Raspberry Piのようなシングルボードコンピューター(SBC)はいくつも種類があり各社で販売されています。日本では技適の問題もあり、Raspberry Piの名前に似たなんとかPiの類いは一般的ではありません。日本ではRaspberry PiとArduinoが双璧を成す存在です。
中でも少し方向性が違うのはこのNVIDIA Jetson Nanoシリーズでしょう。主にAIやディープラーニング、ロボティクス分野で人気を博しています。
NVIDIA Jetson NanoはSBCの中では比較して高価な部類です。Raspberry Piと似たようなことをするにしても、少し敷居が高いような印象です。エンジニアの方には魅力が増すのでしょう。
機能削減の廉価版
今回、機能を限定しながらも、価格でRaspberry Pi 4と遜色ない価格で販売されます。公式サイトには2020年11月〜とあり、日本販売モデルはWiFiを搭載しないモデルと記載がありました。
日本では10月末から手に入れることができ、本日10/6から先行予約販売が開始されます。(菱洋エレクトロ株式会社、株式会社マクニカ、株式会社ネクスティ エレクトロニクス)
比較表をご覧いただければ、大まかに半分の機能と言えそうです。

GPU | 128-core Maxwell |
CPU | Quad-core ARM A57 @ 1.43 GHz |
Memory | 4 GB 64-bit LPDDR4 25.6 GB/s |
Storage | microSD (not included) |
Video Encode | 4K @ 30 |4x 1080p @ 30|9x 720p @ 30 (H.264/H.265) |
Video Decode | 4K @ 60 |2x 4K @ 30|8x 1080p @ 30|18x 720p @ 30 (H.264/H.265) |
Camera | 2x MIPI CSI-2 DPHY lanes |
Connectivity | Gigabit Ethernet, M.2 Key E |
Display | HDMI and display port |
USB | 4x USB 3.0, USB 2.0 Micro-B |
Others | GPIO, I2C, I2S, SPI, UART |
Mechanical | 69 mm x 45 mm, 260-pin edge connector |
価格が54ドルとあります。通貨レートがありますので単純計算はできませんが、USドルベースでRaspberry Pi 4(4GB)とほぼ同じ価格です。(Raspberry Pi 4の4GBは定価55ドル)
先行販売するベンダーの1社である菱洋エレクトロ株式会社のRYOYO Direct OnlineShopを確認したところ、概ね6,200円(税別)Raspberry Pi 4B(4GB)と同じように、税込みで通貨換算+1,000円程度となっています。
取り扱うショップによって販売価格は異なります。恐らくRaspberry Pi 4(4GB)と同等の価格帯になるでしょう。
価格だけで言えば戦略的な販売だと感じます。特に初心者、未経験者、Raspberry Piに興味があるような層にも手が出しやすい価格帯と言えるでしょう。(私も興味が沸きましたから!)
ただ、ラズパイダでは今のところJetson nanoは詳しく扱う予定はありません。Twitterでラズパイダをフォローしてくださっているフォロワーさんには詳しい方も多いようです。ぜひ、そちらから情報を得てください。
Amazonのセールなどもそうですが、安ければ良いという風潮はさておき、未経験者にとって手が出しやすい価格は必要だと思います。
安かろう悪かろうにならなければ安いことに越したことはありませんから。
このJetson nano2GB開発キットは、今月のAmazonプライムデーには間に合いませんが、AIやロボティクスにRaspberry Piより適していると思いますので、現行モデルのセールにも期待したいところです。
AmazonプラムデーはAmazon製品の購入が最もおすすめ
Iot分野が注目
基本はどちらも同じようなことは可能です。
NVIDIAはグラフィックボードで有名な企業です。更に先日、NVIDIAがRaspberry PiのCPUでもお馴染みのArm社をソフトバンクから買収したことで注目されています。
マイクロソフトもArm版のWindows10において、x86(32ビット)に続き、x64エミュレーションながら64ビットのアプリが動くというニュースがありました。こうなるとアプリケーションの資産が多いWindowsは魅力的ですね。(ARM 版 Windows 10 のドキュメント)
2021年はArm、NVIDIA、Windows10、そしてできればRaspberry Piも含め、Iot分野の魅力が加速するように期待してしまいます。
一先ず、今回の廉価版にあたるJetson nano2GB開発キット、そしてRaspberry Pi 4でIotを初めてみるのはいかがでしょうか。
新しくJetson nano2GB版が追加されるニュースでした。
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