全国的に新型コロナウィルスの影響で学校が休校になっています。2020年3月から子供達の学習が制限されている状態です。海外では既にオンライン授業の環境が整っていたこともあり、多くの国で何らかのオンライン教育を受けています。
日本では残念ながら、この4月から小学校のプログラミング教育が導入される予定でも分かるように、まだまだ遠隔で受けられる環境が整っていません。
オンライン授業ではどうしてもデバイスが必要になります。子供専用ではなくてもネット環境とパソコンを自由に使える家庭はまだ多くはありません。
では、どんな機種(デバイス)が良いのでしょうか。3つご紹介します。
タブレット端末
タブレット端末と聞くと日本ではiPadが有名です。しかし、iPadは高機能ではあるものの比較的に高価なデバイスです。
小学校などではタブレット端末の導入が多いと聞いています。しかし、ほとんどWindows10搭載でしょう。
性能としても遜色なく、それでいてiPadより安価に購入できます。
何をするかによっても変わりますが、3万円以下で手に入る新しいタブレットならば充分な性能があります。
Windows10搭載タブレットとしてはSurface Goが有名ですが、これはフラグシップモデルということもあり高価です。もちろん性能は文句ありません。約6万円前後します。
国も、小学校などへ1人5万円の予算で1人1台のデバイスを促しているため、もしかしたらギリギリSurface Goも可能ですが、Windows10系であれば恐らく中国・台湾メーカーのタブレットになることは容易に想像できます。その点からも同じようなOSならスムーズに使えるかも知れません。
Chromebook
Chromebookはノートパソコンの形をしていますが、厳密には完全なコンピュータではありません。Chrome OSを搭載した高速起動がウリのデバイスです。起動というよりスリープとなり、スマホやタブレットと同じです。
Google謹製なため、Chromeブラウザは一般的とはいえ、主にPlayストアのAndroidアプリを活用する端末なのでスマホに近い機種と言えます。
例えば、Chromebook クロームブックは2019年モデルで、CPUにMediaTek MT8173C、メモリーは4GB、ストレージとして32GBのeMMC フラッシュメモリというスペックとしてはオーソドックスな構成になっています。
そのためChromebookの特徴である安価が受け入れられ海外で人気になりました。
但し、タブレット端末と比べてメモリーの容量だけが不足に感じます。
増設はできないため、割り切った使い方が必要です。そのため、デバイス性能の問題もあり、あまり多くメモリーを消費するアプリを使わないことが前提になります。
こちらのChromebookは価格幅が変わってきています。3万円前後から手に入れることができます。(以前の旧機種は2万円からだった)
Windows10タブレットと比較しても、Chromebookはキーボードが付いている点を重要視しなければ、現在においてタブレットと価格差はありません。
特に昨年2019年からChromebookは高性能になっておきており、価格も5万円以上の商品が増え、タブレットとしても使えるような機種も増えてきています。
中には、ハードスペックはChromebookと同等でもWindows10(Sモード)を搭載している製品もありますので、益々もって境目が無くなってきています。(※SモードはWindows10の簡易版で、Microsoft Storeのアプリのみ利用できるOSです)
Raspberry Pi 4B
では、Raspberry Pi 4Bはどうでしょう?
実はシングルボードコンピュータというだけあって、Raspberry Pi 4Bは一応はコンピュータなんです。タブレット端末ともChromebookとも異なります。
モニターと入力機器のキーボード&マウスは用意しないとなりません。それにあまり馴染みの無いLinuxであるRaspbianOSが標準です。
考え方によっては、OSや設定をオカシイ症状にしてしまっても簡単に初めからやり直すことが可能です。なにせ、microSDカードを入れ替えれば済みます。
それにRaspberry Pi 4Bはメモリー4GBモデルが主流で、デスクトップPCの代替機としても有効です。これはオフィスソフトウェアやその他PCで行うようなアプリも導入可能なこともあり、単にプログラミング教育だけに留まらない使い方が可能です。
このラズパイダでも情報を発信していますが、世界中で教育に使われているため、情報を得たり、様々なアプリも無料で手に入れることに利点もあります。
唯一の難点は、日本人は英語に拒否反応があるため、全てが日本語で手に入る情報ばかりではない点でしょうか。
それでも専門の書籍や子供向けの書籍、プログラミング教室なども増えてきていますので、そんなに心配はすることもない状況になってきています。
安価が利点
何よりもRaspberry Pi 4Bは一式揃えてもChromebookよりも安価に手に入ります。
それにモニターが余っていれば新たに購入する必要も無く、キーボード&マウスは安価に手に入る有線タイプでも充分です。もしもに大きなテレビであればHDMIを繋ぐだけでリビングでも使用することは可能です(字は読みにくいかも)
全部揃えなくても良いなら、本体と電源アダプター、microSDカードと合わせても1万円以下で手に入ります。ケースも1,000円以下から購入できます。
そういう意味ではお子さんの最初に専用マシンとしてRaspberry Pi 4Bを与えるのは全く無理がないと思います。
お絵かきだって勉強になりますよ。
\ Raspberry Pi 4はメモリー8GBが最新 /
Scratch3.0はどれでも動く

プログラミング教育で有名な「Scratch3.0」はほとんどのブラウザで動作します。そのため、どのデバイスを選んでも利用できます。
プログラミング教育もこのScratchを使う授業が多いでしょう。
デスクトップ版
- Chrome 63+
- Edge 15+
- Firefox 57+
- Safari 11+
- ※Internet Explorerは動作しません。
タブレット版
- モバイル Chrome 62+
- モバイル Safari 11+
オフライン版
こちらはインストールする形で端末に入れられます。
- Windows10
- macOS
- Raspbian(Raspberry Pi 4Bなど)
なお、オンライン版であれば、無料アカウントを作成することになり、プロジェクトの共有が可能となります。どの端末からでも続きができたり、他人のプロジェクトを再現可能です。(要アカウント)
具体的には学校で作業した状態を家庭でも再現できる利点があります。インターネットの環境があれば、フリーWEBメールみたいにどこからでもアクセス可能なんです。
一方で、インストールする形であれば、ネット環境が無くても利用できます。
このように、プログラミング教育だけで考えれば、デバイスはどの端末でも問題ありません。あとはお子さんが占有できる状態であれば、もちろん古いマシンでも構わないのです。(※IEだけは動きませんから、あまり古い機種は気を付けてください)
これからはオンライン学習も
それぞれをまとめてみました。
Windowsタブレット | Chromebook | Raspberry Pi 4B |
Windows10 OS | Chrome OS | Raspbian OS |
メモリー6GB〜 | メモリー4GB〜 | メモリー4GB(4B) |
キーボード別売 タッチパネル | ノートパソコン型 タッチパネル | キーボード別売 モニター別 |
主に5万円前後 | 主に4万円前後 | 本体のみ6,600円〜 セットで約1.5万円 |
高性能 Windows10 | ノートパソコン型 タッチパネルも有 | 安価 完全なコンピュータ |
どのデバイスを選んでも同様にプログラミングを中心とした学習が可能です。Raspberry Pi 4Bだけ唯一、カメラが標準では搭載されていませんので(増設は可能)対面式のオンライン授業はできません。データを受信するだけの形式ならどれもカメラは必要ありません。
ネガティブなチャンスですが、これらデバイスでオンラインで授業を受ける風土が整えば、2020年の自粛期間も無駄にはならないと思います。
それに今回のような災害ではなくても、今後は自宅で学習を継続する時代になると想像できます。この機会にオンライン授業などの環境を揃えるきっかけになるのではないでしょうか。
こういったオンラインに関しては、他国と異なり日本は後進国の様子です。せめて未来ある子供達には世界と同水準の教育を受けさせたいですね。
Scratchダウンロード先:https://scratch.mit.edu/download
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