2018年11月15日に新型のラズパイ基板、「Raspberry Pi 3 model A+」が発表されました。A+です。定価はは25ドルとこれまでよりも安価です。英ポンド換算で£23〜£23.5(3,148円〜3,216円)
これまでフラグシップモデルはRaspberry Pi 3B系の35ドルでした。より低価格なZero系は安価であってもその小ささから性能は犠牲になり、やや非力と言わざるを得ません。
その中間に位置していたmodel A系は2014年を最後にメインから外れ、価格からもあまりお得ではなかったうえ、既に古くなりました。しかも、日本では手に入りにくい状態でした。
コスパ最強のバランスの取れた性能

簡単にご紹介すると、これまでの最新であるRaspberry Pi 3B+と、旧製品の1A+を合わせて2で割ったいいとこ取りの機種と言えます!
一番大きな違いは、有線LANポートがないということとメモリーが512MBということです。(3B系はメモリー1GB)
サイズは旧model Aタイプで性能はRaspberry Pi 3B+、そして価格帯がZero系と3B系の中間になります。この3A+の登場により価格帯も主に3つに分けられるカタチになります。
Zero系は約800円〜1800円、3B系が約4,500円〜約5,000円、そして今回の3A+は約3,000円です。
本当にちょうど中間ですね。
機種(モデル) | 実勢価格 |
---|---|
Raspberry Pi Zero Raspberry Pi Zero W/ WH | 実売800円〜1,800円 |
Raspberry Pi 3A+ | 3,300円〜4,200円 |
Raspberry Pi 3B Raspberry Pi 3B+ | 実売4,500円〜5,500円 |
Raspberry Pi 4B | 6,600円〜8,000円 |
そして性能もまた中間を位置しているものの、より3B系寄りなため、3B系の機能限定版としても安価な割合になります。
前回のmodel 1A+はそもそもシングルコアでした。これはZero系と同じです。クロック周波数(速度)は旧1A+が700MHzだったことを考えると、大幅にアップしました。これは3B+と同等の1.4GHzです。Zero系は1GHzですからサイズを考えても高性能です。
旧製品とのポイント比較
ポイント制の比較をしてみます!
Raspberry Pi ノーマル3Bを基本にポイントで割り振ってみました。
(1〜3段階で比較:青3点、黒2点、赤1点で評価)
ポイント比較
独断と偏見で性能ポイントで比較してみました。
6つの要素で勝っている場合は+1ポイントとしてみました。
Raspberry Pi 3A+ | Raspberry Pi 3B | Raspberry Pi 3B+ | |
CPU | Broadcom BCM2837B0 クアッドコア1.4GHz | Broadcom BCM2837 クアッドコア1.2GHz | Broadcom BCM2837B0 クアッドコア1.4GHz |
搭載メモリー | 512MB | 1GB | 1GB |
イーサネットポート (有線LANポート) | なし | 10/100/Base-T | 10/100/1000 Base-T |
無線LAN(Wi-Fi) | IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4/5GHz | IEEE 802.11 b/g/n 2.4 GHz | IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4/5GHz |
サイズ | 65 × 56 × 12mm | 85 × 56 × 17mm | 85 × 56 × 17mm |
定価 | 25ドル | 35ドル | 35ドル |
ラズパイダによる 性能ポイント | 3ポイント | 1ポイント | 4ポイント |
※あくまでもポイントは独断と偏見です。有線LANポートがないことが決してマイナスにもなりませんし、価格を重視するなら3A+が更にプラスポイントだと思います。
もう少し分かり易く言葉で違いを表現すると・・・
- 3A+のCPUは3B+と全く同じ
- 3A+のメモリーはZero系と同じ512MB
- 3A+に有線LANポートは付いていない
- 3A+のWi-Fiは3B+と同じac規格まで対応し、5GHzもOK。
- 3A+のサイズは微妙に正方形ではなくZero系の倍くらいの大きさ
- 定価が10ドル安く基板だけなら国内最安値が約3,300円
- USB2.0ポートが1つ
簡単に比較してもお解りのように、主な性能は3B+とほぼ同等です。
唯一、通信は有線LANポートが無くWi-Fiのみ、USBポートが1つという点が大きく異なります。

つまり、
- 通信はWi-Fiのみ(有線LANポートはない)
- USB2.0ポートが1つ
- メモリーが512MBと少ない
先程のような比較でも3A+は中間の評価になります。
但し、用途によっては最高の評価にもなることも考えられます。
ネットワークに有線LANケーブルを使用しない用途ならば、3B+より安価な3A+がサイズが小さいことも手伝って便利です。
デメリットは、メモリーが512MBしかない点です・・・。
Raspberry Pi Zero W/WHを使うよりは、接続出来るインターフェイスが多い3A+はZero系の代わりになるでしょう。
細かな点などはまた別の記事でご紹介していきます!

まとめ
今回、新発売したRaspberry Pi 3A+はより個人向け、初心者向けの製品になりました。これは価格も手に入れやすいことと、できることがより高性能に行えます。過不足は無いでしょう。
一方、Raspberry Pi 3B+はPoE Hatとの連携で、ビジネスの現場で利用するのに特化できます。
従来のRaspberry Pi ノーマル3Bは変わらずに産業用途やテスト環境に適しています。
Zero系は組み込みする際にあの特徴的な小さいサイズが活かせるでしょう。
ちょうど足りない部分を補った印象を受けました。
なんとなく、これで万全のラインナップとなり、これまでの様々な環境が手伝って、他の高性能シングルコンピューターが割っては入れない独占状態になると感じます。
安泰ですね。
25ドルが実売価格でいくらになるのか、日本で実施される2020年からの小学校の教材として、Raspberry Pi も再び候補に挙がるような気もして楽しみです!
他にも新型Raspberry Pi 3A+の情報をまとめてご紹介していきます。

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