このサイト「ラズパイダ」で募集したアンケートの結果をご紹介します。ご参加してくださった皆さん、どうもありがとうございました!
今回のアンケートは以前にいくつかお願いしたアンケートと違い、Googleアカウントにログインすることで参加できるGoogleフォームを利用しました。(Raspberry Piに関するアンケート、再び)
先ずはアンケートの結果をお楽しみいただき、最後に自由欄に寄せられた実際に使っている例をご紹介します。
回答者はガッツリ楽しんでいる人
Raspberry Pi も日本で購入できるようになってからだいぶ経ちました。日本では2016年頃からです。
今回、アンケートに回答してくださった人の傾向は、主にマニア(または玄人)の人が大半でした。初心者は数名のようです。
その辺を踏まえて結果をみていきましょう。※伺った順番とは異なります。
Q:Raspberry Piはこれまでに何台購入しましたか?
この質問でやり込んでいるなー、と窺い知ることができます。

このように回答者の実に約半数がセット品、単品問わず5台以上もRaspberry Piを所持しています!
まだこれからの人からすると、完全にマニアです。
単品とセット品問わず2台以上の所持も30%を占めるため、全くの初心者・中級者とは言えませんね。2台〜5台以上所持している人は全体の8割でした。
このことから、他の回答もRaspberry Piに慣れている人の結果と捉えてください。
Q:Raspberry Piを接続するルーターはどこのメーカー製ですか?
ラズパイダではWi-Fiに関する質問やお問い合わせ、コメントをたくさんいただいてきました。
その当時のRaspberry Pi モデルを、なるべく分かりやすいようにご紹介してきました。あまり上手く伝わっていないな、と感じることも多かったので、改めて伺いました。
Raspberry PiのWi-Fi設定は、以前に比べるとかなり簡単に設定が可能です。(初期の頃は.confファイルなどに記述するしかありませんでした)
それでも繋がらない人が後を絶ちません。
家庭内のWi-Fi設定、つまりルーターの存在が個々によって異なるからだと想像しています。
それで皆さんはどのメーカーのルーターをお使いなのかに興味を抱きました。特に有名なメーカーを選択肢に入れました。

これを見ると、半数以上はNEC製です。Atermシリーズが多いってことですね。

NEC製は、確かに管理画面が使いやすいと思う。個人的に使うことが多かったバッファロー製は初心者にそれほど優しくない。最近のNEC製はホント、見やすい。初期セットアップは簡単な部類だと思う。
ここは売れ筋からも想像通りの結果に感じました。
Amazon 無線LAN・ネットワーク機器 の 売れ筋ランキング
今後はIPアドレスなどの説明にNEC製の例を引用したいと思います。
Q:Raspberry PiのWi-Fi接続は難しい?
これは慣れている人であれば愚問でした。

やはり圧倒的に簡単と答えた人ばかりです。逆に難しいと思った人は皆無でしたので、玄人さんにはあまり意味のない結果になってしまいました。
Raspberry Pi OSという名称が変更になってから、初期セットアップウィザードは簡単に設定することができるようになりました。
順番に5つほど答えるだけで、以下の設定が可能です。
- 日本語のロケール設定
- ホスト名の設定、SSHの有効化
- 初期ユーザーpiの初期パスワード変更
- Wi-Fi設定
- OSのアップデート
これだけですぐに取りかかれる状態になるわけです。ここまでならば、コマンドを打ったり、ファイルの編集も必要ありません。

Q:次の中でRaspberry Pi本体以外に追加購入した物は?
選択肢の中で流用できないであろう追加のパーツは、LCDディスプレイとケースです。Raspberry Pi 専用に欲しい物です。他は流用できるので追加しない人も多いでしょう。

最近はRaspberry Pi 4もUSB接続のSSDドライブから起動できるようになりましたので、SSDドライブを新たに購入した人は多いでしょう。(※要設定)
興味深かったのは、書籍が多かったことです。
Raspberry Pi を複数台もトライしていても、情報源として書籍は大事ですね。電子書籍(Kindle本等)や雑誌も含んでいると思われますが、やはり読みながら進めるのは安心感があります。
Q:Raspberry Piの用途
最後に「Raspberry Piを主に何に使っているのか教えてください」として、500文字以内で記入をお願いしました。必須ではありませんでしたから、全員から回答いただけたわけではありません。
必須ではないのにぼぼ全ての回答者は記入してくださいました。ホント、ありがとうございます。
回答はザッとジャンル分けして箇条書きでご紹介しておきます。
このラズパイダでも試した仕組みはリンク貼っておきましたので、合わせてどうぞ。
アンケートの結果は実用的な物ばかりです。
これからRaspberry Piを購入する人も参考になると思います。
ミュージックサーバー系
- Spotifyで音楽再生
→この記事を読むだけで作れるRaspberry Pi +Spotifyミュージックサーバ - radikoの再生
- 自作のアンプに使用
- moOde audioで音楽再生
→自宅ミュージックシステムに「moOde audio 7」セットアップ - volumioで音楽再生
→ラズパイのVolumioにはSpotify connectがお似合い
2のradikoは有志のプログラムでエリアフリーにもできるようですね。(※radikoの会員規約に沿っているのかは分かりません)
自作のアンプには驚きました!
Raspberry Pi 4に私もご紹介した冷却ファンがイイ。
動画をご覧いただくと、作業が細かい! 良い仕事してますね〜。
音楽は全く無教養なので、全く分かりませんが、ミックスアンプっていうのか。

スイッチが…そそる! たぶん男子は好きなスイッチかと
こういう組み込み系にRaspberry Piはアリです。扱いやすい基板です。
動画再生系
- Youtube再生機
- Kodiのメディアサーバー
→LibreELEC(kodi)はiPhoneアプリでリモコン要らず
KodiはRaspberry Pi OSのデスクトップに導入しても良いですし、OSとしてLibreELECは完成されていて便利です。
人気のYoutubeはメインのマシンやスマホ以外で再生できると、他の作業をしながらテレビのように扱えます。Webブラウザだけで良いので、簡単にRaspberry Piを専用機にできます。
ファイルサーバー系
- NAS(OpenMediaVault 5)にてファイルサーバ
→ラズパイ4とOMV5(openmediavault5)で作る自宅NASサーバーの設定方法 - NextCloudでファイルサーバー
ラズパイダでも人気の記事になっているOMVはNAS用のOSです。私も個人的に気に入っているRaspberry Pi用途の一つです。

私は2台のUSB3.0ドライブを繋いでいます。(3TB×2)
NextCloudはスマホで操作するのに便利なファイルサーバーになります。クラウドなので外に公開したいところですが、セキュリティが大変なのでしていません。
ラズパイとは関係ありませんが、レンタルサーバーにNextCloudを入れて使っています。
→NextCloudをロリポップ!レンタルサーバーに設置し、自分専用クラウドストレージとして活用する
Webサーバー系
- VPNサーバー
- スマホ用プロキシサーバー
- WordPress(ブログ)のサーバー
→WordPressをラズパイのLAMP環境へインストールする - Apacheのサーバー
- WEBスクレイピング
→ラズパイでWEBスクレイピングーjupyter notebook
WordPressをテストするためのサーバーは構築しました。こちらも外には公開していません。(セキュリティが大変です!)
Webスクレイピングも一応試しました。(悪用厳禁ですが)
VPNはバーチャルプライベートネットワークの略です。読んでそのままなんですけど、大統領のホットラインみたいな専用線を仮想で構築します。簡単にいえば暗号化通信してくれるってことです。外から接続する場合に、大事な情報を守るためにも必須です。
VPNサーバーはRaspberry Piで構築すれば出張が多い人には重宝するでしょう。特に野良Wi-Fiは気をつけた方がいいです。
但し、OpenVPNもOpenSSLみたいに脆弱性はあります。最新にしないと意味がありませんので、万能とは考えずに気をつけたいですね。
その他
- 常時稼働でPCライクとして
→PCライクに使うラズパイ4の記憶媒体に小さく高速なポータブルSSDは最適だと思う - OSやプログラムの動作テスト用
→Raspberry Pi にインストールできるOS - Retropieでゲーム
→ラズパイ4に対応したRetroPie 4.6がリリース - 監視カメラ用
→公式カメラモジュールで省電力「あんまり監視しないカメラ」を作ってみた! - デジタルサイネージ(Magic mirror2)
→自作スマートミラーはRaspberry Pi とオープンソースのMagicMirror² - Pi-hole
- Pi-KVM(Kernel-based Virtual Machine)
- Mathematica
- NFCの読み込み利用
→SONY非接触型カードリーダーRC-S380とraspberry pi(実装編)NFCを読み込んでLCDにID表示まで
その他は特殊な用途もありました。
常時稼働のPCのような使い方も確かにRaspberry Pi 4なら遜色ありません。ラズパイなら電源のオンオフを気にしない程度の電気代です。それでいてWebサービスならどのOSでも同じように使えます。
Raspberry Piでも動くOSはArm由来ですがたくさんあります。
簡易的であれば監視カメラは簡単でした。Raspberry Pi Zero WHなどを使えば小さく済みます。
デジタルサイネージはディスプレイにお金がかかりますが、試用できるMagic mirror2ですぐに試せます。
Mathematica(マセマティカ)は超高価なのにRaspberry Piなら無料で使えます!(非商用)
注:MathematicaとWolfram言語はライセンスの下でWolfram Research Incの許可を得てこのリリースに含まれており、非営利目的でのみ使用することができます。 このソフトウェアを使用することにより、Wolfram RaspberryPiバンドルライセンス契約に拘束されることに同意したことになります。
引用:https://www.raspberrypi.com/software/raspberry-pi-desktop/

大学の研究者やデータサイエンティストは使っているのでしょう。文系の私にはちんぷんかんぷんです。確かにMathematicaのためだけにRaspberry Piを使うのもアリだと思う。高いし。
7のKVMは、ザックリ言うと仕組みはParallelsやQEMU、Xenなんかをイメージしていただくといいでしょう。
トライしてみたい
私自身もRaspberry Piの使い方を知ることができて楽しかったです。
自由欄の項目ではガッツリ書いていただけた人もいらっしゃいました。本当に参考になりました。ありがとうございます。
いくつかの事例は記事にしてきましたが、その他に挙げられた用途はまだまだトライしていないので、私自身も刺激になりました。
皆さんはどれを試したいですか?
2021年4月におこなったアンケート結果でした。