技適については、これまでのRaspberry PiもWi-Fiが適合しないと日本で発売になりませんでした。2020年末にリリースされたキーボード一体型のRaspberry Pi 400も春発売のまま技適待ち状態です。

DevTermのWi-Fi
そのことでDevTermのWi-Fiを調べてみました。
DevTermは基本的に3種類で構成され、それぞれメモリーが選べます。
DevTerm Kit A04 series | 1GB 2GB | 249ドル 259ドル |
DevTerm Kit RPI-CM3 series | CM3+ Liteなし 1GB | 219ドル 249ドル |
DevTerm Kit A06 series | 2GB 4GB | 319ドル 339ドル |
肝心のWi-Fiはメインボード(ClockworkPi v3.14)に取り付けられています。

例として、Raspberry Pi CM3+ LiteはWi-Fiが付いていません。

ちなみにLiteというのは、eMMCの記憶媒体が基盤に無いタイプで、3,000円弱です。(Raspberry Piモデルの中では、あまり一般的ではありません)
オリジナルのClockworkPi v3.14のコアモジュールはスペックも異なり、CPUの種類も異なりますが、Wi-Fiはモジュールボードに付いている点も同じです。
フォーラムに記述があり、Wi-Fiモジュールの型番は、K019-CW43-DWとありました。Tomtomという中国のメーカーです。Xiaoとありましたからあのスマホで有名なメーカー関連なんでしょうか。(詳しくは調べていません)
Wi-FiはCypress CYW43455を使用しているともありました。こちらがチップってことなんでしょう。
一応、FCCは取得しています。(当たり前か)
FCC ID: S4LFF50(PDF直リンク)
また、OEM専用のチップとありました。組み込むメーカー用というわけです。

FCCは連邦通信委員会の略で、アメリカで販売できる認証です。日本の技適と同じ意味です。
世界で販売するには、これが無いと最大市場のアメリカで売れないから意味がありませんからね。
当然、日本の技適は通っていないか、上記の型番とDevTermでは総務省のHPで出てきませんでした。もしかしたら名称が異なるだけで、OEMなので同じチップは通っているかも知れません。(それでもデバイスメーカーは取得しないとならない)
ただ、他で通っているチップであれば、まだスンナリなのかなと想像してます。これまでのラズパイを見ていても、そうでもないのかな。

ただ、DevTermは日本の技適を優先的に取得するとは思えません。期待するのは、商品画像の液晶画面に日本語が表示されていることから、順番に取得するかも知れませんね。
メーカーページにはコンプライアンスについて大きく記載はありません。フォーラムではきちんと回答している節が見られます。
CM4に未対応
実はDevTermはCM3 LiteとCM3+ Liteに対応していても、新しいCM4には対応していません。そもそも形状も異なるので当然です。対応する予定もないとフォーラムに再三記載があります。(フォーラム)
コアもRaspberry Pi CM3+ LiteはCPUが「ARM64-bit Quad-Core Cortex-A53 1.2GHz」、GPUが「VideoCore 4」です。性能は通常のRaspberry Pi 3Bと3B+の間といったところです。

一方でオリジナルのコアモジュールは、同じ4コアが「ARM64-bit Quad-core Cortex-A53 1.8GHz」、GPUは「Mali-T720」となり、更に上のモデルで6コアもあり、GPUが「Mali-T864」となります。
性能差は価格にも反映されますから、一概に比較はできないものの、DevTermをオリジナルのコアモジュールではなくRaspberry Piにするは、Raspberry Pi OSを使いたいからという理由になります。メモリーもCM3+Liteモデルは1GBしかありません。
但し、そのRaspberry Pi OSがそのまま互換性がない、とフォーラムにありました。バージョンアップも考慮すると、少し手が出しにくい仕様です。
DevTermのCM3+Liteモデルを購入した場合は、microSDカードにRaspberry Pi OSを入れて付属してくれるため、導入自体は買って直ぐに使えるようになっています。
個人的にはオリジナルの方が無難かな、と思いました。
DevTermの用途に依る
この魅力的なDevTermは、主にテキスト入力、プログラム開発、ゲーム用途もできるとあります。
テキスト中心なら「DevTerm Kit A04 series」で十分なスペックです。
プログラム開発の場合はコンパイルさせるとなると、一番良いモデルにしないと遅いでしょう。
テキスト入力といってもメモリーは多いに越したことはないので、2GBは欲しい。となると、必然的にRaspberry Pi CM3+ Liteモデルは1GBしかないので除外されます。
加えて、どうやらGPUが異なる点は、古い(2018)のRaspberry Pi CM3+よりも、GPUに「Mali-T864」を載せたオリジナルコアモジュールの方がパワフルとあります。
6コア、4GBメモリーもだいぶ性能差があると言えますね。
プログラミング開発やゲームのようなエンタメ目的でないなら、259ドルの「DevTerm Kit A04 series 2GBメモリー」が欲しいな、と考えています。
気になっている皆さんは、どうでしょう?
技適について思う
DevTermやRaspberry Piに限らず、電波を発するWi-Fiは技適に適合しないと違法になります。
しかし、日本の面白いところに、中国製のスマホなどはガンガン輸入されている状態です。
違法電波を取り締まるのは当然のとはいえ、技適が通っていないスマホのWi-Fiでも、技適が通っているWi-Fiと同じ電波なら見分けが付かないのが現状でしょう。もちろん、違法電波が強力で日本の通信を妨害するのは取り締まってもらいたい。
総務省の落としどころ
技適が通っている製品と同じチップを使っていたら、安全な電波と区別付かないのに、だからといってそれを許すわけにはいきませんから、総務省としては「違法です」としか言えませんね。
私も以前に記事を書く際に総務省に問い合わせしました。
そりゃあ、技適が取得されていなくてもOKですとは言えませんから、なんとも歯切れの悪い受け答えだったのを思い出します。
私も聞いたのですけど、実際にスマホなどで逮捕者は居ないし、そもそも逮捕できるのは総務省の管轄外です。お答えできないという回答でした。警察の管轄なのでむやみに答えられません。
この辺は、技適取得というルールを正しい方法できちんと取得するのが大前提とはいえ、スルーしている部分もあるのが実態だと推測されます。(物理的にできない)
法に従うのは当たり前なので、そこに異論はありません。
ただ、日本の市場まで考えていない海外勢は、FCCだけは取得しますよ、アメリカさんで売れますからね。
すると手に入らないデバイスも多い日本は、より一層新しいデバイスに巡り会えないのは、なんとも時代遅れの感は否めませんね。
とはいえ、個人でも申請すれば180日は利用できるようになったので、それを利用してね、という決着です。DevTermなどもそれを活用するか、メーカーが技適を申請して認可されるのを待つかしかないのが歯痒いな。
コンプライアンス
Raspberry Pi 公式サイトには、コンプライアンス、つまり技適などの認可状況をまとめたページがあります。
あまり面白くないページなので、知らない人も多いかと思います。
ここに各モデル毎に認可情報があり、日本(Japan)があれば技適が通過していることになり、国名をクリックすると取得した書類をPDFで閲覧できます。

ただ、ここの更新がリアルタイムではないので、これまでも技適取得後に少しして更新されるようなことが多かったです。
気になる人は、ここをブックマークしてチェックしてみてくだい。
以上、Raspberry Pi 400は春発売予定、DevTermも2021年4月に発売予定の技適に纏わる海外デバイスの話題でした。
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