ラズパイ4はデスクトップマシンライクに使えると注目を浴びています。これまでよりもスペックは大幅に上がり、4Kディスプレイを同時に2つ利用できるデュアルディスプレイにも対応しました。小さなコンピューターとしては安価に手に入れられます。
そんな性能の上がった基板でも、唯一ネックなのが保存領域であるストレージがmicroSDカードという点です。
シングルボードコンピューターとしては仕方ないのですが、次のファームウェア更新では、従来の3B+同様にUSBブートに対応してきます。すると外付けのSSDドライブなどから起動できれば、かなりの速度アップが見込め、ボトルネックであったファイルの読み書きスピードが改善できます。
ベンチマークテスト
そこで、どのストレージデバイスがラズパイ4には適しているか調べてみたところ、ストレージのベンチマークを計測して共有するプログラムを見つけました。
Raspberry Pi Storage Benchmarks:https://jamesachambers.com/raspberry-pi-storage-benchmarks-2019-benchmarking-script/
インストールや使い方は簡単でした。
sudo curl https://raw.githubusercontent.com/TheRemote/PiBenchmarks/master/Storage.sh | sudo bash
このshファイルが何をインストールして何をするのか不安な人はshファイルをダウンロードした後に中身を確認してください。
紹介しているサイトで配布しているスクリプトファイルをインストール&実行すれば、計測した後に匿名で結果を作成者のサイトへ送信させているので、各メディアによる速度ランキングが公開されています。

私もmicroSDカードしか接続していないラズパイ4で試しに実行してみました。

microSDカード32GBで中身のブランドはLexarでした。総合スコアで645と出ていますね。
結果リストの中では、OSをRaspbian Buster環境とフィルタリングすると3件しか出てきません。その中で一番スコアが高かったのは、キングストンテクノロジー SSD 240GB 2.5インチ SATA3でした。
このキングストンのSSDはスコアが2168です! だいぶ違いますね。
また、同じラズパイ4という括りでは、サンディスク X600シリーズ SSDが1位でした。
こちらのサンディスクSD9SN8W512Gのスコアは、なんと10,555と桁違いです!
ただ、SATAだと変換コネクタも必要だし、剥き出しなのでケースも欲しい。となると「サンディスクエクストリームポータブル」シリーズと価格差はあまり変わりませんね。
ファームウェアが更新されれば、現在よりも簡単に起動ドライブに出来ると思います。
ラズパイ4をストレージデバイス(SSDやHDDやUSBメモリー)で起動させる際に使用するドライブ購入の参考になると思います。
計測してみたよ
追記:2020/09/14
ラズパイ4をUSB接続のSSDから起動する方法(USBブート)でご紹介したSSD 240GBで計測してみました。

総合スコア645 → 8011
当たり前ですけど超速くて満足です!
URLから他の速度が閲覧できます。私の→ https://storage.jamesachambers.com/benchmark/31725
コメント ご感想をお願いします。
いつも貴重でタイムリーな情報を紹介くださりありがとうございます。
ご指摘のとおりPCライクに使うにはMicroSDではいかにも心許ない。
私も不用品となったSSDに、2.5″ SATA to USB3.0 Adapterを買い足して
Pi4につなごうとしたのですが、I/Oエラーが出て読み書きできない。
母艦のノートPCや、USB2.0側だと問題なく動作する。
どうやらPi4のUSB3.0にはAdapterとの相性があるようです。
このベンチマークに推奨されているAdapterなら問題ないんでしょう。
購入されるときは、このサイトを参考に下調べをお忘れなくというお話。
ご参考になりましたでしょうか。
海外ではマニアックな割合も多いので、単純にスゲえなという思いでご紹介しました。
耐久性は分かりませんが、性能はかなり違うようなので、自身が購入する際にも参考にしています。
SSDドライブも安く大容量になってきましたし、私のメインマシンだってラップトップですがSSDです。5年くらいなんでもないので、そろそろ全て移行しようかなと思っています。
また、ぜひラズパイダを覗いてください。貴重な経験のコメントありがとうございます。
後日談です
ベンチマークサイトの推奨アダプタ(StarTech.comのUSB3.0 to 2.5″SATA Cable USB3S2SAT3CB)が納品されたので早速試してみました。
まず母艦でこのアダプタのIDチェック
osamu@voyager:~$ lsusb
Bus 003 Device 003: ID 174c:55aa ASMedia Technology Inc. Name: ASM1051E SATA 6Gb/s bridge, ASM1053E SATA 6Gb/s bridge, ASM1153 SATA 3Gb/s bridge, ASM1153E SATA 6Gb/s bridge
ふむ。情報どおりASMediaのチップのようだ。
速度もついでに調べよう。
osamu@voyager:~$ sudo hdparm -t /dev/sdb
/dev/sdb:
Timing buffered disk reads: 1326 MB in 3.00 seconds = 441.91 MB/sec
では、Pi4のUSB2.0につないで電源オン
速度チェック(私の環境では/dev/sda)
ubuntu@ubuntu:~/Desktop$ sudo hdparm -t /dev/sda
dev/sda:
Timing buffered disk reads: 102 MB in 3.03 seconds = 33.71 MB/sec
shutdownしてUSB3.0につないで電源オン
おぉぉ無事に認識している
USB3.0で速度チェック
(私の環境では/dev/sda)
/dev/sda:
Timing buffered disk reads: 784 MB in 3.01 seconds = 260.66 MB/sec
母艦と比べるとだいぶ遅いけど、こんなもんかな。
簡単なチェックなので、正確ではないけど8倍くらい早くなったので良し。
ついでにFitタイプのUSBも調べておこう。空いてるUSB3.0にUSBメモリを挿して
速度チェック(私の環境では/dev/sdb)
/dev/sdb:
Timing buffered disk reads: 608 MB in 3.00 seconds = 202.37 MB/sec
意外とやるじゃん
しかし、8倍ってのはUSB3.0の恩恵は大きいですね!
Fitタイプも充分に速いですが、コスパ的に容量として128GBまでですかね?
詳しい数字とともに参考になりました。ありがとうございます。
ちなみにベンチマークスコア(見やすく編集しました)は
Score Brand Host Model/OS Class Size Adapter
3960 Samsung840 Pi4 Ubuntu19.10(Mate) SSD 500G ASM105x
でした。
HostのUbuntu(Mate)は私のような初心者でもGUIで簡単に設定できてしまいます。
いつも新鮮で有用な情報を提供くださり本当に感謝しています。