「moOde™ audio player」で楽しんでいた自宅のミュージックシステムのmoOde audioを最新バージョン7を再インストールしました。
このバージョン7は、バージョン6からはアップグレードできません。新たにインストールしないとなりませんでした。再度、インストールしたので、改めてSpotifyを再生するまでまとめてみます。
今回の環境
セットアップに使用したRaspberry PiとmoOde audoのバージョンは以下です。
サウンドカードの指定で適切なモデル名を選べばサウンドカードは別の物でも構いません。Raspberry Piの3.5mmジャックからアンプやパッシブスピーカーに繋いでもOKです。
より高音質で楽しみたいなら、サウンドカードのHATがあると良いでしょう。
- moode-r701-iso.zip
- Raspberry Pi 3B+
- microSDカード 16GB
- サウンドカードHAT(HiFi Berry DAC 互換)
- 別のNASから音楽データを参照して再生させる
- Spotify有料プランで連携させ再生させる
個人的にSpotifyで音楽を楽しんでいます。月額980円のSpotify Premiumならば、Spotify Connectが使えます。構築したRaspberry PiシステムでSpotifyが再生可能になります。
※フリープランではできません。
ローカル環境(microSDカード内、または別のNAS)から再生することも可能です。
NASから音楽データを参照するため、microSDカードは最低の16GBでも問題ありません。この辺は環境に依るので、ご自身の再生環境を考えて、microSDカードを大きめの容量として音楽を転送することでも良いでしょう。
サウンドカードとケースがセットになった商品があります。(Raspberry Piは別売り)
数に限りがあり、品切れの場合はご容赦ください。在庫限りです。 在庫切れ
これまでのインストール&セットアップ記事
以前の記事はバージョンが古いmoOde audioです。やり方はほとんど変わりませんので、こちらも参考にしてください。Raspberry Pi Zero WHでも構築しています。
ダウンロードと書き込み
moOde audio をダウンロードします。
安定版の最新はページ内のダウンロードボタンからダウンロードできます。約1.6GBあります。
microSDカードへの書き込みは、Raspberry Pi Imager、またはEtcherで行います。これまでの記事を参考にしてください。
今回はRaspberry Pi Imagerのメニューにあるカスタムで書き込んでみました。microSDカードの消去も同じくRaspberry Pi ImagerのEraseから行いました。3ステップで簡単です。
初回セットアップはAPモード
早速、セットアップします。
モニターには繋げません。HATは接続したまま、moOde audioを書き込んだmicroSDカードを差し込み、電源を入れます。
しばらくすると、APモード(アクセスポイントモード)で起動します。
自宅のWi-Fiに入っていませんので、そのままではmoOde audioには接続できません。かといってモニターも繋がないため、マウス操作などもできません。
そこでAPモードになります。
他のマシン(WindowsやMac)からWi-Fiにmoodeという名前でアクセスポイント名が表示されるはずです。

ピアツーピアになる
アクセスポイントモードは、一時的にmoode audioが起動しているRaspberry Piと他のマシンをWi-Fiでピアツーピアで繋ぐ形になります。
そのため、現在インターネットに繋がっていても、一旦は切れてしまいますので驚かないでください。moode audioに自宅Wi-Fiに接続させる設定だけのために繋ぐのです。
自宅Wi-Fiに繋がれば、元の通りに他のマシンもインターネットに繋げられます。安心してください。ついでにSSHも有効にさせられ、他のマシンから遠隔操作でセットアップが可能となる仕組みです。
ちょっとだけよ、って感じです。
APモードのパスワード
このAPモードへ接続するには、パスフレーズが必要です。めっちゃ簡単、moodeaudioです。
- APのIPアドレスは「172.24.1.1=moode.local」
- SSID名(ch6):Moode
- パスフレーズ: moodeaudio
SSHの初期IDとパスワード
合わせて、SSHの初期は以下、piとmoodeaudioです。これは後にパスワードは変更します。
一先ずはこれで接続します。
- 初期ユーザー名:pi
- 初期パスワード: moodeaudio
Webブラウザから操作
Raspberry Piを触っていると気が付くと思います。他のマシンからWebブラウザを経由して設定することが多いです。moOde audioも同じです。
実際に接続してみます。
先程、アクセスポイントをMoodeを選び、パスフレーズを入れた後です。
繋いだマシンのWebブラウザから、http://moode.local と入力すると設定画面に入れます。
設定画面:http://moode.local

これが初期(デフォルト)の画面です。
この右上に「m」マークがメニューボタンになっています。
Wi-Fiの設定
自宅のWi-Fiに繋ぐための設定をします。
Configureの中のNetworkです。
こんな画面がデフォルトになっていて、これを変更します。

Wi-Fi設定例(固定IPアドレス)
IPアドレスやDHCP、固定IP、サブネットマスク、ルーターのIPアドレスなど、ご自身のWi-Fi環境に合わせてください。
ここは環境により変わりますので、あくまでも例として載せておきます。
ネットワークに関しては以下の記事も参考にしてみてください。

また、ルーターのIPアドレスというのは、ルーター(インターネットに繋げる器機)の説明書なども確認してください。メーカーによってデフォルト設定が異なります。
家庭のルーターであれば、基本は1台しかなく、今だとWi-Fiが内蔵されている器機がほとんどでしょう。仮にルーターとWi-Fi用の器機が別の場合(増設した)も、特殊ではないかぎりルーターは1台です。(一方はブリッジモード)
主に経験から、192.168.0.1や、192.168.1.1、192.168.16.1などが一般的なデフォルトIPアドレスでしょう。もちろん、メーカーによっても変わりますし、自分で別の設定をすることも可能なので、一概には言えません。
設定の例

こんな感じで設定します。
ルーターのIPアドレスが192.168.0.1と仮定した場合です。
moode audio のRaspberry Pi 3B+のIPアドレスを固定にします。(192.168.0.29)29は適当に選びました。49でも12でも他の器機とバッティングしないようにしてください。
SSIDは一度SCANボタンを押すことで、プルダウンメニューに表示されます。他のマシンで繋いでいたSSIDを選んでパスワードを入れます。
国はJapanを必ず選んでください。Wi-Fiが動作しません。
Gatewayというのはルーターのアドレスになります。同じくPrimaryDNSも同じルーターのアドレスとしておきましょう。SecondaryDNSは必要ではありません。
再起動元に戻る
入力が終わったら、左上のSAVEで保存し再起動をかけます。再起動も右上「m」メニューのPowerから行えます。


Spotify Connect
moOde audioの場合、Spotifyとの接続は自動で行われます。
これはmoOde audioでSpotifyを操作するわけではなく、Spotifyの再生先をmoOde audioに指定する方法だからです。
つまり、moOde audio単体ではSpotifyは再生することができません。
Audio Setting→ Spotify Renderingの項目でONにしてSETするだけです。

ビットレートも変更できます。せっかく有料なので320Kで再生させてみたい。

音楽に詳しい方は、お好みで色々と設定してみてください。(私はよく分かりません・・・。)
既に有料のSpotify Premiumに登録していれば、Spotifyの画面(PCやMac、iPhone等)から、出力先にMoode Spotifyが選べます。

これはmacOSで動いているSpotifyアプリです。
コンピューターのようなアイコンをクリックすると、このようにデバイスに接続できる場合は、候補に出てきます。ほら、Moode Spotifyが選べますね。
選んであげれば、Raspberry Pi 3B+側にインストールしたmoOde audioから再生されます。
切り替わると、Webブラウザで操作していたmoOde audioの画面は操作できなくなります。

出力先を再びコンピューター側へ戻すと、以前のように操作することが可能になります。
日常的にローカルのファイルを再生させるなら、Webブラウザで操作することが多いでしょう。私のように主にSpotifyで聴くスタイルだと、Webブラウザで操作することは希です。PCやiPhoneなどのSpotifyアプリから操作します。
設定は細かい
moOde audioは音楽に詳しい人なら、かゆいところに手が届くような設定が可能です。素人にはとても難しく、どこを変えたら音がどう変わるのか手探りです。
基本はConfigureの中にある、Library、Audio、Network、Systemを設定します。
中でも、Networkは最初だけです。
SystemやLibraryも一度設定すれば良いでしょう。
Audioの設定で音やイコライザの設定が可能です。ここは音楽に詳しいと分かるでしょう。

Configureのこの画像にあるように、Clock radioで目覚まし時計として設定が可能です。
目覚ましとスリープタイマーの排他利用にはなりますが、スリープタイマーも良いですよ。ここでは音楽ファイルを選ぶのではなく、時間設定だけで、ライブラリーの曲から選べます。曲名欄にある三点リーター(…)のメニューボタンからClock radioを選びます。
設定はそこそこでも、最低限の設定で高音質な音楽が楽しめるミュージックシステムを構築できるので、Raspberry PiにサウンドカードHATはおすすめです。
設定画面は英語での表記になっていますので少し大変で難しいなと感じる人は、Volumioがおすすめです。moOde audioよりは簡単にセットアップできるでしょう。

ラズパイとDAC(HAT、pHAT)
DACとしてRaspberry Pi のGPIO端子へ接続できる拡張基板のHATはいくつも発売しています。日本ではすべてを購入することは難しいかも知れません。
ここでご紹介したサウンドカードなど、それなりの性能の場合は高価になります。アンプは別に必要になりますが、一度サウンドカードから聴くと、買って良かったー、と感じるくらい良い音ですよ。
これがRaspberry Pi 3B+の性能でも十分なんです。むしろRaspberry Pi 4では勿体ない。
現在は少なくなったpHAT系の小さいHATなら、Raspberry Pi Zero WHでも快適に動作します。

以前にもVolumioとRaspberry Pi Zero WHでSpotifyを利用していました。そちらの記事も参考にしてください。
moOde audio7は単純に書き込んで利用するまでなら、それほど難しくなくセットアップできました。