TheMagPiマガジン82号が既に発行されています。今回は81号にも1ページだけ紹介されていた「Jam Hat」(P95)について取り上げます。

JAM HATとは?
このJam HATはアメリカにあるModMyPiが販売しています。オリジナルです。なんでも公式のGPIO Zero 1.5ライブラリチームと協力して進めたプロジェクトと紹介されています。だからほとんど公式と言ってもいいでしょう。

ラズパイのGPIO端子に接続して四隅をネジで固定するだけで、写真のようにLED6個、ボタン2個、ブザーをPythonで制御可能になります。Scratchでも動作します。
ModMyPiのGitHubにこのサンプルコードがあります。https://github.com/modmypi/Jam-HAT
本来、LEDはRaspberry PiのGPIOとブレッドボードと呼ばれる配線された板状のユニットを配線で繋ぎ利用します。
しかし、Jam HATはこれらをスグに制御できるように一体化されていて、別にブレッドボードや配線を用意する必要がありません。サンプルプログラムを利用して実際にコードを書くことがスグに行えます。
更にGPIOはこのHATにもありますので、別の何かを制御したい場合は追加も可能です。(パススルーGPIOヘッダ)
特徴
- 完全組み立て済み - はんだ付けは不要
- 取り付け用ネジ
- HATフォーマット(HAT規格サイズ)
- 拡張されたGPIO端子
- PythonまたはScratchで動作
- すべてのコードライブラリとGPIO Zeroを使ったサンプルの利用が可能
- "作るプッシュ"ボタンが2つ(赤青)
- 6つの「信号」LED(赤2つ、黄色2つ、緑2つ)
- ブザー/サウンダーが1つ
配線して動いて制御させれば、より感動することでしょう。でも、面倒くさいという事実もあります。それに部材が細かく数も多いため、作業する側よりも教える側の方が大変かも知れません。
GPIOの仕様
コンポーネント | GPIO.BCM | GPIO.BOARD | GPIO Zeroオブジェクト | 備考 |
LED1 | GPIO5 | Pin 29 | lights_1.red | |
LED2 | GPIO6 | Pin 31 | lights_2.red | |
LED3 | GPIO12 | Pin 32 | lights_1.yellow | |
LED4 | GPIO13 | Pin 33 | lights_2.yellow | |
LED5 | GPIO16 | Pin 36 | lights_1.green | |
LED6 | GPIO17 | Pin 11 | lights_2.green | |
ボタン1 | GPIO19 | Pin 35 | button_1 | R8/R10に接続 |
ボタン2 | GPIO18 | Pin 12 | button_2 | R7/R9に接続 |
ブザー | GPIO20 | Pin 38 | buzzer |
※備考にあるR8/R10などの「R」は「レジスト」、「抵抗」のことです。
公式サイトのGPIOページも参考にしてください。https://pinout.xyz
安い!
何がスゴイって安いことも重要です。ModMyPiの独占販売でしょう。
価格は£5.83です。(798円)

専用ケースの方が高い!!
専用ケースの価格は£8.33です。(1,140円)
ケースなしで日本円で約800円だからmicroSDカード程度の価格で手に入ります。(厳密には送料がある)
仮にケースも揃えても約2,000円です。Raspberry Pi一式と合わせて約1万円ですから、とっても魅力的です。
学校教育に最適!
このJamHATは何に最適かというと、小学校など初心者向けの教室です。
特に教える教師の皆さんには朗報でしょう。これとラズパイの基本であるRasbianを入れたmicroSDカードと、USB電源アダプター、HDMIモニター、キーボード&マウスの用意だけで授業を行えます!(本体以外の入力インターフェイスなどは既存の物でOK)
パッケージされているため、教える側で要らぬトラブルがないというのはスムーズに授業が行えるハズです。
パーツはともかく、もしもはんだ付けから教えるなると、それは別の授業になってしまいますね?!
配線もないから机上もスッキリでプログラミングに集中できますね。
2020年からの小学生向けプログラミング教育は、高学年用にJamHATとRaspberry Piで充分なんじゃないかなーと思えてしまいます。仮に私が教師なら教えやすいと感じますね。
JamHATにイチからプログラム書いてもそんなに難しくありません。ボタンと連携で光らせたり、クイズ作ってYES/NOのボタンで間違ったら「ブブー」と鳴らしたりするだけでも充分な勉強になります。
いいな。そういう仕事は面白そうだな!

どうですか? 小学校の先生方。——JamHATのお話でした。
今号のThe MagPiマガジンは表紙にあるように、ScratchとPythonのプログラムコードを学ぶネタが多くなってます。
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