Raspberry Pi は基本としてSDカードスロットにOSをインストールして使います。このmicroSDカードというのは、規格がいくつもあり、相性問題もあって販売している物がどれでもOKな訳ではありません。
これまでもRaspberry Pi で使うmicroSDカードの情報をお伝えしてきました。現在も聞かれることが多いので、改めて細かい点も含め少しまとめてみました。
64GB以上はフォーマットできないの?
今でもよく聞かれるのは、大容量のmicroSDカードが多くなり、お得感から64GBを購入したのだけど、Raspberry Pi 3B+で・・・というお話です。
うまく対応していないのは理由があります。
本体基板はFAT形式のみ
Raspberry Pi の起動に必要なブートローダーはFATというファイルシステムからしか読み取りができません。これはハードウェアのGPUに組み込まれていて更新不可能なため、基板自体が変更にならないと対応しません。
FAT形式はFAT16とFAT32があります。古い規格のFAT16はメリットがないため、FAT32のファイルシステムでフォーマットすることになります。
FAT32形式は32GBまで
このFAT32で利用出来るSDカードの仕様はファイル容量は32GBまでとなり、SDHCと呼ばれるカードになります。
この32GB以上で利用するには、exFATというファイルシステムになり、SDXCと呼ばれているカードになります。
さらに、SDカードをフォーマットする公式のソフトは、64GB以上のSDカードをSD規格の仕様通りに選択無くexFAT形式でフォーマットしてしまいます。
初めにお伝えした通り、Raspberry Pi はexFATファイルシステムからは起動できません。FAT32だけです。
microSDカード32GB | microSDカード64GB | |
規格名 | SDHC | SDXC |
ファイルシステム | FAT32 | exFAT |
SDメモリカードフォーマッター | FAT32でのみOK | exFATでのみOK |
その他のフォーマットツール Windows (例:DiskFormatter2など) Mac (例:diskutilコマンド) | ー | FAT32もOK |
(※FAT16は古い規格なので考慮していません)
こういったことからRaspberry Pi では必然的にSDHC規格で32GBのmicroSDカードのみ対応していることになります。
ただ、SDカードの仕様からは外れてしまうものの、表にあるように一部のメーカー製フォーマットツールや、有償のソフトウェア、海外のソフトウェアなどでは64GB以上であってもFAT32形式にフォーマットが可能です。どれもWindows環境です。
Buffalo製やIOデータ製は同社のメモリーカードでないとダメだと思います。
海外の体験版・試用版ならEaseUS Partition Master Freeなどがあります。(日本語ページです)
ただし、256GBを超えるSDカードから起動できるのは、Raspberry Pi 3A +、3B +、およびCompute Module 3+のみです。これは、Piの以前のモデルで使用されていたSoCにバグがあったためです。
https://www.raspberrypi.org/documentation/installation/sdxc_formatting.md
Macのコマンドdiskutilでフォーマット
Windowsの人は分かりやすいGUIベースでいくつかダウンロードできます。
Macだとなかなか見つからないのと、コマンドでも対応可能なのでご紹介します。
Macのコマンドで64GB以上のmicroSDカードをフォーマットする
Macの場合は以下の書式でフォーマット可能です。
sudo diskutil eraseDisk FAT32 ラベル名 /dev/disk場所
Diskの場所を調べるには
diskutil list
仮に/dev/disk2がmicroSDカードで、rpi3というラベル名でフォーマットしたい場合
sudo diskutil eraseDisk FAT32 rpi3 /dev/disk2
まとめ
このようにSDカードの仕様と、公式のSDカードフォーマッターの仕様から、Raspberry Pi では容量32GBのmicroSDカードが推奨されます。
もちろん64GBの容量でタイムラプスの映像といった動画を撮りたい!ということもあるでしょう。サードパーティ製のツールを使えば可能です。
その場合も256GBを超える場合はRaspberry Pi 3A +、3B +、およびCompute Module 3+のみで、それ以外のZero系や旧モデルは256GBまで起動可能となります。
結論として、Raspberry Pi のmicroSDカードは・・・64GB以上でも利用可能です。
- 仕様として容量32GBまでのmicroSDカードをFAT32形式で利用が推奨
- 通常とは別の方法でFAT32形式にフォーマットした場合は256GBを超えても利用可能
あとは相性問題もありますから、どれでも可能とはなかなかいきません。
いくつか検証した中で、安定している相性が良いmicroSDカードも記事にしています。どれがいいかな?とお悩みの人は一読ください。

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