公式サイトで紹介されていたmicroSDカードの診断ができるプログラムを試してみました。・・・といってもまだこれから機能が盛り込まれる予定で、公開された現時点では速度テストができるだけのようです。
簡単ですので、ご自分のRaspberry Pi でサクッと調べてみてください。
ラズパイとLibreELECで再生できますよ!
詳しくは「Raspberry Pi とLibreELEC9.0で作るAmazonプライム・ビデオプレイヤー」へ
microSDカード選びは速度と相性
ラズパイダでも様々なmicroSDカードを購入して試しましたが、「台湾Team製microSDカードがRaspberry Pi には最適」でご紹介したように相性問題からTeam製で落ち着いて居ます。
本当はSanDisk製がいいのですけど、何枚も買うには高いので、アレコレと試すには少し勿体ないので、出来上がったシステムにはSanDisk製の32GBにしています。
相性問題は、余程安価なmicroSDカードでなければ、かなりの確率で大丈夫だと思います。特に有名なメーカー製なら尚更です。
一方で速度に関しては、どうしても価格と比例しますから、”速くてとても安い”はあまりありません。
私が好んで使っている台湾Team製も速度は遅いハズです。
かといって、別に困る程の違いは感じません。それよりも耐久性があった方が有り難いですね。
メモリー系の相性問題というのは昔からついてまわります。
——「ラズパイで使うmicroSDカードの選び方」でも相性問題について書いています。興味ある方は一読ください。
そうは言っても速度は速い方が嬉しいのも事実です。
早速、公開されたRaspberry Pi Diagnosticsを試してみます。
Raspberry Pi Diagnosticsのインストール
これは毎度ながら難しいことはありません。アップデートしてインストールして終わりです。
sudo apt update
sudo apt install agnostics
起動はメニューのアクセサリに入っています。
テストしてみた
今回試したのは、2枚。いつもの台湾Team製32GB、そしてSanDisk製32GB。

画像で分かるようにどちらもClass10です。これは1秒間に10MB転送できるというものです。
違いは、SanDisk製32GBはA1という規格です。Team製には記載がありませんね。
Raspberry Piでは、クラスA1カード(上記のように-クラス10シンボルの右側にあるA1ロゴを参照)の使用をお勧めします—
https://www.raspberrypi.org/blog/sd-card-speed-test/
そうあるので、Team製は規格の時点で不利なのが分かります。
そして、どちらも何度か書き込んでいたOSをフォーマットして、最新のRaspbianを入れてトライしたものです。ですから新品状態ではありません。
従って、以下の条件でテストすることにしました。
- 1つはA1規格でじはない
- どちらもClass10
- どちらも使い古しをフォーマットしている
では、先にTeam製32GBからトライしてみます。
Team製32GB(Class10)

起動するとこの画面です。
Run Testsというボタンを押せば始まります。


失敗・・・。
あれ?個人的にイチオシだった台湾Team製がやはりエラーで失敗した!

Show Logのボタンでログファイルを見てみます。(ログファイルはrpdiags.txtという名前でホームディレクトリにも書き込まれます)

うーん、3回失敗しています。
シーケンシャル書き込みが秒間で8MBくらいしか出ていない。(7830〜8951kb/s)
ランダム書き込みが55〜73 IOPSとあります。IOPSはディスクI/Oの秒間アクセスです。
ランダム読み込みが1689〜1702IOPSでした。
計測方法 | 値 | 目標値 |
書き込み(シーケンシャルアクセス) | 7830〜8951kb/s | 10000 |
書き込み(ランダムアクセス) | 55〜73 IOPS | 500 |
読み込み(ランダムアクセス) | 1689〜1702IOPS | 1500 |
ただ、慰めるかのように公式ブログにも新しくないカードは失敗するかもよ?と書いてあります。
このテストの合否基準は、新しい(または少なくとも新しくフォーマットされた)カードを想定しています。6か月間使用しているSDカードで実行した場合、書き込み速度テストが失敗しても心配しないでください!
https://www.raspberrypi.org/blog/sd-card-speed-test/
実は、どちらも1度書き込んでいたOSをフォーマットして、最新のRaspbianを入れてトライしたものです。
次にSanDisk製32GBです。
SanDisk製32GB(Class10 A1)の場合

こちらは成功でした!
同じようにログを見てみます。

計測方法 | 値 | 目標値 |
書き込み(シーケンシャルアクセス) | 15500kb/s | 10000 |
書き込み(ランダムアクセス) | 715 IOPS | 500 |
読み込み(ランダムアクセス) | 2408 IOPS | 1500 |
こちらは目標値を大幅に超えています!
やはりA1という規格は必要ですね。
しかし、カードの情報が出ていないから、どっちがどっちか分かりませんね。ログにも記載がありません。
使ってみて
このツールは最終的にはmicroSDカードの診断用に仕上げるようで、その第一弾として速度計測機能だけがリリースされました。
しかも、他のポートに繋いだmicroSDカードではなく、OSが入っているそのものだけを計測します。PCで言えば、現在動いているCドライブの速度を測るもので、HDDとmicroSDカードの違いはありますが、使用している期間はかなり影響を受けるでしょう。
microSDカードは空き容量が少ないと性能が低下すると聞きます。
今回はフォーマットして再インストールしたRaspbianOSですから、真っ新な状態とは異なるでしょう。
よく考えたら、Team製の方は何度書き換えたか分からないくらいだった。
テストしたTeam製32GBの個体も、ランダムアクセスがかなり数値が悪い結果でした。単にmicroSDカード自体が原因ではないような気がします。今後、いくつか試してみないと何とも言えませんね。
一つ、ハッキリしたことは、A1という規格は必須だな!と思いました。ちょっと今後はSanDisk製をメインで使っていきたいと思います。
Raspberry Pi公式のmicroSDカード診断アプリケーション(まだ速度だけ)のご紹介でした。
テストにパスしたSanDisk (サンディスク ) はやっぱり老舗ブランドですね。残念ながら速度ではテストでパスしなかった・・・Team製。でもね、Team製は相性は抜群なのよ。それに・・・激安だから。
追記:ユーザーさんからの情報
早速、ユーザーさんから計測データをお知らせいただきましたので、追記でご紹介します!
提供:mioazuさん
Transcend microSDカード 128GB UHS-I U3 V30 A1 Class10 Nintendo Switch 動作確認済 5年保証 TS128GUSD300S-AE
Test : SD Card Speed Test
Run 1
prepare-file;0;0;24646;48
seq-write;0;0;24453;47
rand-4k-write;0;0;4914;1228
rand-4k-read;15719;3929;0;0
Sequential write speed 24453 kb/s (target 10000) - PASS
Random write speed 1228 IOPS (target 500) - PASS
Random read speed 3929 IOPS (target 1500) - PASS
Test PASS
これは128GBですが、32GBならお手頃な約1,000円でした。
パワー microSD カード 64GB class10 UHS-1 U3
Test : SD Card Speed Test
Run 1
prepare-file;0;0;15340;29
seq-write;0;0;38527;75
rand-4k-write;0;0;4841;1210
rand-4k-read;9764;2441;0;0
Sequential write speed 38527 kb/s (target 10000) - PASS
Random write speed 1210 IOPS (target 500) - PASS
Random read speed 2441 IOPS (target 1500) - PASS
Test PASS
こちらはシリコンパワー製で64GBです。これも32GBなら同じく約1,000円くらいです。
計測は4Bとのことです。mioazuさん、わざわざありがとうございます。良い情報だと思いますので追記という形で掲載させていただきました。
他にもこれはパスした、パスしなかった情報をお寄せください。
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