なんかちょっと違う気がすると思った人、鋭い! MX Linuxとは言っても、Raspberry Pi 用に作られたフレーバーです。
公式から出されているのでMX Linuxには違いありません。 独自の機能のネイティブXfce構成ではない点は大きく異なります。ただ、便利な「MXツール」は搭載しています。
MX Linuxとは
海外の有名なLinuxディストリビューション紹介サイト(DestroWatch.com)では、ここ1年間でも断トツの1位なんです。
1 MX Linux 2 Manjaro 3 Mint 4 Pop!_OS 5 Ubuntuなんでもとっても安定していることが最大の特徴で、ユーザーからの評価も実用的な面が挙げられています。MXツールというツール群がユーザーの支持を得ている要因です。
そのMX Linuxから、Raspberry Pi用のOSがリリースされました。「MX Fluxbox-RaspberryPi Respin」と言うらしい。(※記事執筆時点ではベータ版)

FluxboxというのはXウィンドウシステム用のウィンドウマネージャで、とても軽いことで有名です。
MX LinuxもDebian由来のディストリビューションなので、Raspberry Piとの親和性も良いハズです。
ファーストインプレッション
初回起動時こそ少し時間がかかったものの、安定して立ち上がります。
先ずはWi-Fiの設定をタスクバーのアイコンが無いような(点のみ)箇所を右クリックで設定しました。

デスクトップにintroという動画のショートカットが貼り付いています。同じ動画は以下。基本的な紹介が再生されます。動作がちょっと遅いかなと感じます。
ただ、起動時に音が出ない?!
出力先はデフォルトになっていました。ので、念のためHDMIに変更します。
再起動したら出ました!
「【更新情報】Raspberry Pi OS これまでよりもデスクトップ環境を意識した更新内容、PulseAudio、CUPSの採用など」にあるように、Raspberry Pi OSが12月にアップデートしたオーディオ(PlusAudioがデフォルトに変更)関係なのでしょうか??
Youtubeのフルスクリーンも問題なく再生できます。ただ、やはりフルスクリーン化する時や戻す時は、ワンテンポ遅れます。これはmicroSDカードということもあります。それでも他のディストリビューションでは気にならないこともあるので、少し物足りないですね。
また、Youtube内のボリュームではオンとオフにしかならない。最大以下に下げると音が出ません。タスクバーの音量なら問題ありません。この辺はオーディオ系の設定を見直してみましょう。(バグなら仕方ない)
WebブラウザがFirefoxということもあるのか、全体的にウェブ画面の描画が遅い。
デフォルトのアプリケーション
- Webブラウザ: Firefox-esr 78.6
- メーラー: Claws Mail 3.1.7
- メディアプレイヤー: VLC 3.0
- ファイルマネージャー: Thunar 1.8.14
- テキストエディタ: FeatherPad 0.16
- 統合開発環境IDE: Geany 1.33,、Thonny 3.1.2 (for Python beginners)
- ネットワーク: Network Manager 1.14
- システム監視ソフトウェア(情報): Conky Manager 2.7 with large conky collection
- 特徴: MX Tools (MXFBPi version)
まだモッサリ

ベータ版なので、あまり調整されていないのは当然といえば当然です。それでもPi 3、4、400の互換性をテスト済みと明言されているため安心です。
Fluxboxという軽いデスクトップマネージャの採用など、Raspberry Pi に向いている開発が進められていると思いました。
元々が堅牢であったり安定といった保守的なディストリビューションの印象なので、徐々に洗練されていくでしょう。悪く言えば古くさいシステム、良く言えばそのために安定している。今後に期待します。
Raspberry Pi 4でLinuxデスクトップの快適さなら、オフィシャルのRaspberry Pi OS、Ubuntu MATEやManjaroが優れていることを改めて再認識させられます。
ダウンロード先:mx-fluxbox_raspberrypi_respin_beta.img.xz
公式記事:Fluxbox-RaspberryPi Respin “Ragout” (Beta)
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