先日の「arm64版が開発中とされるPop!_OSはUbuntu+macOSライク」でPop!_OSが気になっているとお伝えしました。実は既にbeta版はarmに対応したイメージもダウンロードできる状態になっていましたね。(気が付かなかった)
早速、イメージファイルをダウンロードしてPi 400で試してみました。
beta版テストリリース

試したのは記事執筆時点で「Pop!_OS 21.10 Beta」です。21.10という表記から次にリリースされるバージョンということが分かります。
記事執筆時点でPop!_OSはまだ21.04が最新です。
このbeta版はアップグレードと新規インストールのテストとして公開されています。いずれ正式版をダウンロードできるでしょう。
あくまでもテストのベータ版ですから、不具合は承知の上で試してみました。
書き込み
microSDカードへの書き込みは、いつものRaspberry Pi ImagerでもOKです。
メニューのカスタムから、ダウンロードしたOS(今回はpop-os_21.10_arm64_raspi_4.img)を指定すれば大丈夫です。

注意点として1つ。自動で空き容量を拡張してくれません。起動後に手動で実行する必要があります。やり方は後述しています。拡張できますので安心してください。
起動の様子
ウィザード形式でいくつか答えて使えるようになります。特に難しい設問はありませんでした。
キーボード、タイムゾーン、Wi-Fi、ユーザー名とパスワードの設定など基本的な設定が主です。

動作速度
いつものようにYoutubeを全画面表示にした時の遅延も見てみました。

ベータ版とはいえ、表示がコケるような場面もありません。microSDカードで起動している動きです。
リッチなユーザーインターフェイスの割には、スゴイ軽いというわけでなく、遅いと思うわけでも無くて、可も無く不可も無くといった感じ。この辺はmicroSDカードで起動している範囲内です。
Workspace
ワークスペースの表示もスムーズです。
これはノートパソコンなどのタッチパッドでジェスチャーに対応していて、上から下へ3本指でフリックすることでも表示できます。
まるでMacbookのようですね。
日本語の設定
日本語表示は設定メニュー内にあるRegion&Languageから日本語を選ぶのですが、最初は選ぶ場所に出て来ないので、画面中央にあるManege installed Languageボタンから開いたLanguage Sipportウィンドウ下部にある install /Remove Languageボタンで日本語を追加します。
その後、一旦再起動かログオフ&インして適用すると、赤枠のLanguageの場所から日本語を選べます。

選べて終わりかと思ったら、反映するのにもう一度ログオフを求められました。
都合2回のログオフすることになりました。再度のログイン後は日本語表示に変更されていました。

容量の拡張
最初に述べたように、このテストベータ版では、自動的にmicroSDカードの利用領域が拡張されません。(Expand Filesystem)
Raspberry Pi OSなら設定できるraspi-configもありませんから、システムメニューにあるディスクと書かれたアプリケーションから変更します。
パーティション管理ツールになります。

この通り、64GBの容量は、左から2番目が8.3GBのExt4。空き容量が55GBとある。

パーティション2をマウスクリックで選んでから、矢印の設定からサイズの編集を実行。
どれだけ割り当てるかスライドさせます。

空いているGB分をすべて振りたいので一番右までスライドさせました。

サイズ変更後はご覧のようになりました。

これで64GBのmicroSDカードもすべての容量が使えます。
これはベータ版で無ければ、Raspberry Pi 用にも正式に対応するかも知れません。今回はベータ版ですから手動で行いました。
Pop!_Shop
Shopとあっても無料でダウンロードできるアプリケーションです。いずれはここで販売したいのか、まるでAppleのAppStoreみたいにデザインされています。

ジャンル毎に並んでいるのは分かりやすく、僅かながらとはいえ画像でも内容が紹介されているので、初めてでも閲覧しやすい。
基本はUbuntu由来のPop!_OSですから、Ubuntuでお馴染みのアプリケーションになります。
Raspberry Pi でもPop!_OS
iPhoneにもいえることですが、WindowsからmacOSへ移行する際、デザインの良さに惹かれる人も多いと思います。
このPop!_OSもデザインはUbuntu由来+macOSの印象。とても好感の持てるデザインです。

その分、メモリー使用量は増えてしまったり、CPUのアクセスが多くなるので、できればメモリーは大目の8GBモデルを使用したり、CPUのクロックアップした方が良いでしょう。
今回はPi 400ということで、メモリーは4GB、クロックアップもしていません。
それでも他のOS同様に快適に使えます。本家UbuntuDesktopよりも軽いかな、という印象ですから、Ubuntuをまだ未経験の人には十分過ぎると思えます。
ちょっと本格的にPop!_OSをRaspberry Pi 4で動かすのもいいかも知れないですよ。
デスクトップPCライクにPop!_OSを使うなら、専用のケースにSSDドライブ起動させたい?!