スペック表から新型ラズパイ4とこれまでと同じB系のラズパイ3B+を比較してみます。
明らかに全てにおいてハイスペック化したラズパイ4は、これまでのラズパイのどの種類とも異なります。用途によって分けて考えるというよりも、今後は基本がラズパイ4のメモリ1GBとして、デスクトップ用途、メディア系のシステム、サーバーといった実用度に応じて選ぶことになりそうです。
スペック比較
RaspberryPi 4 Model B | RaspberryPi 3 Model B | |
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発売日 | 2019年6月24日 | 2018年3月14日 |
SoC&CPU | Broadcom BCM2711 Quad core Cortex-A72 (ARM v8) 64-bit SoC @ 1.5GHz(4コア) | Broadcom BCM2837B0 ARM Cortex-A53 (ARM v7) 64-bit SoC @ 1.4GHz(4コア) |
メモリー | 1GB、2GB、4GB LPDDR4 SDRAM | 1GB LPDDR2 SDRAM |
GPU | Broadcom VideoCore VI 500MHz OpenGL ES 3.0 | Broadcom VideoCore IV 400MHz OpenGL ES 2.0 |
HDMIビデオ | micro-HDMI × 2 | フルサイズHDMI × 1 |
ビデオ出力 | 4K 60Hz × 1ポート 4K 30Hz × 2ポート (4K画質なら60Hz、2ポート利用は30Hz) ※4Kとは約4,000×です。 コンポジット RCA (PAL / NTSC) | 2560 × 1600(2K)60Hz×1 コンポジット RCA (PAL / NTSC) |
無線LAN(Wi-Fi) | 2.4 GHz/5.0 GHz IEEE 802.11ac wireless | 2.4 GHz/5.0 GHz IEEE 802.11ac wireless |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 BLE | Bluetooth 4.2 BLE |
有線LAN | ギガビットイーサネット(実測943Mbps) | 約300Mbps上限のギガビットイーサネット |
USBポート | (USB3.0)1ユニット×2 (USB2.0)1ユニット×2 | (USB2.0)2ユニット×2=計4ポート |
カメラI/F | 15ピンMIPIカメラインターフェース (MIPI CSI-2 | 15ピンMIPIカメラインターフェース (MIPI CSI-2 |
音声出力 | 3.5 mm ステレオジャック micro-HDMI×2 I2S | 3.5 mm ステレオジャック full-size-HDMI×1 I2S |
電源ポート | 5V DC USB-C コネクタ (最小3A)(15W) | 5V DC micro-USB コネクタ (2.5A)(12.5W) |
拡張電源 | Power over Ethernet (PoE) 対応 | Power over Ethernet (PoE) 対応 |
〃 | 拡張40ピン GPIO ヘッダー(最小3A) | 拡張40ピン GPIO ヘッダー(2.5A) |
ストレージ | microSDカード | microSDカード |
消費電力 | ベンチマークより アイドル時 680mA(3.4W) 最大 1.52A(7.6W) 公称値 アイドル時 600mA 最大時 1.25A(6.25W) | 公称値 アイドル時 459mA (2.295 W) 最大時 1.13A (5.661W) |
販売価格 | 1GBメモリモデル 35ドル 2GBメモリモデル 45ドル 4GBメモリモデル 55ドル | 35ドル |
※主な違いは太字
ベンチマーク
Raspberry Pi公式のTheMagPiマガジンのサイトでは、ベンチマークテストの結果が掲載されています。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
ここでは気になったCPUと消費電力をみてみます。

Linpackというベンチマークの結果です。高速単精度(SP)、低速倍精度(DP)、NEON命令を使用して加速された単精度変異(NEON)の3種類で計測されています。
- 黄色バー SP
- 白色バー DP
- 緑色バー NEON
どういったベンチマークはさておき、数値だけ比べてみてください。これまでの3B+などと比較して明らかに速度差が出ています。
CPUの周波数は1.4GHzから1.5GHzへ変更になっただけにも関わらず、かなりの速度差が出ています。これはCPUの設計(アーキテクチャ)が異なる影響です。
これまでの40nmプロセスノードから28nmプロセスノードへ変更になったためです。
nmはナノメートルの略で、0.000001 mmです。細かいことが分かります。
Raspberry Pi 4Bは、これが40→28nmで作られたCPUのため、従来よりも細かく集積密度がより高いため高速に動作するという訳です。最近では代表としてスマホのCPUがこの28nmプロセスノードで作られています。
Raspberry Pi 3B+と比較した3つの計測方法の数字を見ても、Raspberry Pi 4Bはどれも単純計算で約4倍も高速になっている計測値です。
消費電力
これだけラズパイ4の性能が上がれば、通常はその割合に応じて消費電力が多くなります。CPUのベンチマークを実行した最大消費電力と、いわゆる何もしないアイドル時の消費電力の比較表です。

アイドル時 | 最大 | |
Raspberry Pi 3B+ | 2.9W = 589mA | 6.4W = 1.28A |
Raspberry Pi 4B | 3.4W = 680mA | 7.6W = 1.52A |
※Raspberry Pi 3B+の公称数値よりも、このベンチマークテストの方が僅かに消費電力が高くなっています。

消費電力のWをアンペアに直すには、A(アンペア)=W(ワット)÷V(ボルト)です。
消費電力の計算は以下の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。
Raspberry Pi 4Bを最大消費時の7.6Whで1年間利用を計算
最小消費時 0.027円 × 24時間 × 365日 × 3.4Wh = 約804円/年
最大消費時 0.027円 × 24時間 × 365日 × 7.6Wh = 約1,798円/最大で稼働させることはありませんから、804円〜1,798円以下の範囲になり、真ん中を採ってみても1,300円程度と思われます。
Raspberry Pi 3B+でも約1,100円程度の計算が成り立つため、ラズパイ4の性能が非常に高くなっている割に消費電力はそれ程上がっていないことが窺えます。スゴイ!(What are the power requirements?)
まとめ
かなりのハイパフォーマンスになったラズパイ4は、新たな機能が1つではなく数多く変更されたにも関わらず、消費電力や本体サイズ、価格などがほぼ変わりません。
利点はそのままに、性能だけがアップしているから注目されています。
今までと同じことをさせたら、これまで不便に思えていたことも解消され、更に快適に利用できるシングルボードコンピューターに進化しました。
今後は日本でも注目されることでしょう。ラズパイ4とラズパイ3B+のスペック比較でした。
もう少しRaspberry Pi 4について知りたい方はこちらもどうぞ
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