この「Cloud Pi 2」は2とあるように、前身の製品は14年末に「IotスタートアップツールCloud Pi」という名称でリリースされていました。今回は「P2PプラットフォームCloud Pi 2」となっていて、サーバーモジュールソフトはJetson Nanoも用意されています。
気になって検索してみると、前回は1年間の権利として販売されていましたけど、今度の「Cloud Pi 2」は記載がありません。どうやら使用期限はない権利の買い切りと捉えて良いようです。
価格はオープンプライスでおよそ4,500円前後での販売です。
初心者におすすめ

ルーターのポート開放できない初心者におすすめ!
自分でルーターのポート開放さえすれば、セキュリティシステムは別に施さないとなりませんが同じことが可能です。しかし、このポート転送やセキュリティの構築は少し厄介でして、使用するルーターが主に家庭用ということもあり、初心者にはなかなか難しい。下手に設定して外から丸見えでアクセスされるのも昔と違い危険な確率が上がっています。
そういう意味から、こういったサービスというのはルーターはいじらなくても良い点がおすすめなんです。
コスパはどうなのか価値観は異なりますけど、ルーターの設定に自信がない人は試してみる価値はあると思います。
仕組みは簡単
ネットワークってちょっと難しい側面はありますが、意外と簡単な仕組みなんです。
『Cloud Pi 2』は、ローカルエリアネットワーク内に設置したシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」「Jetson Nano(NVIDIA)」に外出先からスマートフォンやPCでリモートアクセスし、様々な操作を可能にする P2Pプラットフォームです。
引用:https://www.planex.co.jp/products/cloudpi2/
製品ページにある説明がとても分かりやすい図でした。

ここではwebカメラとなっています。
ラズパイをサーバーと見立て、クライアント端末とどちらにも専用のソフトウェアをインストールし利用します。端末側はプラネックスのサーバーに要求することで、個別のIDでセットされたラズパイにその要求を送ります。
ラズパイと操作する端末との仲を取り持つのがプラネックスのサーバーです。
スマホ「こういうことしたいよー」
プラネックス「はいはーい。ラズパイさん、こうしてって」
ラズパイ「了解!」
プラネックス「では、あとはお若いお二人にお任せして・・・ホホホー」
仲人かっ?!

ただ、現在は今冬から世界的にパンデミックが予想されます。そうなると自宅で過ごすことが多いとなりそうなので、あまり外出先から遠隔操作というのは需要がないのかな?
利用イメージとしては、データの確認ができる点を考えて、遠隔地にあるラズパイの状態(データ)を自宅や職場で受信する形でしょうか。
自分が外で受け取るというよりも、ラズパイが外でデータを発信するというイメージの方がしっくり来ます。
全く電気設備や通信設備がない場所ではスマホのような器機が必要になってしまいます。もしも建物の中などにラズパイを設置するのであれば、自分は自宅から操作する使い道を思いつくでしょう。
デメリット
iOS、macOSにはクライアントソフトウェアがない。
難点はこれ、1点だけでしょうか。
大半のユーザーがWindows10&Android端末と考えればあまり問題はないでしょう。私はmacOS&iPhoneなので前回は試しませんでした。今回はWindows10環境はありますけど、外出先というならスマホの方が良いですからAndroidスマホが欲しいですね。
Appleのセキュリティに関することと、アプリ開発の費用を考えると、確かにAndroidになるよね?って思います。ある意味で自由ですからね。特にこのP2Pに関してはと思います。
気になる人は気になる
これはデメリットではありませんけど、サーバーがいつまで稼働するか分からないので、恒久的には考えない方が良いでしょう。
しかし、これはプラネックスだけではなく、どのサービスにも言えることです。
もちろんサーバーの仕様も変更になることは考えられます。
あまり気にせず、外出先から気軽にデータを取れる恩恵を考えた方がいいですね。
サポートはない
提供するサービスとして仕方ないと思いますけど、サポートは全くありません。
Cloud Pi 2は、メイカーズ向けの開発キットとなり、一般向け製品とは異なります。Cloud Pi 2は、弊社のサポート窓口での対応はいたしておりません。サポート窓口へお問い合わせ頂いても回答致しかねます。ご了承ください。
まぁ、内容としてサーバーは意識しなくてもIDとパスワードさえきちんと通れば使えますから、サポートがなくても心配要らないでしょう。
インストール方法もテキストで用意されていました。いつもラズパイを扱っている人であれば、全くもって簡単です。
主にidとパスなどをconfファイルに指定し、サービスとして有効にするだけです。
データの確認にはちょうどいい
使い方は製品ページにある説明で例が紹介されていました。

- 親の熱中症対策として、離れた実家の温度を確認してエアコンをオン
- 自宅のHDDに保存されたドキュメントファイルを確認する
- スマホに入りきらない写真、動画、音楽を、外出先から自宅のHDDにアクセスして閲覧・再生
要は既存のCloudサービスでできることをラズパイで構築して、擬似的に自宅をCloudにしてしまおうというものです。
実際には、データ送出は自宅の回線の上り回線を使うため、あまり大きなデータのやりとりはプロバイダに制限されてしまいますね。動画ファイルは頻繁には難しいでしょうか。(スマホ側ではダウンロードでも、自宅側では送っているのでアップロードになりますから)
ドキュメントファイルや取得データの閲覧などは全く問題ありませんから、状態を知りたい時に便利です。
遠隔操作もできるわけですので、自分が外出先とは限らず、単に離れた場所にあるラズパイを操作できるのは使い道は広がると思います。
総合的にルーターのポート開放が分からない人におすすめです。
個人的には自宅ラズパイサーバーにアクセスできるのはセキュリティ的にも使い勝手が良さそうに思えます。互いにインストールしたソフトウェアを使い、UUIDと認証パスでアクセスできるからです。
各種クラウドサービスの容量アップは月額のサブスクなので、データ置き場としてもある程度長く使うならお得でしょう。ただのデータ閲覧だけではなく、直接に操作できる点で異なります。
インターフェース画面は簡単にHTMLで作って、玄関の鍵ロック開錠&施錠システムをラズパイだけで作るのにも役立ちそうです。(そういう形も販売していますけどね)Suicaを使ったり、アレクサ使ったり色んなプロジェクトがあります。
この仕組みも家の中のラズパイにアクセスできれば、より一層柔軟にできそうな気がします?!
——やってないけど。
Cloud Pi 2のニュースで思ったことでした。
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