Raspberry Piのデスクトップ環境は、X Window Systemです。(X11ともXとも表せる) 先日のRaspberry Pi OS bullseyeのバージョンアップで、X11の代替を目的としたWaylandもサポートしました。

WaylandはX11の代替
WaylandはX11の代替と言われても、非エンジニアの私にはこの役割を理解するのは難解です。
間違えを恐れずにいうと、X11やWaylandは、主に描画の部分を(レンダリング)のやり取りを担っていると考えてください。

XサーバーとXクライアントに分けてあるWikipediaの図は分かりやすい。
引用元:X Window System
例えば、マウスを使ってアプリのウィンドウを動かすと、ウィンドウが実際に動きますよね。この描画をマウスからの入力などによってやり取りする部分がX11(XサーバーとXクライアント)です。
Xサーバーが入力情報を受け付け、Xクライアントであるアプリケーション側に伝えます。このようにやり取りする中継になっています。
一方でWaylandも基本は同じです。
先程の図に乗っていないコンポーザーの役割が異なるようです。
引用元:Waylandのアーキテクチャ
再び、間違いを恐れずに要約すると、Xサーバーが情報のやり取りを中継してコンポーザーとやりとりするのに対して、Waylandの方はその情報のやり取りの差分(ウィンドウが動いた位置情報など)を直接にWaylandクライアントとやり取りします。
更に、実際の描画(レンダリング)をWaylandクライアント側(アプリ側)で行えるとあります。
Raspberry Piのような処理能力が非力なマシンには、Waylandレンダリングの方が負荷が低いということなのでしょうか。
仕組みはとても難しいので、ザックリとこのように理解しました。

つまり、描画のやり取りが簡素化できるってことなのかなー。

いずれにしても、OSやアプリ側のプログラミングでも対応していないと駄目ってことだと思う。
Waylandは無効のまま
新しいイメージファイルのRaspberry Pi OSなら、既にWaylandはインストールされています。sudo raspi-config
の設定内から有効にすることができます。
ただ、実験的に採用されているので、まだ全てが対応していません。

無効のままでいい
試しに有効にしてみたところ、公式ブログの通り透過処理ができず、スクリーンショットやデスクトップレコーディングは真っ黒になってしまいます。
先に進む前に、ご注意ください - 私たちは絶対にほとんどの人がまだWaylandの上を走ることをお勧めしません!これは実験的なコードであり、Waylandではまだサポートされていない多くの機能があります。(いくつか例を挙げると、スクリーンショット、画面拡大鏡、リモートデスクトップアプリケーション、画面解像度設定ツールを撮るなどです。これらのいくつかをやがて機能させることを願っていますが、今のところそうではありません。)
https://www.raspberrypi.com/news/raspberry-pi-bullseye-update-april-2022/

確かに現時点では全く恩恵がありません。(というか、不具合以外の違いがあまり分からない)
バージョンアップしたRaspberry Pi OSは、特に何もしなければWaylandは無効のままです。不用意に有効にしない方が無難です。
デスクトップレコーディングに試したpeekは、Waylandを無効にしても元に戻りませんでした。Waylandをremoveやpurgeもしましたが透過処理が戻ってきません。
あっ、あと上部のメニューバーが突然に消えた!再起動で治ったけど。
んー、本当に実験的なんだなと思いました。
この記事のコメント(承認後に公開)