ラズベリーパイを始めるときに設定をします。主に3通りの設定方法があります。初回のセットアップウィザード、ラズベリーパイの設定画面、そしてコマンドraspi-configです。
どれでも同じ設定できる項目もありますが、徐々に細かく設定するため分けて利用できます。
初めてならば、初回セットアップウィザードだけでもOKですよ。
順番にご紹介します。
初回セットアップウィザード

OSのバージョンによって多少異なります。
アップデートされていきますから、数年前とはだいぶ異なっています。より親切になり、初めての人はこの設定だけでも十分に使うことができます。

Bullseyeバージョンから、日本語を選ぶと日本語入力ソフトも一緒にインストールしてくるようになったのは大きいかも。
Wi-Fiの設定、最初のアップデートも済ませられ、再起動後にすぐ使い始めることができます。
ラズベリーパイシステムの設定
初回セットアップウィザードが終わった段階で、もう少し設定したいなら、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)で済ませられるラズベリーパイの設定から行えます。

Bullseyeの時点で、5つのタブに分けられています。
システムタブ

初回セットアップウィザードでパスワードは設定済みです。変更する際にここから行えます。
ホスト名はデフォルトで「raspberrypi」です。複数台あると見分けがつなかいですし、IPアドレスの代わりに設定したホスト名でアクセスもできるため、付けておくのはオススメです。
ブート以下の設定は、読んでそのままです。特に変更しなくても良いでしょう。
ディスプレイタブ

オーバースキャンは、初回セットアップウィザードで黒い枠が表示されるか?の選択により、オーバースキャンが有効になっている場合もあります。
ピクセルダブリングは、表示を倍にする表示かどうかの設定です。
Headless Resolutionはディスプレイに繋いでいない場合の画面解像度の設定です。VNCで接続した場合の解像度としてもいえます。
唯一、画面のブランクは、好みによって無効にしましょう。時間経過で暗転(ブランク)させず、ずっと表示させておきたい場合です。私はいつも無効にしています。
他はデフォルトのままでも支障ないですね。
インターフェイスタブ

初回セットアップウィザードでSSHを有効にした場合、ここでも有効の表示になっています。デフォルトではすべて無効です。
よく使うのは、SSHの他に、VNC、I2C
VNCビューワで他のマシンから操作したいなら、VNCを有効にします。
I2Cは、基板にあるGPIO端子に何かを接続して使うなら有効にする必要があります。(HAT、LEDなど)
冷却ファンなどの電源取得として、5Vや3.3VとGNDだけを使う場合は無効のままでOKです。現在は冷却ファンの場合、回転数の制御などでパフォーマンスタブに独立しています。
SPIはGPIOより少ないピンを利用する際に使えます。

パフォーマンスタブ

通常はイジる必要が無いタブです。
特にGPUメモリなどは電圧に依るため、設定を変えるのはオススメしません。公式から、いずれGPUメモリ変更オプションはなくなると示唆しています。
オーバーレイファイルシステムは、システムを読み込みだけで書き込めない状態にします。ちょっと特殊な使い方なので、一般的な利用では設定することも無さそうですね。
唯一、冷却ファンの制御に便利な項目があります。先程のように、Fan SHIMなどが分かりやすくて適しているでしょう。
ローカライゼーションタブ

初回セットアップウィザードで設定してあるため、敢えて変更する際に利用します。
キーボードを変更した場合など、でキーボードのレイアウト設定を変えるくらいでしょうか。
コマンドraspi-config
初回セットアップウィザードや、ラズベリーパイの設定で設定できない項目などは、ターミナルからコマンドraspi-config
で使える設定画面があります。
sudo raspi-config
通常で有れば、特に設定することも少なくなってきました。数年前まで、この画面で設定することが多かったです。
コマンドインターフェース(CUI)では、GUIのラズベリーパイの設定が使えませんから、このraspi-configを使うことになります。
もちろん、通常のデスクトップ画面からでもターミナル内に表示されて使えます。
順番に見ていきましょう。
1 System Options(システムオプション)

選択して中に入ると、更にメニューで別れています。

- Wi-Fi
- オーディオ
- パスワード
- ホスト名
- ブート選択
- ブート時にネットワークを待つ有無
- スプラッシュスクリーンの有無
- 電源LEDの光り方を選ぶ
この中で、電源LEDの光り方だけはありませんでしたが、あとはすべてGUIのラズベリーパイの設定と同じです。
2 Display Options(ディスプレイオプション)

こちらも6つに分かれています。

- アンダースキャン
- ピクセルダブリング
- スクリーンブランキング
- VNCの解像度
- コンポジット
※D2〜D6になっています。
ここでも5つはラズベリーパイの設定と同じです。若干言葉が異なっていますが、内容は同じです。
唯一、コンポジット接続の設定があります。これもいずれは無くなる設定でしょう。Raspberry Pi 3Bの頃、コンポジットで古いテレビに繋いでみました。
ただ、専用のケーブルが必要です。恐らく自宅に転がっている代物ではありません。ご近所にも売っていない代物です。
Raspberry Pi 4の時代(HDMIで4K)であれば、元に戻すのにハマる人もいらっしゃるため、あまりオススメしません。

私は、アナログテレビを捨てる際、1台だけ程度が良いシャープ製のテレビにRaspberry Pi 3Bを繋いであります。小さくてアナログなので、他に使い道もなくRaspberry Pi 3Bがちょうどいい。
3 Interface Options(インターフェイスオプション)

こちらも8つに分かれています。

- Legacy Camera
- SSH
- VNC
- I2C
- Serial Port
- 1-Wire
- Remoto GPIO
メニューI2〜I8までは、GUIのラズベリーパイの設定と全く同じです。
カメラの有効/無効の設定が、Bullseyeからこちらに変更になりました。OSが前バージョンBuster同様に、Legacy(レガシー)としてカメラポートの有効をすることになりました。もうこれまでと同じようにはサポートされないからです。
Legacy OSのBusterであれば今まで通りです。
これまでのようなカメラを使う場合は、ここで有効にする必要があります。
4 performance Options(パフォーマンスオプション)

こちらは4つ。

- オーバークロック
- GPUメモリー
- オーバーレイファイルシステム
- ファンの設定
P2〜P4はGUIのラズベリーパイの設定と同じです。
オーバークロックだけがここから設定できるようになっています。しかし、ここから設定できるのは、Raspberry Pi 1と2だけです。
5 Locaisation Options(ローカリゼーションオプション)


- ロケール
- タイムゾーン
- キーボード
- Wi-Fi
こちらはGUIのラズベリーパイの設定と全く一緒です。こちらは説明の必要が無いですね。
6 Advanced Options(アドバンスオプション)

こちらも欠番2があるA1〜A7の6つに分かれています。

- ファイルシステムの拡張
- コンポジット
- ネットワークインターフェイス名
- ネットワークプロキシ設定
- ブートオーダー(起動順)
- ブートローダーのバージョン
このメニュー内容だけは、GUIのラズベリーパイの設定にはありませんでした。
中でも、主にファイルシステムの拡張は使うことが多いかも知れません。
ユーザー領域が最小でセットアップされている場合、拡張することでmicroSDカードのフリー領域をユーザー領域の空き容量に割り当ててくれます。
また、USB接続のSSDドライブからOSを起動させたい場合、ブートオーダーでUSB起動にする必要があります。

B2がUSB Bootになっています。(現バージョン)
USB起動に変更しても、microSDカードだけで起動させれば、microSDカードから起動します。

ブートローダーのソフト(ROM)を更新するか、工場出荷時に戻すか選択できます。
通常は、sudo apt full-upgradeコマンドでアップデートできますから、主に戻す時に利用します。

A3〜A5は、あまり一般的ではありませんので、ここでは割愛します。
8 Update(アップデート)

項目の7が無くて8がUpdate。但し、このraspi-configツールのアップデートです。
9 About raspi-config(raspi-configについて)

このraspi-configツールの簡単な説明と、バージョンが分かります。

他の方法もある
ラズベリーパイの設定には、これらの3つ以外にターミナル画面で1つずつ設定することもできます。また、config.txtに記載して有効にする設定も可能です。
状況に合わせて使い分けましょう。
大抵は、初回セットアップウィザードとGUIのラズベリーパイの設定で事足ります。
以上、ラズベリーパイの設定でした。