これまでラズパイダでは、コメントやお問い合わせなどからたくさんの疑問・質問が寄せられました。ケースバイケースの問題で明確にお答えできないことも多くあります。
あまり慣れていない人は、よく分からないと先に進めない問題もあるでしょう。私も同じでして、記事にしているのも多くあります。ぜひ参考にしてください。
サイトにはそのものズバリ!は無いかも知れません。それでも私が実際に経験や体験したことを公開してきました。ヒントや参考にはなるでしょう。
いくつかまとめていきます。気になる人はぜひご覧ください。
Raspberry Pi は難しい?
- Raspberry Piは、パソコンが苦手だとやはり難しいですか?
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すべてができなくても良いと思います。初めては何でも難しいと感じるものです。

Raspberry Pi で動作するOSは基本的にLinux系のOSです。公式のRaspberry Pi OSはLinuxの種類の一つであるDebianを元に作られています。
WindowsやMacに慣れている人には取っつきにくいOSです。ただ、初めてWindowsを使った時と同じ感覚と感じることができれば難しくはありません。慣れの部分も多いでしょう。
Raspberry Pi基板以外では、OSを含めソフトウェアはオープンソースソフトウェアで構成されています。ほとんどは無償で利用が可能です。
Raspberry Piはプログラミングコードを書いたり設定をすることで自由に何かを構築できるデバイスです。Windowsにあるような優れたアプリケーションを使えない代わりに、ある程度の制限されない自由性が特徴です。その分、面倒な作業が必要な場合もあります。
Windowsで行うより難しいこともありますが、逆に簡単に行える部分も見つかるでしょう。一般的なパソコンよりはかなり安価なこと、世界的に人気があるため情報が多く難しくは感じない部分もあります。
いくらで買えるの?
- Raspberry Pi はいくらいですか?
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モデルや揃える周辺機器に依りますが、概ね12,000円〜15,000円以下で始められます。

(Raspberry Pi 4 メモリー4GBモデルの例)
取り扱うショップによりますが、Raspberry Pi 4を例にすると、概ね基板単体で8,000円前後〜、セット品は付属点数にも依り、12,000円〜15,000円の価格帯が中心です。
Raspberry Pi 4 (メモリー4GBモデル)単品 8,000円前後〜

これまでの個人的観測だと、定価のドルを円に換算し、それに10%の消費税を乗せて、そこから販売店の分を定価の20%くらい乗せると、かなり近い販売価格になっていました。基本は輸入になるので仕方ありませんね。
Raspberry Pi 4はグローバルなベース価格として$35ドルに設定されています。
Raspberry Pi 4Bだけはメモリー搭載モデル毎に価格が異なります。
Raspberry Pi 4 model Bの定価
- $35 (メモリー2GB)
- $55 (メモリー4GB)
- $75 (メモリー8GB)
これらは基板だけの価格です。
起動させるための機器を自分で用意しなければなりません。最低限として電源アダプターとmicroSDカードは必要になります。

米ドルで示す通り、グローバル価格です。Raspberry Pi は日本から考えれば輸入品になります。
主に2大メーカーが生産しています。RSコンポーネンツとelement14です。更にそれぞれの系統で世界に販売するため、別の会社があります。有名なのはOKdoです。これはRSコンポーネンツと販売代理店(Electrocomponents plc)が立ち上げた会社で、日本でもOKdo製を見かけます。RS製と同じです。
element14製であっても基本は同じ設計で違いはないと言われています。あまり生産メーカーは気にしなくても良いでしょう。
日本で購入する場合、更に代理店契約を結んで販売している会社があります。

いくつも会社が介在しますから、販売価格は高くなっていくのは仕方ありません。
Raspberry Piは世界規模で販売されているため、サプライヤーも多く複雑です。手にするRaspberry Piの箱にメーカー名が記載されているので確認してください。

日本国内で流通しているのは、Okdo(RS)製かelement14製です。販売店がどこであってもどちらかが箱に記載されています。
Wi-Fiが上手く繋がらない
- Wi-Fiが繋がりません。
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Wi-Fi機器に接続するSSIDと暗号化方式、接続するためのパスワードを事前に調べて置きましょう。初回セットアップウィザードで設定できます。

サイトを開設した当時からよく質問されました。当時はWi-Fiへの接続もconfigファイルを編集しないとなりませんでしたから無理もありません。

Raspberry Pi OS(当時はRaspbian)もバージョンアップを重ねて、より一層初心者に優しくなりました。
現在のRaspberry Pi OSでWi-Fiに繋がらないのは、自宅のルーターが問題になっているケースが多いでしょう。2重ルーター問題です。
ルーター、2台動いていませんか?
Wi-Fi問題の切り分け
現状ではRaspberry Pi OSのセットアップでWi-Fiの接続を行えます。通常であれば電波を掴んで設定できるハズです。
なぜ繋がらないのか切り分けて考えてみましょう。
- 他のWi-Fiを使う機器は繋がっている?(スマホやタブレットなど)
- Wi-Fiのパスワードが合っているか?
- Wi-Fiの電波は2種類(2.4GHz、5GHz)のどちらに繋ごうとしているか?
- Wi-Fiは国をJapanで設定しないと5GHz帯は有効になりません。日本を選んだ?
- ルーターの設定画面は開くことができるか?(例:NEC Aterm 192.168.11.1等、任意で変更しなければユーザー名とパスワードはルーターの説明書に記載されている)
- ルーターは1台か?
固定でローカルIPを振りたい場合は、別途でconfigファイルへの設定が必要になります。先ずはDHCPで自動でIPアドレスをルーターから振りだしてください。
Raspberry Pi OSの初期セットアップウィザードは大変よく出来ています。一度指示通りに実行することをオススメします。
使い慣れたChromeを使いたい
- Raspberry Pi でGoogle Chromeをインストールできない。
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Raspberry Pi ではGoogle Chromeそのものは動きません。Chromiumをインストールできます。

日本でも世界でも一番使われているWebブラウザはGoogle Chromeです。Raspberry Pi でも使い慣れたブラウザを使いたいでしょう。
ただ、Google ChromeはRaspberry Piではインストールできません。CPUのアーキテクチャが異なるからです。
代わりにChromeの元となったオープンソース版Chromeである「Chromium」がインストールできます。使用する操作などがほぼ同じです。
2021年最新OSであるRaspberry Pi OS(bullseye)は標準WebブラウザがChromiumです。

アドオンも似たように使えます。Googleのアカウントを利用して利用が便利なこともほぼ同じです。
Windowsは動かないのでしょうか?
- 慣れているWindows10をインストールしたいのですが、どうやるのですか?
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残念ながらWindows10はインストールはできません。
性能という意味だけでなく、そもそもWindowsがインストールできるCPUアーキテクチャではありません。
従ってWindowsはインストールも実行もできません。(※Arm版Windows10を除く)

Raspberry Pi は大きくLinuxに分類されます。(Windows、Mac、Linux)
Raspberry PiはCPUがArmという種類になり、Windowsはx86_64です。
ARM版のWindows10はタブレット向けに開発されていて、一般に販売していませんが試用できるテスト的な位置付けで存在しています。複雑な手順を踏んでインストールしないとなりませんから、万人向けではありません。ライセンスは別に用意する必要もあります。
ラズパイダでもトライしてみました。興味がある人はお読みください。まだ実用的には使えません。一応は動作します。

Raspberry Pi 400は何がスゴイのでしょう?
- キーボード一体型のPi 400ってスゴイの?
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非力とはいえ、現代に約1万円で購入できるマイコン(PC)なので注目されています。

玄人にはあまり人気の無いRaspberry Pi 400(以降、Pi 400)は、日本ではまだ発売されていません。(2021年4月中旬現在)(Pi400に関するアンケート結果より)→ 2021年8月以降、販売されています。
世界ではそれなりに支持されています。
英国のマイコンオマージュで生まれたデバイスのため、日本ではあまり馴染みはありません。日本でも昔のマイコンブーム時代に同じようなキーボード一体型のマイコンが販売されていました。
今後に手に入りやすくなった場合、違いを知っておくと有益に使えるかどうかの判断になると思います。
Pi 400の中身は、ほとんどRaspberry Pi 4Bと同じです。
主な違いはCPUが速くなり、接続できるインターフェイス(USB2.0ポート)が1つ減っています。そして、キーボードの中に基板が配置されているため、別途でキーボードが要らない点と1つで済んでしまう分は省スペースです。
実はCPUの速度が上がっている
Pi400は、Raspberry Pi 4のCPU(BCM2711 ARM Cortex-A72 1.5GHz)よりアップグレードされています。
Raspberry Pi 400 (BCM2711C0 ARM Cortex-A72 1.8GHz)
僅かですが、速度差を体感することができる場面もあります。
放熱性が良い
使用していて一番の驚きは、あまり熱を帯びない点です。
キーボードの中に入っている筐体にファンは付いていません。冷却効果が優れていて、キーボード前面に剛性と放熱を兼ねた金属のプレートが埋め込まれているからです。
また、背面にあるスリットから上手く熱が逃げていることも手伝い、Raspberry Pi 4を密閉ケースに入れた時よりも熱を感じません。特にキーボード側は気になりません。

CPUの周波数が上がっているのに、放熱性が良いのはRaspberry Pi 4を使用している人は驚かれる改善点でしょう。
一番スゴイのは低価格?!
Pi400でスゴイな、と感じるのは一体型のマイコンが約1万円で購入できる点です。ACアダプター等を入れても日本円で約13,000円程度です。
マイコンが流行った70年代とは比べられませんが、初心者、お子さんにとって敷居が下がりました。
Raspberry Pi 4Bを購入してもできることはPi 400でも可能です。基板が剥き出しではないことは挑戦する心理的なハードルの低さへ貢献するでしょう。
Raspberry Pi 4で良い
単純に初めてRaspberry Piを使うなら、Raspberry Pi 4Bで十分です。
逆にRaspberry Pi 400でも良く、好き好きで構わないと思います。総価格も大きく変わりません。表示するモニターが必要な点は同じです。逆にモニターレスであれば、Pi400の魅力は半減します。

持ち運んだり、一時的に使う、お子さん専用にする、などであればPi400の方が適しているでしょう。
一点だけ、GPIO端子が真上ではなく真横に配置されているため、HAT系(拡張デバイス)を接続するには物理的な問題も出てきますので注意が必要になります。
また、周辺機器を繋ぐUSBコネクタが1つ足りない3つになっています。(USB3.0×2、USB2.0×1)キーボードを繋がない分だけ1つ足りなくても気にならないでしょう。
Raspberry Pi OSやプログラミング、AI学習といったソフト面ではどちらも同じように使うことが可能です。
追記していきます
他にもRaspberry Piに関する素朴な疑問を中心に、この記事へ追記していきます。もっと単純なことも載せていこうと考えています。
取り上げて欲しい疑問がありましたら、お気軽にお問い合わせやコメント欄でお知らせください。