デジタルサイネージは表示するシステムをどのようにするのかとは別に、ハードとしてモニターが必要です。屋外の設置にはそれ相当の設備となり、個人では難しいでしょう。仮に屋内の設置としても、デジタルサイネージ用として販売されているものは10万円程します。
エントリー向けの32型でも5万円、大型テレビで代用してもやはり5万円はします。もっと手軽に卓上で使えるモニターとして、横置きだけではなく縦表示に対応しているモニターは使い勝手が良い。ピボット機能付きモニターを検討してみてはいかがでしょうか。
24インチとデジタルサイネージとしては小さいながら、用途や場所によっては役目を果たせそうです。
ASUSTek 24インチ ビジネスモニター「VP248QGL」
ご紹介したいのは、私も購入したASUSTek製VP248QGLです。24インチのピボット機能付きモニターで、ビジネスモニターと宣伝されていることから、長時間のテレワークにも最適です。

モニターサイズ | 24インチ |
入力インターフェース | HDMI、DisplayPort、D-Sub 15ピン 3.5mmステレオミニジャック |
パネル種類 | TNパネル、ノングレア、フリッカーフリー技術搭載 |
最大解像度 | 1,920 ×1,080 (フルHD) |
応答速度 | 1ms(グレー→グレー) |
視野角 | 水平170°、垂直160° |
上下角度調節 (チルト) | 上33°~下5° |
最大輝度 | 250cd㎡ |
コントラスト比 | 100,000,000: 1 (ASCRオフ時1,000: 1) |
最大表示色 | 約1,677万色 |
リフレッシュレート | 75Hz |
スピーカー | 有(1.5W+1.5W) |
サイズ | 幅571.16mm×奥行き128.54mm×高さ(363.85~483.85)mm |
重量 | 約5.6kg |

最大のメリットは、コストパフォーマンスが良い点です。
通常の使用であっても、高さの調節ができるのは助かっています。ノートパソコンと並列に置くなら最低の高さへ変え、映像などを観るなら目線に合わせて高くしたり、使い分けられて首が疲れません。高さが固定のモニターが多い中、ピボット機能よりも便利かも知れませんね。
デメリットは、それほど画質は良くない点が挙げられます。
口コミにもあるように、どう調整しても白飛びする印象です。また、視野角の数字の割には正面以外から見た色味が変わってしまいます。(黄色が強くなる)
一長一短の要素として、台座が鉄で出来ていて重いです。支柱が回転するタイプですから、むしろ軽いと余計に困るかも知れませんから、私は好みです。
メリット | デメリット |
---|---|
価格が安い ピボット機能がある チルトの角度がある 高さ調整がある ケーブルの取りまとめが便利 入力インターフェイスが多い | 重量がある 視野角外の色味が悪い 全体的に白色が強い 画質設定が難解 フレームが厚い |
ピボット(旋回)で縦にするには、高さを一番高くし、チルトで奥側に倒してから左右どちらかで回転させます。そうしないと下にぶつかります。
ピボットは手動
縦表示に変えても自動的には変わりません。事前にデスクトップを回転させる必要があります。(PCなどのビデオカードが対応していれば自動?)

OSのディスプレイ設定で回転ができないとなりません。あまり古い機種だと無いのでしょうか、あれば90°で回転させます。
Raspberry Pi 4での設定
ラズパイでは、config.txtに書くことで変更できますが、デスクトップ環境として使う前提であれば、他のOS同様に設定から変更できます。後述しますが、例外を除きRaspberry Pi 4ではGUIからしか対応していません。

メニューのScreen Configurationで表示された上部メニューConfigure→Screens→HDMI1→向き→right(left)でHDMI−1と書かれた画面例が縦になります。
緑チェックマークを押下すると画面が切り替わり、その後10秒以内に表示されたダイアログボックスのOKボタンで確定します。
戻す際には、緑チェックマークの右横に、黄色戻すボタンが表示されているので、それを押すだけで元に戻ります。
config.txtでの指定
現在ファームウェアが更新され、この指定方法はいくつかあり、とても混乱します。
sudo nano /boot/config.txt
これまで過去のRaspberry Pi OS(Raspbian)での指定方法はdisplay_rotateでした。
display_rotateは最新のファームウェアでは非推奨です。過去のファームウェア用になります。
display_rotate=1
GPIO端子(I2Sバス)で繋いだLCDモニターはlcd_rotateを使うことになっています。
lcd_rotate=1
Raspberry Pi 3B+まではdisplay_lcd_rotateで指定することになっています。
display_lcd_rotate=1
更に、HDMIで繋ぐディスプレイはdisplay_hdmi_rotateとなり、最新のファームウェア用です。
つまり、Raspberry Pi 4以降の指定はこのdisplay_hdmi_rotate=2
display_hdmi_rotate=2
指定する数字の意味
(1=90°回転、2=180°回転、3=270°回転、0x10000=水平反転、0x20000=垂直反転)
Raspberry Pi 4では簡単に言うと、デフォルトでは display_hdmi_rotate=2
の180°だけ設定可能です。
Raspberry Pi 4はGUIで設定
なお、Raspberry Pi 4で指定すると画面が出ないなどのトラブルがよくネットで見かけられます。サポートされていないからなんです。
VC4 FKMS V3Dドライバー(これはRaspberry Pi 4のデフォルトです)を使用している場合、90度および270度の回転はサポートされていません。
引用元:https://www.raspberrypi.com/documentation/configuration/config-txt/video.md
Raspberry Pi 4のconfig.txtはdisplay_hdmi_rotateは180°だけサポート
違いをまとめると以下になります。
display_rotate | 使われていない(過去ファームウェアのみ) |
lcd_rotate | GPIO端子(I2S)接続のLCD用 |
display_lcd_rotate | Raspberry Pi 4より前(=display_hdmi_rotateでも良い) |
display_hdmi_rotate | 最新ファームウェア用 前提条件:標準のビデオドライバの場合 →Raspberry Pi 4は=2の180°しか指定できない。 |
混沌としていますね。Raspberry Pi 4については先のGUIデスクトップ画面での設定になります。
現在はGPIO端子(I2S)もHDMI接続でも、以下のように使い分けます。
対応機種 | 画面回転の設定方法 |
---|---|
Raspberry Pi 3B+まで | display_hdmi_rotate、またはdisplay_lcd_rotateで指定する |
Raspberry Pi 4 | GUIで設定する |
現行のRaspberry Pi OSに限ってのお話です。Raspbian由来であっても他のカスタマイズOSの場合は、Raspberry Pi 4でどのように振る舞うのか全て試していないので定かではありません。
コストパフォーマンスは抜群のモニター
今回ご紹介したピボット機能付きモニターは、トータルの性能として非常にコストパフォーマンスが良い方だと思います。通常価格であっても17,000円以下で買えました。
画質にこだわるには安価の部類なためナンセンスでしょう。
Raspberry Pi 用としてもWindows、macOS用としても、縦表示ができるモニターをお探しの人にはオススメ出来ます。ぜひ検討してみてください。
ホント、これはオススメしたくなるディスプレイです!手軽に手に入る縦表示モニターとしてどうぞ。
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