今更ながら、Raspbianのデスクトップイメージをブログに貼ったりできるよう、スクリーンショットの撮り方をご紹介します。既に記事にあるかと思ったら無かったので、私がよく使う方法でまとめてみました。
現在のRaspbianのイメージファイルには最初からscrotがインストールされています。メニューには出ていませんが、元々、scrotはコマンドベースで動くアプリケーションなので、ウィンドウといったGUIがありません。
やはりCUIベースでは使いにくいと感じる人も居るでしょうから、合わせてGUIがあるgnome screenshotもご紹介します。苦手だなと思う人はムリしてscrotは使わなくても同じようにスクリーンショットは撮れますからご安心を。
scrotとgnome-screenshotの紹介です。
scrot
先日に掲載した「Raspberry Piデスクトップ利用限定の技「キーボードショートカット」作成方法」でも一部触れている通り、スクリーンショットを撮れる scrotは、既にプリントクリーンキーにkeyboardショートカットとして割り当てられています。
だから、プリントクリーンキーPrtScnだけでユーザーのルートフォルダにキャプチャ画像が保存されていたわけです。
まだ試していない人は、PrtScnキーだけ押してみてください。/home/pi/の直下にpngファイルとして保存されますよ。
オプションを与えて思い通りに撮る
コマンドにはオプションという決められた一文字の英数字で表します。このオプションの指定で様々な振る舞い(機能)をさせることができます。
コマンドの基本の書式は、
scrot [options] [file]
[file]の部分は後ほど説明しますが、ほとんどはscrotに[オプション]を付けるだけです。
オプションはたくさんあります。
よく使うオプション7選
オプション (ショート名) | オプション (ロング名) | 機能 |
-h | --help | ヘルプを表示 |
-v | --version | バージョン情報の表示 |
-d | --delay NUM | スクリーンショットを撮る前に NUM秒遅らせる |
-c | --count | 画面にカウントダウンを表示 -dオプションと一緒に使う |
-s | --select | 実行後にマウスでウインドウを選択 |
-b | --border | ウィンドウを選択する際 ウインドウタイトル(バー)を入れる -sと一緒に使う |
-u | --focused | 現在フォーカスされているウィンドウを撮る |
基本はショート名で構いません。”--”のロング名は、オプション内で更に引数を指定する場合などで用いることが多いです。
よく使うオプションの例
オプションを指定しない場合は、scrotを実行した瞬間の全画面を取得します。後から加工することになるのでそれでも良いのですけど、それだとPrtScnキーを押した時と挙動は同じです。それならPrtScnキーを一発押した方が早いですね。
よく使うオプションをいくつか並べてみますので、コピペしてお使いください。
scrot -cd 5
5秒後に撮影する。ターミナルにカウントダウンされます。

scrot -sb
実行後、マウスでウインドウを選択するまで撮影されません。ウインドウをマウスでクリック選択すると撮影します。-bでウインドウ名と一緒に撮られます。

scrot -ucd 5
実行後、マウスで操作した結果を撮影したい場合に使えます。
例えば、ウィンドウメニューを開いた後の画面を撮影したい場合、開いたままコマンドは打てません。それに全画面ではなくウィンドウ単位でも可能です。

ウィンドウのタイトルを入れたい場合は-bオプションも付けてください。
ちなみにオプションの記述で”-ucd 5”などど省略して記述できます。もちろん、”-u -c -d 5”でも同じです。
ファイル名を付けて撮影
scrotの書式に[file]とあるようにファイル名も指定できます。
scrot [options] [file]
scrotではそのまま何も指定しないと「2019-09-01-101424_1920x1080_scrot.png」というファイル名で保存されるようになっています。
日付けと時間別なので被ることはありませんし、普段はこれで快適に使えます。しかし、たくさん撮影すると後で何が何だか分からなくなることも・・・。
そこで、分かり易い接頭語を付けてみましょう。
scrot 'cap_%H%M%S.png'
この例では、cap_101424.pngというファイル名になります。時分秒ならユニークになります。もちろん日付が変わったら被ってしまいますが、最低限の書式でcap_を変更して撮影した画像を分かり易くしています。
オプションは、まだまだあります!
GitHubにあるscrotのページには、他にもオプションが存在していますが、Raspbianでは13種だけです。
オプションは組み合わせて使う場合が多いので、よく使う書式はキーボードショートカットに割り当てても便利かも知れません。
scrotの場合、短いので比較的簡単に覚えられますね。
scrot -hで表示したヘルプ内容
-h, --help display this help and exit
-v, --version output version information and exit
-a, --autoselect non-interactively choose a rectangle of x,y,w,h
-b, --border When selecting a window, grab wm border too
-c, --count show a countdown before taking the shot
-d, --delay NUM wait NUM seconds before taking a shot
-e, --exec APP run APP on the resulting screenshot
-q, --quality NUM Image quality (1-100) high value means
high size, low compression. Default: 75.
For lossless compression formats, like png,
low quality means high compression.
-m, --multidisp For multiple heads, grab shot from each
and join them together.
-s, --select interactively choose a window or rectangle
with the mouse
-u, --focused use the currently focused window
-t, --thumb NUM generate thumbnail too. NUM is the percentage
of the original size for the thumbnail to be,
or the geometry in percent, e.g. 50x60 or 80x20.
-z, --silent Prevent beeping
ロング名はハイフン2つから始まり、”--”その後に続く文字は一文字ではなく単語になっています。どちらを指定しても同じです。私が知っている限りの話ですが、言葉で覚えた方が覚えやすいので、ロング名で覚えて、おおよそ頭文字がショート名と覚えると良いでしょう。(例外もあります!)
コマンドオプションを忘れたなーという場合は、"-h"でオプション一覧も出てくると思うので、それを参照してください。便利!
ちなみにWindowsではオプションの指定は”/”ですね。RaspbianはLinux系となり ”-”ハイフンです。なんでか?というと、Linux系では”/”はディレクトリの意味で使うからです。(例: /home/pi/)
gnome-screenshot
初心者にもっと簡単なGUIで使えるgnome-screenshotがオススメです!
インストールは
sudo apt install gnome-screenshot
インストールが終わればメインメニューに追加されています。

アクセサリ ーー> スクリーンショット
画面はこんなにシンプルで分かり易いと思います。

”スクリーンショットの取得”ボタンで撮影でき、オプションも大きく3つ選べ、マウスポインターを含むか、ウインドウのタイトル名の有無が選べます。

撮影後は保存先とファイル名が聞かれます。良ければ保存でソフトウェアが終了します。
画像のエフェクトも可能です。

現在のウインドウを選択すると、適用するエフェクトが選べます。
- 影を付ける
- 境界を含める
- ビンテージ
それぞれはこんな感じです。これがscrotで撮影した電卓のソフトウェアです。

影を付ける 境界を含める ビンテージ
境界を含めるは周りに線が追加されています。
ビンテージは・・・よく分かりません。
影を付けるが一番使えそうですね。
gnome-screenshotは1回撮影する毎にソフトウェアが終了してしまうのが難点ではありますが、とても簡単に撮影が可能です。
scrotに慣れないなという人は、gnome-screenshotからどうぞ。
Raspbainでスクリーンショットを撮る方法をご紹介しました。
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