2022年9月のOSバージョンアップで、デフォルト設定のdhcpcdからNetworkManagerを有効にできるようになりました。実はdhcpcdは古い機能で、他のLinuxOSなどはNetwork Managerを使用しています。現行のRaspberry Pi OSバージョンでは、これをOSに組み込んだ状態のイメージファイルになっています。
詳しくは「Raspberry Pi OSアップデート9/6版リリース、バグ修正とPythonで扱えるPicamera2ライブラリの追加」もご覧ください。
9/6の更新ではNetwork Managerに切り替わったのではなく選択できる状態です。デフォルトではdhcpcdのままです。
Network Managerの方が分かりやすくVPN接続などの設定もマウスで設定できるメニュー構成です。新規ではない現行バージョンからのバージョンアップではツールソフトをインストールして切り替える必要があります。
なお、新規イメージファイルを書き込んだ場合、既に組み込まれているのでインストールは必要ありません。
Network Managerを有効にする
既に稼働している新規ではないRaspberry Pi OSでは、アップデートとアップグレードをしてもNetwork Managerはインストールされませんでした。
自らインストールを実行します。
sudo apt install network-manager
使えるようにするには、再起動後にNetwork Managerを有効にしないとなりません。
Network Managerを選ぶのはraspi-config
ターミナルからraspi-config
を出し、6.Advanced Options
の中にあるAA Network Config
を選び設定します。
sudo raspi-config

デフォルトでどちらを動作させるのか切り替えられます。(dhcpcd または Network Manager)


何か不都合があったら、dhcpcdに戻してください。
切り替えて再起動した後は、ネットワークに繋がりません。Network Managerを初めて使うため設定ファイルが無いからです。改めてどのSSIDに接続するのか選ぶ、パスワードを入力しましょう。

これでNetwork Managerの設定は終わりです。
メニューから選べる機能
インストールして再起動後、タスクバーのネットワークアイコンをクリックすると、Advanced Optionsが増えています。


Wi-FiホットスポットやVPNに接続する設定、情報一覧や修正が行えます。dhcpcdではconfファイルを編集する必要があったものばかりです。便利かも。
詳細情報が嬉しい
意外と便利なのは詳細情報の表示や編集がマウス操作で簡単に行える点でした。こういう画面は他のOSで見慣れていますから分かりやすいと思います。Ubuntuなんかでもこんな感じですよね。


これで少しはWi-Fiを設定するハードルが下がったかな。

でも、バグが多い気がする。

現時点ではまだベータテストみたいなもので正式ではない。

リリース後、既に修正が入っていると公式ブログにありました。
Wi-Fi設定で悩んだら
各家庭のルーターが異なるため、環境が違ってしまい同じ設定では上手く行かない場合があります。この辺がネットワーク系の難しい所以かも知れませんね。
たまたま同じルーターや接続ブロバイダー会社が同じなら基本の設定も迷わないのですが、使われている用語も多少異なっていたり、そもそも管理メニュー画面が異なるのでややこしいと感じるでしょう。
暗号化で迷ったら読んで欲しい
WEP、WPA-PSK/WPA-PSK2、WPA3-SAEなどWi-Fiで使う暗号化も新しくなっています。数年前のルーターでは最新に対応していないこともあり、正直、どれをどう選んで良いのか分からないと思います。
先ずは暗号化方式をどれを選ぶかから調べてください。
基本のWi-Fi設定(dhcpcd編)
これまでのWi-Fi設定はdhcpcdでした。基本の通信設定(Wi-Fi設定)はまとめてあります。新しいNetwork Managerでも基本は変わりません。
バグはあるみたい
Raspberry Pi OSには、昨年からバージョンアップ通知をしてくれる機能が付いています。そこからアップデートとアップグレードが出来るのですが、どうも不安定で上手くいかないことに遭遇します。
素直にコマンドで実行した方が確実な状態です。
タスクバーにあるUpdaterアプリからだとエラーが出た。それも消えない全画面でエラーログが出てしまった。64bit版OSだからなのか、どうもここ2年くらいバグが多い気がします。

こういった場合もあるので、ターミナルのコマンドからアップデートとアップグレードをしましょう。
sudo apt update && sudo apt full-upgrade
もしも同じようなエラーに遭遇したら、コマンドで実行してみましょう。
以上、やっとRaspberry Pi OSにも導入されたWi-Fi設定ツール「Network Manager」でした。
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