ChromebookはGoogleが開発した「ChromeOS」を搭載したノートパソコンです。デスクトップパソコンのような小さな筐体の場合はChromeboxと言います。
また、ChromeOSはOSS版「ChromiumOS」があります。ChromiumOSはRaspberry Pi 4でも動作します。
ChromiumOSは「GIGAスクール構想に合わせ、ラズベリーパイ4にChromiumOSを入れて自宅で学習」も参考にしてください。
Chromebookは各社から多くの種類が発売されています。スペックも見た目も異なる製品が多く、どれを選んだら良いのか分かりづらいですね。
価格も2万円〜10万円と幅が広く、単純なマシン性能だけではないところが悩ましい。
Chromebookを購入検討の参考になるように少しまとめてみました。
ここでは、スペックとしてもミドルスペックで、販売価格が4万円前後の機種を比べています。
※記事執筆時点での価格を基にご紹介しています。
主なメーカー
Chromebookはいくつかのメーカーから発売されています。Googleの公式ストアでも購入できる4社が主なメーカーです。
メーカー名 | 本社 |
---|---|
Lenovo(レノボ) | 香港 |
HP(ヒューレットパッカード) | アメリカ |
ASUS(ASUSTeK)(エイスース) | 台湾 |
acer(エイサー) | 台湾 |
各メーカーについて
- Lenovo(レノボ)は元IBMのPC部門が買収してできたメーカーで、香港とはいえ、ほぼ中国資本なのが気がかりです。(筆頭株主は中国政府)当然ながら中国国内では販売数は断トツです。
- HPはアメリカで、紆余曲折ありましたが長らく販売数1位や2位であった老舗ブランドです。現在はDell社と双璧と言えます。
- ASUS(エイスース)は台湾です。日本でもPCパーツメーカーとして有名です。最近ではタブレットやミニPCなども多く見掛けます。
- acer(エイサー)も台湾です。私も好きだったGatewayが買収されています。日本では子会社のAopen社がPCパーツで有名です。
どのメーカーも日本法人があります。その点では同じなのですが、私がLenovoは詳しくないので、この記事では省きます。すみません。
4万円台のモデル
安価というイメージのあるChromebookの中で、各性能のバランスが良い価格帯です。
すべて2020年モデルです。
性能 | HP | ASUS | acer |
---|---|---|---|
製品名 | HP Chromebook 14a | C425TA | CB314-1H-A14P |
キーボード | 日本語キーボード | 英語キーボード | 日本語キーボード |
CPU | Pentium Silver N5030 (4コア)1.1〜3.10GHz | Core m3-8100Y (2コア)1.1GHz~3.40GHz | Celeron N4020 (2コア)1.1GHz〜2.8GHz |
メモリー | 4GB | 4GB | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC | 64GB eMMC | 64GB eMMC |
Intel UHD Graphics 605 | Intel UHD Graphics 615 | Intel UHD Graphics 600 | |
画面サイズ | 14インチワイド | 14インチワイド | 14インチワイド |
重量 | 約1.4kg | 約1.4kg | 約1.4kg |
実勢価格 | キャンペーンならば 4万円を切る | 4万円台前半 | 3万円台前半 |
メリット | 価格と性能のバランスが良い | 性能が良く質感が良い | とにかく価格が安い |
この4万円台で比較すると、CPU以外はほぼ同じ構成になっています。
ASUSだけ2020年モデルは英語キーボードになりますが、英語キーボードが良いという人もいるためマイナスの要素にはなりません。
唯一、acerだけCeleronのためか実勢価格は3万円台前半でした。
また、HPの製品は公式オンラインサイトで購入することが基本のダイレクト販売です。※Amazonでも公式の取り扱いもあります。
一長一短
この比較だけの話として、スペックでは優劣が付けられても、実際に購入する価格が問題です。性能で言えば、やはりCPUの差が物を言います。
その点、HPはPentium Silverが4コアなのは利点です。ただ、2コアとはいえCore m3も捨てがたい。acerのCeleronは不満でも価格は確かに安い。
この3機種は、CPU以外の他スペックは大きな違いはありません。CPUの次に重要なグラフィック性能もIntel UHD Graphics 600シリーズと同等で、ビデオメモリもメインメモリーと共用と同じです。メモリーもすべて4GB、ストレージとしてeMMCドライブも同じ64GBです。
外観だけで言えば、デザインはASUS C425TAが一番良く感じます。ベゼルが狭いこともスタイルの良さに繋がっています。筐体の細かな点もC425TAに分があるでしょうか。
キャンペーンやセールといった割引が入ると、単純に価格順は変わります。安さはacerに分があり、セールではHPが最もお得でしょう。
購入の決め手に何を基準にするか、僅かな違いと言えども三者三様です。
3機種の特徴まとめ
今回比較した、似たスペックと近い価格帯の3メーカー、3機種の特徴をまとめました。
比較表から、スペック、デザイン性、価格、の3つの優劣を三つ星で表現してみました。(※ラズパイダの判断です)
HP

価格はキャンペーンで購入すると前提にすれば、ほぼ4万円です。
デザインの良さは負けていませんが、僅かにベゼルが気になるか?
CPUを筆頭に価格とのバランスでいえば、コレ一択です。
- スペック:3
- デザイン:2
- 価格:2
- 総合:7
ASUS

価格は僅かにHPよりは高くなります。それでも4万円台前半で購入することも可能です。
CPUは2コアながら、Core m3はCore i3の下、HPのPentium Silver N5030より上です。但しCPUのコア数は2コアです。(HPは4コア)マルチコア処理では負けても、グラフィックがIntel UHD Graphics 615となっていて、およそ同じ性能と言えます。
それでいて、質感とデザイン性はこの3機種の中では一番でしょう。
日本語キーボードが用意されていないのをメリットと取るかデメリットと取るかにより優先度が変わります。
- スペック:3
- デザイン:3
- 価格:1.5
- 総合:7.5
acer

今回の3機種の中では最も割安な3万円前半です。
スペックやデザイン性では他より一段見劣りします。価格差が1万円くらいあるため、とにかく2台目、3台目としての使い方なら無理ない価格です。
性能は他機種の2万円台と近いため、より下のスペックか古い機種と比較したい。
- スペック:1
- デザイン:1
- 価格:3
- 総合:5
おすすめなのは・・・
3機種の特徴をまとめてみた結果の順位です。
- 総合:7.5 ASUS C425TA
- 総合:7 HP Chromebook 14a
- 総合:5 Acer CB314-1H-A14P
※評価はあくまでもラズパイダによる主観です。
記事執筆時点で購入するという前提ならば、僅かにASUSのC425TAが最もコストパフォーマンスが良いと言えそうです。
今回、価格はASUSとHPで0.5の差を付けました。大きくは違わないからです。
但し、互いのセールによっては、差が2,000円〜5,000円になることもあります。
皆さんの好みもあるので、HPとASUSは悩むところです。
この記事では性能と価格のバランスで考えました。その意味では、どの機種も大きな隔たりは感じません。
今年2021年はChromebook元年になるかも知れません。
もっと良いスペックで低価格なモデルも出てくると予想されます。4月から新生活に備えて検討している人は、この4万円前後のChromebookも参考にしてください。