOING SOMETHING NASTY!
エラーです。
これは以前にこのIPアドレスで別のRaspberry Pi が認識されていたので、同じ定義でっせ〜というエラーです。なので、以前の192.168.0.12の定義を削除する必要があります。
これはknown_hostsに記録されています。Macですと、~/.ssh/known_hostsのファイルです。ファイルの中身をエディタで開いて消しても構いませんけど、間違えるのでコマンドで消したいと思います。
sshでエラーの解消
ssh-keygen -R 192.168.0.12
簡単ですね。イッツ!マジック!
ssh-keygen -R IPアドレス という書式です。
オプションについては、ssh-keygen -helpで確認してください。

ログイン成功です!
もしもarpコマンドで該当のRaspberry Pi が見付けられない場合は、もしかしたらmicroSDカードがぶっ壊れているかも知れません。microSDカードを変更するか、もしくは一度電源を落として再度、wpa_supplicant.confファイルをコピーしてからやり直してみてください。(経験者は語る・・・)
ROMの転送
ROMの転送は何種類あります。ひとつはsambaサーバをインストールすること。ちょっと手間ですけど、手持ちのパソコンから簡単に転送できますね。
転送する方法
- sambaで共有してファイルコピー
- SFTPを使う
- USBメモリを使って転送
Windowsは確認していませんが、Macをお使いですと、Finderでファイルメニューの[移動]-[サーバへ接続]からIPアドレスとユーザーIDとパスワードでも接続できると思います。
著作権フリーの遊べるゲームROM
市販品と変わらない完成度です。ファミコン形式のROM(.nes)です。

人気記事:日本語のPD-Rom「Blade Buster(ブレイドバスター)」をRetropieで遊ぶ
日本語フォントのインストール
ROMのファイル名など日本語を表示させたい場合は、以下のフォントをインストールします。
fonts-droidか、fonts-noto、IPA-fontsなどが
fonts-droid-fallbackが良いでしょう。
sudo apt-get install fonts-droid-fallback
以前まではfonts-droidでしたが、Debian系のUbuntuでも更新があったようで現在はfonts-notoが基本のようです。
しかし、RetroPieのエミュレータではdroidが決め打ちされています。面倒なので、fonts-droidだけでイイでしょう。
なお、先にsshからsudo raspi-configを起動し、ローカルはja-utf8を選択してデフォルトにしてください。
いかがでしょう。慣れればほんの30分程度ですね。
Raspberry Pi Zero Wは小さいので、ケーブルと一緒に持ち運べて、友人宅などのテレビにもHDMI端子はあるでしょうから簡単に接続して遊べます。
自前のファミコン&スーパーファミコンクラシックミニのようなものですね。(ちなみにROMは著作権フリーのROMを使用してください)
以上、Raspberry Pi Zero W/WHとRetroPieの主な設定方法でした。