文部科学省がGIGAスクール構想という名で推進しているICT教育の中で、一人一台の体制を整えようとしています。テストケースの学校では一部でRaspberry Piも導入されていました。しかし、どうやら大半の学校で「Google Chromebook」が配布されるというニュースも目にしました。
あなたの都道府県はどうでしょうか?
私の県下の市では、ほとんどChromebookの採用でした。
Chromebookが学校でどのように活用されるのかは、ここで詳しくは触れません。ただ、Chromebookを自宅に持ち帰っても良いとしても学校からの貸与物ですので、やはり一定の使用制限は学校によってあるでしょう。
もしも自宅にもChromebookがあれば、操作にも慣れますし有意義に使って貰いたいと思うのが親心です。
もちろん、既にChromebookがあれば良いですし、新たに購入しても良いです。Chromebookの人気は低価格から購入できる点だからです。
Raspberry Pi 4でもなんちゃってChromebook
Raspberry Pi 4は高スペックになりましたので、デスクトップパソコンのように使うことも可能になってきました。
実はRaspberry PiにはChromebookに搭載されているChromeOSと同じようなChromiumOSがインストール可能です。
全く同じではありませんが、同じような操作感で慣れることができます。
Raspberry Pi にインストールできるのは、ChromiumOSというオープンソースソフトウェアです。Googleが2009年に初めてChromium OSのソースコードを公開した、ChromeOSのオープンソースソフトウェア版です。(※経緯は複雑で現在はFydeOSの発展系)
ダウンロード先はgithubで公開されています。3B/3B+/4B & Pi400に対応と謳っていますが、動作テストはRaspberry Pi 4B メモリー4GBモデルのみで行っていると記載されています。今回、私は8GBモデルで試しました。
インストール自体は、OSのイメージファイルをmicroSDカードに書き込めば完了します。その後の設定だけですから簡単です。
ChromiumOS for RaspberryPiのダウンロード
イメージファイルをどこからダウンロードするのかは分かりにくいと思います。
ダウンロードは、githubにあるChromiumOSです。
キャプチャ画像のように、Releaseと書かれている箇所に移動すると、リリースされた日毎に並んでいます。
FydeOS/chromium_os-raspberry_pi

ソースコードからダウンロードもできますが、イメージとしてReleaseされていれば、そちらの方が簡単です。

記事執筆時点は、2020年12月30日にリリースされた「r86-r2」が最新でした。イメージはそれが最新で、OS自体は細かくアップデートはしています。
今回は「chromiumos_image_r86r2-rpi4b.img.xz」をダウンロードしました。
microSDカードへ書き込み
microSDカードへの書き込みは、汎用ツールのEtcher、もしくはRaspberry Pi Imagerなどで行います。
今回はRaspberry Pi Imagerで行いました。内容の消去(高速フォーマット)もできるようになったので、これ1つで十分実用的になりました。Raspberry Pi Imager自体は、公式サイトからダウンロード可能です。(→ Raspbianのなどの書き込み総合ソフト「Raspberry Pi Imager」がリリース)

今回のように、一覧メニューにないOSのイメージは、Use customから指定して書き込めます。
既に利用していたmicroSDカードを消去するには、EraseでFAT32にフォーマットできます。

イメージファイルを選んで、microSDカードの場所を選んで、書き込みボタンを押すだけの3ステップです。とても簡単ですね。
キャプチャ画像にあるように、.XZファイルはそのまま対応しています。圧縮を解凍する必要はありません。
起動して設定
無事に書き込めたら、Raspberry Pi 4に差し込んで起動させるだけです。
もしもエラーなどで書き込めない場合、原因はいくつかあると思いますが、別のmicroSDカードを使用した方が話は早いです。それほど高価ではないので、microSDカードは何枚か予備があると助かります。
起動させるとWelcome画面が出ます。

最初の画面で言語を選択できます。日本語を選べば、その後の設定画面も日本語に変わります。
ログインのメールアドレスを尋ねられたら、所持しているGmailアカウントを入れてください。(→ Chromebook を設定する(ヘルプ))
言語、ネットワーク(Wi-Fi、有線接続)を選び、gmailアカウントでログインすれば、アップデート後に設定が完了します。
どうやらChromeboxという扱いみたいです。Chromeboxというのは、ノートパソコン型ではない据え置きのChromeOS搭載マシンです。

Googleアカウントは2段階認証していましたが、問題なくログイン設定ができました。

立ち上がった後の画面が真っ白なウィンドウになっていた以外は、設定に関して全く気になりませんでした。
それから、言語で日本語を選んでもタイムゾーンは変わりません。タスクバー右をクリックした設定から変更します。
思ったよりも快適
いつもOSを試すのに、Youtubeの動画を再生させて、その挙動から判断しています。
再生はスムースです。ただ、全画面への切り替えがもたつきます。落ちることはありませんでした。
基本的にインターネットに接続して利用するOSなので、情報端末としては快適です。特にWebブラウジングはストレスありません。
ChromiumOSは32bitOSです。

追加でLinux(ベータ版)をインストールできます。

これを追加インストールすれば、IDEなどが使えてAndroidアプリ開発にも使えます。
お試しにはちょうど良い
Chromebook、Chromeboxの購入前や、自宅で似たような環境を整えるのも、無償で利用できるChromiumOSがRaspberry Pi 4で動作するなら簡単でした。
microSDカード1枚の抜き差しで試せますから、一度体験してみてください。普段からGoogleのアプリを使っている人は、スンナリと利用できるでしょう。
当然ながら問題もある。
既知の問題として、今回の時点で以下の記載がありました。
既知の問題
- ttyコンソールのサポートなし:シェルにアクセスする必要がある場合は、代わりにCroshシェルを使用してください(ctrl + alt + tを押してください)
- Ctrl + Alt + F1 / F2 / F3を押さないでください。回復不能な状態になります。
- OSスリープはサポートされていません。サポートされていない場合、回復不能な状態になります。 したがって、Keep Awake拡張機能をインストールし、常にサニーモードに設定する必要があります。
- CJK IMEは、Chrome OSに付属しているものではなく、バニラChromiumOSに付属している基本的なブラウザ拡張機能です。 Google入力ツール拡張機能を使用することをお勧めします。
- USBからの起動はまだサポートされていません-このイメージはmicroSDからのみ起動できます。
- Linux(beta)を有効にするには、少なくとも2GBのRAMと16GBのmicroSD容量が必要です。
- 4BGRAMを搭載したRaspberryPi4Bでのみテストされています。
- Linux(beta)(virgl)のハードウェアアクセラレーショングラフィックスはまだサポートされていません。
ChromiumOSとRaspberry Pi 4では、通常はタッチパネル液晶でもないため、Chromebookの本来の使い方はできません。
それでもどんなものかを確かめ、不安無くいじり倒すことができます。エラーでおかしくなっても最後はmicroSDカードだけの問題です。
Chromebookは3万円〜5万円クラスが主力です。AmazonではChromebookストアがあります。私のおすすめはHP社製です。

Raspberry Pi 4をお持ちなら、先ずはChromiumOSで体験してみてください。
ChromebookはあまりPCを使わない人や、ご年配の方にはオススメです。

ダウンロード:https://github.com/FydeOS/chromium_os-raspberry_pi/releases
この記事のコメント(承認後に公開)
コメント一覧 (7件)
>私のおすすめはHP社製です。
Chromebookには以前から関心があります。
HPを推す理由を教えて下さい。
あっ、お久しぶりです。
詳しく載せないですみません。
ここのところ、Chromebookも増えてきたので、事情が異なっていますけど、バランスが良い点です。
価格、メモリ4GB以上、CPUが少し上位、(僅かに)筐体の堅牢性、カラーラインナップ、液晶の大きさ、等です。
もちろん有名なメーカー製ということもあります。
10万円する物もありますけど、5万円前後くらいで考えると、HP製はバランスが良いと思っています。
(Appleファンとしては、10万出すならMacBookAirがいい)
Chromebook 14aは売れたんじゃないでしょうか。
クーポンがよくありまして、4万円以下で買えます。
次点はAcerブランドが気になります。カラーがあまり選べませんね。
個人的にはコンバーチブルは好きになれない・・・。主流みたいですけどね。
別ページでChromebook情報を載せようかな?
Amazon.co.jp限定モデルはCPUが少し下がってしまいますけど、色が特殊なのが嫌で無ければ、3万台半ばで圧倒的にコスパはいいです。
大人な場合は、ほんとうにちょっとしたネットの作業なら、Chromebookで事足ります。
2021年はたくさんのChromebookが発売予定になっていますので少し楽しみですね。
iPhoneのMacBookみたいに、Androidの人はChromebookは良い組み合わせに思います。
ご回答ありがとうございました。
ただ、CPUですが、セレロンでも大丈夫なんでしょうかね。
私も今買うなら、Pentium Silver N5030 4コアくらいの性能は欲しいですね。HP製なら、メモリー8GBのモデルでも4万円中盤です。画面が回転するのは好みではありませんが・・・。
シングルコアなら単純に周波数だけの差でも、マルチコアの処理となると差が出ますね。
遅くても安いか、多少高くてもそれなりか、ではないでしょうか。
Chromebookなら、メインマシンにはできないので、4万円なら安いかなーと思っています。それ以上なら普通のノートパソコンの方が幸せになりそうです。
ラズベリーパイでダウンロードしようとすると
認証が必要とか出るんですけど、
ラズベリーパイでダウンロードはできないんですかね…
Assetにあるイメージファイル「chromiumos_image_r102-r2-rpi4b.img.xz」をWindowsなどでダウンロードしてmicroSDカードに書き込んで試してみてはどうでしょうか。