これまで動画の再生マシンサーバーとしてRaspberry Piを使っています。これまでパソコンの中に取り込んでも小さな画面で観ないとなりませんでした。
その後、GoogleCastやAppleTVとの連携などで居間のテレビに共有して複数人で観たものです。
それがLibreELECを利用してテレビに繋ぎっぱなしで、外付けHDDに入れた動画の再生や、パソコンに入っている動画を指定して再生できたりと、想像以上に快適に使えています。
一方、Amazonプライム・ビデオもよく観ています。プライム会員ですから無料で観られる映画やドラマ、アニメでレンタルビデオは全くしなくても大満足のサービスです。
これがFire TV Stickをテレビに繋いで観ているのですけど、ラズパイのLibreELECと切り替えているわけです。これを一つに出来たらなーと思っていました。
海外サイトを確認して合法的にAmazonプライム・ビデオを観る方法があった!ので試したら・・・。
この時、どうしても一覧は出ても再生されなかったんですよ。多分、出来るのに何か足りない?かエラーなんでしょう。海外では上手くいっていましたからね。
あきらめていたら、このブログのコメントを寄せていただきました「かずにし」さんからタレコミが!
OSMCなら上手くインストールできるようです。

>ありがとうございました
そうならやってみよう! と改めてLibreELECを辞めてOSMCにしてトライしてみました。
結果は・・・OK! スゴく快適です!
では、簡単にまとめてみます。真似してみてください。
OSMCでAmazonプライム・ビデオを観られるようにセットアップ
今回の環境
次の環境で実践しました。
- Raspberry Pi 3B+
- microSDカードは8GB
- 有線LAN接続
- OSMC
- 「かずにし」さんから教えていただいた解説サイト
https://makingstuffwork.net/technology/install-netflix-amazon-prime-video-plex-raspberry-pi-kodi-osmc/
概要
大まかに説明すると、OSMCを通常通りmicroSDカードに書き込んでセットアップします。その後、OSMCのバージョンをnightly build版と呼ばれる新機能が追加されたバージョン(アルファ版・ベータ版とも言う)のバージョンに変更します。
すると、前回の記事でもインストールしたアドオン(sandmann79.plugins-1.0.2.zip)が入れられ、そしてそれが動くということです。その他に2つ程、必要なプログラムもインストールすればOKです。
※LibreELECでもXBianでも同様のことが可能です。
そして動作確認できたら、nightly build版を自動的に安定版である正式リリースバージョンに自動更新しないように設定すれば、Amazonプライム・ビデオを利用できるプラグインが動作しないことはありませんのでお忘れなく。
OSMCの準備
早速、OSMCのイメージファイルをダウンロードします。そしてmicroSDカードに書き込んでください。
OSMCダウンロードページ:https://osmc.tv/download/
書き込み用アプリケーション:https://etcher.io→https://www.balena.io/etcher/
OSMCの初回設定
最初に起動した後、いくつか設定します。
- 言語
- タイムゾーン
- デバイス名(ホスト名)
- SSHの有効化
- 有線または無線LANの設定
- OSMCのテーマはデフォルトのそのままにしてください。
SSHについては、事前にSSHをオンにする空のSSHファイルをコピーしておけばOKです。
言語設定をJapaneseに変更すると文字が全て文字化け(豆腐)になります。先ずはフォントの設定でArialフォントに変更してから言語を変更しましょう。
仮に文字化けしても文字化けしたままメニューを切り替えれば、「Language」と「Font」の文字を見付けてください。左メニュー下から2番目が設定で、その中の一番上がinterfaceです。そこに言語設定があります。
OSMCをnightly build版へ変更する
ここからはSSH経由で別のマシンから操作することを前提にしています。
SSH初期 ID: osmc
SSH初期パスワード: osmc
1.ソースリストの修正
sudo nano /etc/apt/sources.list
2.ソースの追加
deb http://download.osmc.tv/dev/gmc-18 gmc-18 main
nanoで開いたリストの最下行に上記を追記します。
3.gpg(秘密鍵)の取得と追加
wget -qO - http://download.osmc.tv/dev/gmc-18/gpg.key | sudo apt-key add -
4.nightly build版のインストール
sudo apt-get update
sudo apt-get dist-upgrade -y
sudo apt-get install rbp2-mediacenter-osmc=17.8-319 -y --allow-downgrades
記事執筆時点(2018-10-04)では、対応しているバージョンは、この17.8-319、17.8-315、17.8-290、17.8-243、17.8-225だそうです。今後はまた情報が変わると思います。
必要なパッケージとアドオンのダウンロード&インストール
5.必要なパッケージファイルをインストール
sudo apt-get install python-pip python-crypto build-essential -y
sudo apt-get install python-all-dev python-setuptools python-wheel -y
sudo apt-get install python-crypto-dbg python-crypto-doc python-pip-whl -y
6.Python暗号依存関係用にpycryptodomexをインストール
sudo pip install pycryptodomex
7.Pythonとシンボリックリンクを貼る
sudo ln -s /usr/lib/python2.7/dist-packages/Crypto /usr/lib/python2.7/dist-packages/Cryptodome
6と7はなかなか理解できませんけど、そういうものなので、そのままコマンドを実行してください。
(※恐らくこれらを実行せずエラーが出ると意味が少し分かるかと思います・・・)
8.アドオンのダウンロード
wget https://github.com/Sandmann79/xbmc/
今回はAmazonプライム・ビデオだけですので、上記のアドオンだけでOKです。
もしもNetflixもというのなら以下も実行してください。
wget https://github.com/kodinerds/
2018-11-21
どうやらNetflixは上手くいかないとコメントいただきました。

Amazonプライム・ビデオとNetflixの両方ならば、OSMCではなく、LibreELECのMilhouseTEST版をお試しください。Amazonプライム・ビデオだけならこの記事にあるようにOSMCでOKです。
9.一度再起動
sudo reboot
Amazonプライム・ビデオ用のアドオンをインストールする
ここまで出来たら、ここからはOSMCを操作します。
まだプラグインはダウンロードしただけです。インストールをします。先ずはリポジトリという場所?をインストールしてから、実際のアドオンをインストールする形になります。
リポジトリのインストール
設定 → アドオンブラウザ → Zipファイルからインストール
Zipファイルの場所は、
ルートファイルシステム → ホーム → osmc → repository.sandmann79.plugins ...
これによりリポジトリがインストールされます。 今度はアドオンをインストールします。
アドオンのインストール
設定 → アドオンブラウザ → リポジトリからインストール → Sandmann79sリポジトリ
ビデオアドオン → Amazon VOD(2つありますが日本はこちらVODです。)
今すぐインストールを選択すればOKです。
ここまででエラーが出ましたか?
確か、私はSSH絡みのエラーが出ていました。しかし、最終的には影響しませんでした。インストールできないといったエラーでなければ、一先ず最後まで進めてみてください。
Widevineのインストールと設定をする
このままではまだ観られません。個別に設定をしていきます。OSMCの操作です。
AmazonVODの設定
設定 → アドオンブラウザ → Myアドオン → AmazonVOD → 設定
ここでは、メニューGeneralのPlayback withをInput Streamにしてください。
また、メニューConnectionにAmazon Accountがあるので、そこでSign inしておいてください。一度サインインすれば、ずっとログイン可能です。
Amazon Videoを初回実行してインストールする
ここが超、重要です!
Amazonプライム・ビデオはWidevineという独自の復号モジュールが必要です。それをインストールするのに、早速、Amazonの番組を選択し視聴を開始してみてください。
初回起動に限り、Widevineのインストールを求めるメッセージが表示されます。
どうやら、Chrome OSのリカバリイメージからダウンロードされます。
「はい」を選択し、ライセンスとルートのアクセス許可に同意します。ダウンロードが完了すると、インストールをもう一度促すメッセージが表示されます。
このインストールには時間がかかります。一瞬、止まった?と思うかも知れませんが、そのままにしておいてください。焦って電源抜いたりしないでお待ちください。Raspberry Pi 3B+の環境で約5分かかりました。
使用許諾契約、root権限、およびインストールのために何度か聞いてきます。インストールが完了したら、もう一度再起動してください。(ホーム画面に戻り電源→再起動)
InputStreamの設定
設定 → アドオンブラウザ → Myアドオン → VideoPlayer InputStream → InputStream Adaptive設定を選択します。
最大解像度の一般的なデコーダとセキュリティ保護されたデコーダを希望する解像度に設定します。デフォルトではMAXになっていると思います。
ここは個人的には光接続ですが、どちらも1080Pに変更しました。他にもネットワークの帯域制限など可能です。回線に不安がある場合はオートとかMAXではなく必要な数値に変更してみてください。
ただし、これは再生できた後でOKだと思います。心配なら先に設定してください。
ちなみに私の環境は、光接続で速度が速い地域ですけど、MAXでも問題なく視聴できました!
最後に
このアドオンを使ってAmazonプライム・ビデオを視聴するには、ストリーミングのダウンロード分と、暗号を復号する処理のため、CPUは多く消費するので、出来ればRaspberry Pi 3B+の方が安全でしょう。
また、有料のAmazonプライム会員のIDを使用するため一応は合法的です。ただ、Amazonが認めるデバイスではなく、復号化の処理をしているため、そこは違法性があるでしょう。グレーです。
ただ、課金される動画も表示可能です。まだこのシステムで購入していませんが、恐らくできるのでしょう。(課金ビデオはデフォルトでは非表示になっています)また試して更新します。
間違えました。購入済みの動画は表示させることが可能です。このOSMC上では購入できません。そのため、購入した動画については再生できるオプションです。
個人的にこれでまたAmazonプライム会員の価値が上がった!と思っています。Raspberry Pi 3B+で色々な動画と共にAmazonプライム・ビデオをシームレスに視聴できるのは本当に快適です!
動画配信サービスはどれを選んでいます??
動画配信サービスって皆さん、どのくらい利用しているのでしょう??
私のようにRaspberry PiでAmazonプライム・ビデオを観ている人は少ないというのは知ってます?!
調べてみた!
その後2019年現在、LibreELEC 9.0が対応しプラグインを確実に設定できるようになりました!
また2019年5月、InputStream Adaptiveの設定で解像度を720Pにすることで再生が可能になっています。

アドオンやプラグイン、Chromiumブラウザなどがバージョンアップした際に観られなくなることがあります。LibreELECで観られなくなったAmazonVODアドオンの問題
Amazonプライム会員については公式サイトで詳細をご覧ください。