Raspberry Pi ではハードディスクの代わりにmicroSDカードを使用します。スマホなどで一般的になったメモリーカードで既に何枚かお持ちかと思います。
ここではmicroSDカードについてまとめました。(※以前の特集ページを再編集しました)
どれを買ったらいいのか?
簡単に言いますと、microSDカードであればどれでも構いません。SDカードには種類がありサイズが異なります。サイズ違いは物理的に利用できません。
このページをご覧になっているということは、いったいどのmicroSDカードを買えばいいのかと疑問に思っているからでしょう。
特に、自分のスマホではなくドライブレコーダーでもなく、Raspberry Piで使うためだからですよね?
ポイントを抑えていれば、あとは価格やメーカーの好みも加味して選んでください。
選択のポイントその1
先ずはCLASS10の速度を選びましょう!
速度は重要で、あまり安価な物だと速度が足りない場合があります。最低限CLASS10です。
速度は高速の方がいいのに決まっています。しかし、class10の規格でさえ32GBでは2011年に登場しました(https://ja.wikipedia.org/wiki/SDメモリーカード#microSDカード)
そのため使うハードウェアが古いならそもそも対応していないこともあるわけです。
CLASS後に付く数字はそのまま秒間での転送速度です。
- CLASS2——読み書き時のデータ転送速度が最低 2MB/秒
- CLASS4——読み書き時のデータ転送速度が最低 4MB/秒
- CLASS6——読み書き時のデータ転送速度が最低 6MB/秒
- CLASS8——読み書き時のデータ転送速度が最低 8MB/秒
- CLASS10——読み書き時のデータ転送速度が最低 10MB/秒
現在ではほぼCLASS10が主流です。記載が無いメモリーカードには注意してください。
選択のポイントその2
次に注意する点は、容量です。
基本としてRaspbianOSをインストールして使います。最低でも8GBの容量が無いとインストールできません。
規格はSDHC規格となります。

画像引用:メモリカードの違い|東芝
また、現在では大きな容量のmicroSDカードも安価で多いですが、現在、64GB以上は通常の手順でフォーマットできません。
これには理由があります。詳細は次の記事です。
関連記事:ラズパイで利用出来るmicroSDカードは32GBまで利用可能
誤解なくご説明すると64GBでも128GBでも使えます。ご心配なく。
ただ、フォーマットしないとならなりません。このフォーマット形式が問題で、Raspbianが対応しているフォーマット形式はFAT32です。
フォーマット形式:FAT32
Windows10でもMacOSでも通常のフォーマット方法では規格上、SDHCは32GBまでしかフォーマットができません。
逆の言い方をすると、64GBのmicroSDカードは、FAT32形式は選べず、自動的にexFAT形式でフォーマットされてしまいます。
そういう規格のルールに厳密に沿うと、そのようなソフトウェア設計になります。つまり、64GBなど32GBより大きい容量をFAT32でフォーマットすることはおかしいということになっています。
だから、64GBなどを購入してフォーマットしたのにラズパイが起動しない!ということが起こります。・・・恐らく、フォーマット段階でexFATになっていたというオチです。
現在は自動的に拡張!
しかし、現在はRaspbian側で自動的に拡張してくれます。だから、もしも32GB以下でFAT32形式でフォーマットできれば起動後に拡張してくれ容量いっぱいまで使えます。
MacOSの場合は形式を選んでフォーマットできるソフトウェアがなかなか見つかりません。MacOS標準の機能で実現してみました。
Windowsの人はそういったソフトウェアが存在します。しかし、そのメーカー製microSDカードでなければダメなソフトウェアもありますね。
他の媒体を使う
microSDカードで大容量をRaspberryPiで使うには、変則的な方法でしかFAT32形式でフォーマットが出来ない状態です。
本来、RaspberryPi自体は64ビットです。なのにOSが32ビットなんですね。しかもフォーマット形式はFAT32というわけで、バランスは良くないと思っています。
そういう意味から32GBのmicroSDカードをオススメしています。32GBの容量であれば、通常の利用で困ることもないでしょう。

え? 音楽が入らない? 動画ファイルが大きい?
本来、それら大きなメディアファイルをmicroSDカードに入れるのは現実的ではありません。Raspberry Pi はファイルの出し入れが通常のパソコンと異なるからです。
そもそも頻繁にアクセスするとなるとmicroSDカードはフラッシュメモリーなので寿命が縮まります。
RaspbianOSはパソコンに接続しても中身は見えません! 読み込めないのではなく、Raspberry Pi で見ている中身と同じではないことに気が付くと思います。
実は仮想ファイルシステムなので、Raspberry Pi 上で保存した物をパソコンで取り出すことが出来ないのです。

ここに見えるファイルが動作することによってRaspbianの世界が構築されています。1つのファイルの中に世界が広がっているイメージです。(分かりにくいかな・・・)通常ではその中に入れませんので、ファイルが取り出せないという理由です。(そもそものファイルシステムが異なりますし)
間違っているかも知れないので小さく書いておきます。1ファイルの中にアクセスしているので、実質的には1ファイルへのアクセスで済んでいるハズ。だからフラッシュメモリーには向いている仕様なんだと勝手に解釈しています。(違っていたらスミマセン)
大きなファイルや頻繁に入れ替えるファイルを扱うのなら、別途、外付けHDDを繋ぐか、NASサーバーと連携するのが常套手段です。
そうやってデータとシステムが別々な方が管理も楽です。
もちろんmicroSDカードの中に色んなメディアファイルをコピーしても問題ありません。取り出すのは面倒なので、変わらないデータ、というか頻繁に取り替えないデータならむしろ好都合です。
仮にUSBメモリーでも大容量なので、そちらにデータを入れても良いでしょうし、NASと呼ばれるネットワーク内にファイルが存在するなら、そこから取り出せば良いので、コピーするような手間は無くなります。
このようにRaspberry Pi をどのように使うのかによりますけど、最低8GB〜32GBであればシステムとしては問題ないでしょう。今後に規格が変わった場合は取り扱いも変わると思います。
本家Linuxでは正式にexFATのサポートが決まり実装されます。今後に期待ですね。
相性問題はまだある?!
多くの人が思うことに、機械のパーツに相性なんてあるの?ということがあります。
まるで都市伝説のようですね。
昔ならいざ知らず、現代においても相性っておかしいと思われるでしょう。しかし、これはメモリー関係にはまだまだ存在しています。

私もメーカーではありませんので、そこまで詳しくありません。マニアックなお話として簡単にいうと、microSDカードはハードディスクと異なり電気的にデータを維持しています。
NANDフラッシュと呼ばれる記憶媒体で構成され、しかも中に小さなCPUもあるんですよ! NANDフラッシュは通常のメモリーと異なり、電源が切れても記録が消えない特徴があります。
ハードディスクのように駆動しない機器で、CPUまで積んでいるわけで、電圧などと関係があります。精密機器なので使う機器によっては不良ではなくても上手く動作しない確率が高まります。
想定されている機器の電圧や使い方から大きくズレるとまともに機能しない・・・や、そもそも低品質だから・・・。
恐らく、相性よりも初期不良の確率の方が大きいかも知れません。
(個人的にはあるメーカーのはRaspberryPiだと何枚もダメでも、デジタルカメラではイケたという不可解なことも経験しています)
少なからず相性問題は存在しています。
大抵は問題ありませんので、それほど神経質になることもないのですが、出来れば動作報告されているカードが望ましいですよね。
ラズパイダでは色んなメーカーを使用した結果、台湾Team製のmicroSDカードがRaspberry Pi には最適だと思ってオススメしています。
関連記事:台湾Team製microSDカードがRaspberry Pi には最適
なぜかは関連の記事をご覧ください。
もちろん老舗のメーカーは魅力的ですがその分お高いです。
最後に
もちろん、オススメする以外にも優秀で動作確認されているmicroSDカードはたくさんあります。
オススメの理由はあくまでもコストパフォーマンスです。
SDカードは書き換え可能回数に上限があります。書き換えを一定数繰り返すと保存できなくなったり、既に保存されているデータが破損して読めないこともあります。
SDカード類は消耗品です。
もっというと、ハードディスクも消耗品です。
結論として、
丁寧に扱っても壊れやすい物という認識で、何枚か予備があると良いですね。
RaspberryPiで使うmicroSDカードの選び方のお話でした。
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