よく使うコマンドというのは、本当に何度も使うものです。ここではコマンドリファレンスではなく、これからRaspberry Piを始める人向けによく使うコマンドをいくつかまとめてみました。
RaspbianはLinuxのディストリビューションの一つであるDebianを改良したOSです。従ってコマンドはDebian由来となります。つまりLinuxのコマンドです。
コマンドと言っても全て覚えるのは大変です。特に非エンジニアなら尚更です。しかし、必要なコマンドだけ覚えていれば、それほど困ることもないでしょう。
基本的なコマンド
特にどれが重要という優先順位は気にせず、コマンド単位や使いたいコマンド、便利なコマンドを覚えて使えば、自然と身についていきます。
1つずつ実践していきましょう。
apt-get —— アプリケーションをインストールするのに必要
公式Raspbianやリポジトリ(パッケージアップデート先リスト)の更新に使用する機会が多いでしょう。おまじないとも言われていますね。
sudo apt-get update
アプリケーション(パッケージ)のインストールはinstall
sudo apt-get install アプリケーション名
既にインストールされているアプリケーション(パッケージ)のアップグレード
sudo apt-get upgrade
ちなみにsudoは管理者権限で実行する時に用います。
cdとls —— ディレクトリ移動と中身の表示
よく使うであろうWi-Fiの設定ファイル「wpa_supplicant.conf」の場所へ移動する場合
cd /etc/wpa_supplicant
そのディレクトリ(フォルダ)にあるファイルを表示する場合
ls
権限など詳細を表示する場合
ls -l
コマンドの解説はこちら
ファイルやディレクトリ(フォルダ)の移動、コピー、削除
初心者が困ることにターミナルでファイルを操作したい時です。
cpコマンド
cpはコピーです。copyと連想できますね。
readme.txtをbk_readme.txtと名前を変更してコピーする場合
cp readme.txt bk_readme.txt
ディレクトリのコピーは中身も全てコピーしたいので、オプションを付けます。
testディレクトリの中身ごとbk_testディレクトリとしてコピーする場合
cp -r test bk_test
操作する際、フルパスで指定しない限り、操作したい対象ディレクトリへcdコマンドで移動してからおこなってください。
mvコマンドは2つの役割がある
これも分かり易いmoveから連想できる移動コマンドです。但し、2つの役割があります。
- ファイル・ディレクトリの移動
- ファイル・ディレクトリの名前変更
移動は分かっても名前変更はピント来ませんね・・・。これは覚えるしかありません。
/Downloadディレクトリへファイルを移動するの場合
mv readme.txt /Download
ディレクトリ(フォルダ)の中身も移動する場合
mv -r test test2
名前変更
次に名前変更をcpコマンドと同じ例の場合
mv readme.txt bk_readme.txt
コピーでも移動でもなく、readme.txtの名前だけ変更したことになります。
これはディレクトリでも同じです。
mv test test2
rmでファイルやディレクトリの削除
削除って困る人は多いと思います。デスクトップGUIならゴミ箱へですし、キーボードでもDELETEボタンでポンですからね。コマンドだと面倒に感じるでしょう。
readme.txtを削除する場合
rm readme.txt
これは簡単です。
次にディレクトリ(フォルダ)の場合はオプションが必要です。testディレクトリ(フォルダ)
rm -r test
-rを付けないと中身が入っているディレクトリ(フォルダ)だからムリ!って怒られます。
ディレクトリ(フォルダ)の新規作成
ちにみにディレクトリ(フォルダ)を新たに作成する場合はmkdirコマンドです。
mkdir newfolder
覚えておきたい役割
ファイル | ディレクトリ(フォルダ) | |
cp | コピーする | 空の場合 |
cp -r | 中身もコピーする | |
mv | 移動する・名前変更 | 空の場合移動・名前変更 |
mv -r | 中身も移動する | |
rm | 削除する | 空の場合 |
rm -r | 中身があっても削除できる |
-r のオプション付きで意味が変わることと、mvコマンドは名前変更でも用いることが特殊です。
もちろんこれ以外にもオプションがあります。ただ、これだけ知っていれば大抵は問題ないと思います。
cat —— テキストの中身を読むだけ
Raspbianにはテキスト編集に「nano」が入っています。初心者はnanoで充分ですが、読むだけなら間違う恐れがないcatコマンドも活用しましょう。catは編集できません。
cat /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
詳しくはこちら
ssh —— 他のマシンからラズパイを遠隔操作
sshでRaspberry Pi と接続すれば、モニターやキーボード&マウスは必要ありません。有線か無線のネットワークで家庭内LANに入っていれば可能です。
ssh pi@192.168.xx.xx
詳しくはこちら
IPアドレスを探す
モニターレスのRaspberry Pi のIPアドレスを忘れてしまった場合など、わざわざモニターに繋げなくても調べる方法があります。
arp -a
詳しくはこちら
場面別のよく使うコマンド
基本操作系のコマンドだけではやりたいことができません。ラズパイ(Raspberry Pi)を使う場面毎によく使うコマンドをご紹介します。
外付けハードディスクを接続する場合——mount、umount
Linuxでは外部メディアはマウントしないと使えません。マウントさせるディレクトリ(フォルダ)を作成し、それにマウントさせます。(例:3tbhdd)
sudo mkdir /media/3tbhdd
mount デバイス場所 マウントさせる場所
sudo mount /dev/sda1 /media/3tbhdd
どこに外付けハードディスクが繋がっているのか調べるコマンド
df

今回の環境では/dev/sda1に繋がっているとなっていました。
もしくはlsで検索してみます。
ls /dev/sd*
マウントしたいデバイスをラズパイに繋げる前と後で結果が変わります。繋げた後に増えている場所sd*がそのデバイスと分かります。
/dev/sda /dev/sda1 /dev/sda2 /dev/sda3
同じsdaやsdbでも、番号が付いたsda1やsdb1などが、繋げた後のコマンド実行で増えているでしょう。
外付けハードディスクのUUIDを調べる
sudo blkid -o list
マウントに関する記事
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sshでログインできない場合
何回か同じPCやMacでSSH接続していると、何回もOS同じローカルにSSHで接続するため認証が違うと怒られログインできません。
@@@@@@@@@@@@
@ WARNING: POSSIBLE DNS SPOOFING DETECTED! @
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
この場合、MacOSXなら認証したファイルは、/Users/’ユーザー名’/.ssh/known_hostsにあり、それを編集すれば良いのですが、探すのも面倒なうえ、間違えそうなのでコマンドから削除して対処しています。
ssh-keygen -R IPアドレスまたはホスト名
ssh-keygen -R 192.168.xx.xx (またはraspberrypi.localなどのホスト名)
認証のファイル情報が削除されればいつものようにSSHで接続できます。
手元にコマンドリファレンスがあると便利です。
Raspberry Pi 専用ではありませんが、私が手元に置いてあるリファレンスブックはこれです。とても参考になります。
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