Raspberry Piを使うにあたり、教育用途はすぐに浮かびます。多くは電子工作に用いたり、プログラミングやコンピューターの基礎を学ぶためにRaspberry Pi は低コストで容易に始められるからです。
しかし、一方では、すべてが揃っているWindowsOSがほとんどを占めている現在では、むしろRaspberry Piの方が取っつきにくい印象でしょう。
どこかで記事にしたいと思いますが、残念なことに日本では、若者や学生の世代でコンピューターをまともに使いこなせない世代が増えているとニュースを目にします。確かにタブレット端末が高性能になっていることから、すべてそれで用が足りると思われがちです。
しかし、やはりキーボードという入力装置は昔からあるわけで、それは必要だからです。タッチ操作だけでビジネスにもフル活用するのはまだ先の未来だと個人的には思っています。
今回、ご紹介するのはOSです。
「ラズパイダ」でも2019年はOSに関する記事が圧倒的に読まれました。(ちなみに2018年はWi-Fiの設定方法でした)
デスクトップ環境として、PCと比較するとチープであっても、それなりに実力があるRaspberry Pi 4の大容量メモリーモデル(4GB)が発売されたのは、デュアルディスプレイが可能な点と合わせてデスクトップとして利用する準備ができたと思います。
ただ、公式のRaspbianにしろ、その他のフレーバーもすべてLinuxです。日本人には特に馴染みの薄いLinuxが、一定の世代であってもなかなかメインにならないというのは、それだけで世界から遅れているように感じてなりません。
そもそも、できるプログラマーを例にとると、それなりにできる人は最適解のプログラミング言語にこだわることはあっても、選り好みすることはないように思います。少なくても個人的にはそういう人を見てきました。OSにしても同じだと思います。
Windowsも使え、Linuxも操り、趣味でMacも使い、タブレットやスマホもこだわらない。少なくても触らないことは勿体ないなと思います。
前置きが長くなりましたが「Endless OS」が今週開かれた今年のCES 2020でRaspberry Pi 4 BでEndless OSを実行する方法が公開されました。創設者のマット・ダリオは、パブリックベータ版が今後数週間で利用可能になると述べています。(デモでは4GBモデルを使用)
現在はISOイメージのみで、これまでもRaspberry Piでは動作していなかった模様です。
Endless OSはLinuxベースのオペレーティングシステムであり、GNOME 3から分岐したカスタマイズされたデスクトップ環境を使用して、簡素化および合理化されたユーザーエクスペリエンスを提供します。
https://distrowatch.com/table.php?distribution=endless
世界の掲示板などの口コミを読む限り、いわゆるマニア向けではなく、ライトユーザー向けにきちんと仕上がっているということです。つまり、初心者や従来のOSしか使ったことが無い人にも比較的容易に操れるというわけです。AndroidOSなどに近いという声もあり、操作感としても見た目もライバルはChromeOSのような気がしますね。

公式サイトでも子供用を謳っています。
宿題、Excel、Word、PowerPointの互換アプリ、ゲーム、画像編集、調べ物などで利用することが可能です。当然ながらLinuxですので、たくさんの無償アプリケーションがあります。

日本人としては英語を避け、そして無償のアプリケーションではWindowsと互換性が取れない場合は敬遠してします。「ただより高いものはない」と慣用句でもありますが、Linuxの世界ではそんなことはありません。むしろプロこそ、こういうアプリケーションは使いこなせますし、これらを基礎として学んでいるものです。そして本当のプロの方は、こういうアプリケーション開発に参加しています。
日本では”パッケージ=形式”にこだわるため、表計算はExcel、画像加工はフォトショップとなりがちです。私はGimpは今でも便利に使っています。ScratchはRaspberry Piネタのサイトであるこの「ラズパイダ」をご覧いただけているなら説明する必要もないくらい有用なアプリケーションです。(子供のみならず大人でも)
私のプロフィールにも書いてある通り、一時期5年間くらいLinux(特にUbuntu)をメインに使っていた時期があります。その際、Windowsは仕事のみ、Macは触ったこともありませんでした。時期としてはUbuntuもまだまだだったので、途中からメインはMacに変更しましたが、もしもUbuntu Touch(Ubuntuのスマホ)がコケて居なかったら分かりませんでした。
どうぞビデオをご覧ください。
Endless OS Short (English) from Endless on Vimeo.
なんとなく、UbuntuとAndroidOSとLinux全般のいいとこ取りな印象です。個性が無いということではなく、良いエッセンスだけ集めた感じなので、個人的にはとても魅力として写りました。いかがでしょうか?
このEndlessOSのベースはDebianなので、Raspbianと同じです。ただ、これまではアーキテクチャ(仕様)は「x86_64」用でした。いわゆるWindowsやMacといったものです。現在ダウンロードできるISOもWindows、Mac、Linuxです。
デスクトップ環境は「EOS Shell」というのですが、元はGNOME3から派生したもので、これもLinux系としては一般的です。唯一独自?なのか、ソフトウェアのパッケージ管理システムは「Flatpak」です。この辺りは表現方法によっては気にならないレベルだと思います。
コマンドで操作することではなく、まるでタブレット端末のように使える印象です。

必要なスペックはメモリーが2GB以上、ディスク空きスペースは16GB 以上が必要となっています。(更にフルバージョンは32GB以上とある)この辺はRaspberry Pi 4B用のイメージであれば、2GB、4GBモデルが適当となります。スムーズに動くことを祈りたいです。
もうしばらくすればRaspberry Pi 4B用のイメージが公開されると思うとワクワクします。
現在バージョンは3.6が安定版です。Raspberry Pi 4B用も同じバージョン形式か分かりませんが、ベータ版ではないバージョンから試してみてください。

「Endless OS」には興味があるうえ、使い勝手に依っては広くオススメ出来るかも知れません。今後もウォッチしていきたいと思います。
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ラズパイ4ではubuntumateを使っていますが、ノートPCがWindows10の更新で容量が足りなくなったため、軽いOSを探していたところendlessOSに行き着きました。ノートPCにendlessOS3.9.1をインストールして使用しています。以前はchromeOSを入れていましたが、Libreofficeがあると、仕事がやりやすくなりました。linux系のOSは、初めてでターミナルには苦戦しますが、使うには、まったく問題ないです。日本語の対応も、可能になってきていますし、ライトユーザーには非常に使えるOSだと思います。欲を言えば、プリンターの設定が簡単になり対応機種が増えればもっといいと思います。世界を席巻している2大OSより、断然使いやすいと思います。
おお!endlessOSですか。バージョンもだいぶ上がりましたね。Androidタブレットみたいで見た目も綺麗でした。endlessOSはタッチパネルで使いたいですね。
ええ、Linux系は使い方によりますけど、ライトな使い方では全く不足はありません。
Windows10の代わりであればスペック的に軽いでしょう。
そうですね、Libreofficeだけでなく、互換性は無くても使えるアプリケーションは多いと思いますよ。
私もネットの先人のお陰で、ATOMのネットブック(古い)にantiX Linux入れたら軽くてお気に入りになりました。
確かに使えるアプリケーション多いですね。他国語の勉強しながら使ってみていますよ。
ラズパイ4 8GBにも入れようとしたのですが、やはりendlessOSのHPにあったようにUSB不具合で使えませんでした。あ、3.9.1としてましたが、3.9.3の間違いです。
タッチパネルで使ってみたらほんとおもしろそうです。antixLinux良い情報ありがとうございます。
また、いろいろ試してみます。ありが問うございました。
fenixPiは記事の通りRaspberry Piの設定ローカライゼーションからでも日本語化ができますよ。全ては日本語化にはなりませんでしたけどね。
endlessOSの情報をありがとうございます。まだUSB不具合ですか。
antiXlinuxはCPUがATOMでもキビキビ動くのでビックリしました。是非、試してみてください。Raspberry Piは無理です。古いPCにおすすめです。